先日、ドイツのハイリゲンダムで主要国首脳会議(サミット)が開かれましたが、そこで我が国の将来に大きな影響を与える宣言が採択されました。重大なので、取り上げてみます。
投資の自由、投資環境及び社会的責任
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/summit/heiligendamm07/pdfs/g8_s_ss.pdf
--------以下引用--------
投資の自由
10.我々は開放的で透明性の高い投資枠組みを強化し、投資を制限する傾向と闘うために協力する。障壁を設け、保護主義に与すれば、繁栄を失うことになろう。我々は、従って、持続可能性に関する懸念を尊重しつつ、世界経済にとって自由で開放的な市場が中心的な役割を果たすことを認め、世界的な資本移動を促進するため、開放的な市場を維持する必要性を認める。我々は、投資の自由が経済成長、繁栄、及び雇用にとり極めて重要な柱であることを再確認する。我々は、すべての先進国、主要新興経済国、及びその他の国々に対し、各国の投資政策、不必要に制限的または恣意的な政策から生じる潜在的費用、及び開放的な投資制度の経済的利益につき、真剣に評価するよう呼びかける。
11.このような背景の下、我々は外国投資に対する国家的規制を最小化することに引き続きコミットする。こうした規制は、主に国家安全保障に関連する極めて限定的な事例にのみ適用されるべきである。そのような事例において従うべき一般原則は、無差別、透明性、及び予測可能性である。いかなる場合においても、規制措置は必要な範囲、程度及び期間を超えるべきではない。投資に関して適用可能な条約は、引き続き影響を受けない。我々は、OECDに対して、特にベスト・プラクティスを特定し、一般原則をさらに発展させることで、これらの問題につき作業を継続することを奨励する。我々は、民間及び国有企業による市場主導型の国境を越える投資に関する透明性の原則につき、一層の共通理解を促進するよう、OECD及びその他のフォーラムと協力する。
※テキスト化されたのは、以下のブログの管理人様です。
或る浪人の手記「これぞ売国外交の神髄」
http://restororation.blog37.fc2.com/blog-entry-777.html
--------引用以上--------
非常に重大なメッセージは、次の部分です。
>このような背景の下、我々は外国投資に対する国家的規制を
>最小化することに引き続きコミットする。こうした規制は、
>主に国家安全保障に関連する極めて限定的な事例にのみ適用されるべきである。
要するに、ある国に対する外国からの投資については、極力制限をなくせということです。
え?それが何か問題なの?という方もいらっしゃるでしょう。問題も問題、大問題です。
最近、このような制度が導入されたのはご存じでしょうか。
三角合併について
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E8%A7%92%E5%90%88%E4%BD%B5
--------以下引用--------
企業合併の方法の一つで、会社の吸収合併を行う際に、存続会社の親会社の株式を交付することによって行う合併をいう。その手法上「合併」という言葉を使っているが、実態としては株式交換に類似する。(中略)
三角合併の方法によると、消滅会社の株主には「存続会社の親会社」の株式を交付されることとなる。このため、存続会社が100パーセント子会社である場合には、合併の終了後も存続会社が100パーセント子会社である状況には変化がなく、存続会社の親会社の株主が増加するように合併を設計することができる。
この仕組みによれば、外国会社が日本に受け皿としての100パーセント子会社を設置し、その会社と日本の既存の会社とを合併させて買収し、買収後も日本の既存会社を100パーセント子会社として保持する仕組みを可能とする(中略)
--------引用以上--------
早い話が、ある会社を買収したいと思った場合、お金を出さずに、親会社の株式を発行紙さえすれば済むということです。いわゆる「合併における対価柔軟化」の一環です。
これの何が問題なのかというと、株式の時価総額が異常に高い外国企業が、株価の割安な日本企業を簡単に買収できることに尽きます。
たとえば、世界的企業である「松下電器産業」は、アメリカの電器最大手である「ゼネラル・エレクトリック(GE)グループ」の10分の1程度です。自社株の10分の1を松下の株主にくれてやれば、昨年営業利益率5%を達成した超優良企業を完全子会社にできるのです。なんとお買い得なんでしょう。私がジャック・ウェルチだったら「コイズミさんよくやってくれた!」と喝采するでしょうね(三角合併は小泉政権下の平成17年会社法導入に伴い成文化)。
外資に買収されれば、かえって企業改革が進むじゃないか!!と思っている方も、まあ実際に「ハゲタカ」がどんな風に死肉をついばむか、ちょっと見てみましょう。
Dogma and prejudice「国際労組が都内でファンドセミナー 」
http://blog.goo.ne.jp/sinji_ss/e/277da23bb1fea01e0897ce8b4737801d
--------以下引用--------
米ブラックストーン・グループが買収した英社に4500万ドル(約54億4500万円)の顧問料を支払わせたほか、米ハンバガーチェーン大手のバーガーキングが買収ファンドに特別配当を行うため4億ドル(約484億円)の借り入れを行ったなどの事例を挙げた。
さらに同氏は「ファンドは買収企業を巨大なATM(現金自動預払機)と見立て空っぽになるまで引き出そうとする。人材育成や生産性向上を重視した投資が不可能になる」と批判。
--------引用以上--------
ライブドアという企業がニッポン放送相手にやろうとしていたのは、こういうことだったのです。こういうファンドに買収された企業に、社会に役に立つものを提供して利益を上げるという、日本人が従来考えているタイプの「会社」としての活動を求めるのは無理です。
私も曲がりなりにも商法だとか会社法だとかを勉強したことがある人間なので、それが「違法」でないことくらいは分かっています。しかし、そういう法律的に問題がないとされるやり方が、長い目で見て社会にどういう影響を与えるのかという点に思いを馳せれば、こういう「ハゲタカ」や「ハイエナ」の行動を座視するわけにはいかないと思うのです。
そういう点では、愛国だの憂国だの謳っているのに、外国資本の「侵略」に全く触れないブログが多いというのは、本当に日本のことを考えているのかと首を傾げたくなります。
しかし、合併というのは合併契約を結ばなければ成立しない行為であり、その企業の株主の賛成がなければいけません。
要するに、三角合併というのは、資金面のハードルが下がっただけであり、株主総会で特別決議(株主の3分の2の賛成が必要)という、合併承認決議の要件が変わったわけではありません。だから、企業防衛のためには、「敵」に発行株式総数の3分の2を奪われなければいいわけです。
そこで、日本企業の多くが試みている措置が「ポイズンピル」の導入です。
●こちらのリンクに書いてあるように、ポイズンピルというのは買収者が一定の割合を超える株式を取得した時に、既存株主に新株を発行するなどして買収者の持ち株比率を下げる仕組みのことです。定款(会社の憲法みたいなもの)に記載すれば比較的自由に定めることができます。
これが意外と効いているようです。最近、我慢しきれなくなったハゲタカが、マスコミで悲鳴を上げました。
買収防衛策は最悪 導入企業 スティール代表が批判
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2007061302023717.html
--------以下引用--------
日本企業に対して積極的な投資や買収活動を行っている米系投資ファンド、スティール・パートナーズのウォレン・リヒテンシュタイン代表が十二日、東京都内で記者会見した。敵対的だと批判の声が出ている投資姿勢について「誤解だ。私たちは日本の経営者を助けに来ている。協働し調和してやっていきたい」と訴えた。
また、投資先の企業が相次いで導入している事前警告型の買収防衛策について「世界最悪の防衛策。他の国なら違法行為になる」と厳しく批判。「防衛策を講じる代わりに、私たちの提案を前向きに考えてほしい」と強調した。
スティールは日本企業三十社以上の株を大量保有し、増配や買収などの提案を次々に突き付けている。表舞台に姿を現すことがほとんどなかった同代表が会見などの公の場に姿を見せたのは初めて。会場には二百人近い報道陣が詰め掛けた。
現在進めているブルドックソースと天龍製鋸に対する株式公開買い付け(TOB)について、同代表は「(両社は)十分に成長して利益を確保しており、人材を送るつもりはまったくない」と述べ、いずれも経営権取得の意図を否定した。
一方、スティールの持ち株比率を低下させることを狙って、ブルドックが導入を発表した買収防衛策についてはスティールだけが新株予約権の行使ができない仕組みで、「株主の平等な権利を奪う」と反対していく姿勢を明確にした。
--------引用以上--------
こういうファンドが投資して、何か画期的な技術を開発したり、企業の福利厚生が充実したりという話を聞いたことがある方がいたら、私に是非教えてください。「経営者を助ける」などと空々しいもいいところでしょう。
もっとも、相手をなじるということは、それだけ相手を脅威に感じているということです。逆に、欧米の連中に頭をナデナデされている人間は、彼らにとって従順な配下ということに他なりません。
他の国なら違法行為になる・・・ということは、いずれこういう連中が、日本企業の「ポイズンピル」の設定を非合法化するような「カイカク」を、日本政府に要求してくるということなのでしょう(もちろん、アメリカ政府の親切なアドバイスという形で)。
そこに来て、冒頭のサミット共同宣言は、企業防衛を排除する「錦の御旗」となるのです。主要国=国際世論の合意に反する愚かな行為だ・・・と。日本人はこういう攻撃に死ぬほど弱いということは、みなさんもよくご存じでしょう。
安倍政権というのは、どうしてこう外で調印したり(ピョンヤン宣言を成文化)発言したり(ニューズウィークで「謝罪」発言)する度にろくでもないことをするんでしょうか。彼らが保守政権に見えている人は、目が腐っているとしか思えません。
そんな中、日本を守ろうという動きをしている省庁もあります。経済産業省がそれです。
外資の投資規制拡大 企業買収増加背景に
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20070427mh06.htm
--------以下引用--------
三角合併にらみ、財界も要望
経済産業省は26日、外国企業が日本企業に投資する際、政府への事前届け出を義務づける業種や製品の範囲を拡大する方針を正式発表した。炭素繊維や工作機械など軍事転用の可能性がある製品を生産する日本企業への投資を、事前届け出の対象に追加し、海外への技術流出などを防ぐ。技術の進歩で一般向けの汎用(はんよう)品にも軍事転用できる製品が増えたため対象を拡大する。海外投資ファンドによる日本企業買収が相次ぐなど環境が変化したことも、投資規制を強める背景にある。
■制度
規制の見直し方針は、経産省の研究会が26日、中間報告書案としてまとめた。外国企業を対象とした投資規制の見直しは、1991年以来、16年ぶりとなる。
届け出制度は、「外国為替及び外国貿易法」(外為法)に基づいている。
対象は外国企業による投資が行われると、〈1〉国の安全を損なう〈2〉公の秩序の維持を妨げる〈3〉公衆の安全の保護に支障をきたす――などの恐れがある業種だ。現在は、武器、航空機、原子力、宇宙開発、電力・ガスなど20業種が対象だ。
今回は、これまでのような業種別ではなく、具体的な品目別に対象を決める方針で、炭素繊維や電池、工作機械などが候補となっている。具体的な品目を詰めて7月にも政令を改正し、8月から実施する方針だ。
対象が上場企業なら株式の10%以上、非上場企業なら1株でも、取得する30日前までに投資の規模や目的などを、財務省や各業種の所管官庁に届け出るよう義務付けている。問題がある場合は、国が投資の変更や中止を勧告、命令できる。
特に厳格な審査が必要となる航空機、原子力などの業種への外資の投資は、年10件にも満たず、これまで変更や中止の勧告が行われた例はない。対象に汎用品が追加されれば、審査件数は格段に増えそうだ。
■特徴
今回の見直しは、1991年の前回見直しから、安全保障や投資を取り巻く環境が大きく変化したことに対応したものだ。
炭素繊維は弾道ミサイルの材料になる。民生用の電池が軍事用の通信機器や潜水艇、戦車に搭載され、光学レンズが偵察衛星に使われる恐れも出てきた。
また、現在は届け出の対象を規制業種の事業会社に限っているが、親会社や持ち株会社への投資も規制対象に加える。投資ファンドなど複数の外国投資家が、議決権を協調して行使することに合意している場合は、合計して10%以上の株式を取得すれば届け出の義務を負わせる。
規制強化は、5月の「三角合併」解禁をにらみ、日本経団連が要求していた。外国企業の親会社の株式を、合併の対価として使えるようになり、外資による日本企業の買収がこれまでよりやりやすくなるためだ。
ただ、経産省は「規制の網を広げただけで、海外からの投資自体を抑制する目的はない」(通商金融・経済協力課)と、外資による買収に対する「防衛策」の意図はないと説明している。
■課題
新たに規制対象に追加する製品の線引きがあいまいだと、必要以上に外資の投資を抑制する可能性もある。このため経産省は、届け出義務があるのかどうか、業界や企業が事前に調べられる仕組み作りを検討する考えだ。
また、現在の制度では、変更命令に従わずに罰金や懲役刑を科された投資家なども、株式は保有し続けることができる。罰則を承知で日本の防衛関連産業などに投資してくるケースに対応するため、株式保有をやめさせられる強制措置の導入も今後の検討課題となっている。
--------引用以上--------
日本企業相手に合併買収を狙ってくる企業は、何もアメリカの企業だけではありません。日本と地政学的に敵対する関係にある中国の企業もあります。もっと言えば、中国や朝鮮の息のかかった欧米系ヘッジファンドが、買収を狙ってくる可能性もあります。
そのような買収策によって、安全保障に関わる技術を流出させないようにしたのが今回の措置です。経済産業省は投資抑制策ではないと言っていますが、対象に汎用品を含めたことで日本の機械工業に携わる企業の多くが届出の対象になり、確実に買収の手間はかかるようになります。
しかし、これによって外資による買収を止めるとは言っても、あくまで「外為法」の範囲内に過ぎません。だから、例えば金融機関や、農林水産業関連の事業については、外資の「侵略」を止められません。
そうなると、やはり内閣が主導して、きちんとした買収対策を練る必要があるわけです。ところが、安倍内閣がやっていることは、全く逆です。
自民「経営者も競争を」 三角合併決議要件、厳格化を見送り
http://www.sankei.co.jp/keizai/kseisaku/070306/ksk070306008.htm
--------以下引用--------
自民党の商法に関する小委員会は6日、三角合併の5月解禁に絡み、日本経団連が求めていた株主総会での合併決議要件の厳格化を見送ることを正式に決めた。厳格化すれば三角合併が事実上ほとんど不可能になるためで、棚橋泰文委員長は「経営者にも(企業同士の)競争が求められている」と、経団連の姿勢を批判した。
--------引用以上--------
こういうことをあっさり決めてしまう人たちが、最近の教育はおかしいだの、愛国心は大切だのと吹聴しているのですから、もう笑うしかありません。
最近気づいたのですが、安倍内閣というのは、保守というより「グローバリスト内閣」と言った方が正確なようです。
安倍内閣メルマガ~「アジア・ゲートウェイ構想」について
http://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2007/0517.html
--------以下引用--------
政府が重点的に取り組む教育改革についてもグローバル化という視点を欠
かすことができない。大学の国際化や留学生政策の再構築を提言した。
また、金融資本市場の強化については、「アジアの利用者にとって最も魅
力的な金融市場の構築」という切り口からインパクトのある政策を提示して
いる。
さらに、農業など国内需要対応を主としてきた産業の成長の可能性も示し
ている。農業分野についても、グローバル化に適応した強い農業に変革する
ために必要な、経営力の強化を重視している。異業種のノウハウを取り込ん
だ、農業の発展を実現するための政策を示した。
--------引用以上--------
どうでしょうか。「グローバル」の連発で、国内産業の保護育成など全く考慮していません。とても愛国心を提唱している人々とは思えない主張ですね。日頃朝鮮や中国を罵倒しているネット右翼や自称保守の方々は、このメルマガを読んでも何とも思わないのでしょうか。
愛国心を吹聴しながら、アジア市場を目指す。どうも安倍内閣は「大東亜共栄圏」の近衛内閣とそっくりですね。そう考えると、どうりで中国や朝鮮と仲よくするわけです。
どうやら、安倍内閣が続く間は、日本企業や経済産業省の「親日派」を我々自身で応援して行くしかないようですね。
投資の自由、投資環境及び社会的責任
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/summit/heiligendamm07/pdfs/g8_s_ss.pdf
--------以下引用--------
投資の自由
10.我々は開放的で透明性の高い投資枠組みを強化し、投資を制限する傾向と闘うために協力する。障壁を設け、保護主義に与すれば、繁栄を失うことになろう。我々は、従って、持続可能性に関する懸念を尊重しつつ、世界経済にとって自由で開放的な市場が中心的な役割を果たすことを認め、世界的な資本移動を促進するため、開放的な市場を維持する必要性を認める。我々は、投資の自由が経済成長、繁栄、及び雇用にとり極めて重要な柱であることを再確認する。我々は、すべての先進国、主要新興経済国、及びその他の国々に対し、各国の投資政策、不必要に制限的または恣意的な政策から生じる潜在的費用、及び開放的な投資制度の経済的利益につき、真剣に評価するよう呼びかける。
11.このような背景の下、我々は外国投資に対する国家的規制を最小化することに引き続きコミットする。こうした規制は、主に国家安全保障に関連する極めて限定的な事例にのみ適用されるべきである。そのような事例において従うべき一般原則は、無差別、透明性、及び予測可能性である。いかなる場合においても、規制措置は必要な範囲、程度及び期間を超えるべきではない。投資に関して適用可能な条約は、引き続き影響を受けない。我々は、OECDに対して、特にベスト・プラクティスを特定し、一般原則をさらに発展させることで、これらの問題につき作業を継続することを奨励する。我々は、民間及び国有企業による市場主導型の国境を越える投資に関する透明性の原則につき、一層の共通理解を促進するよう、OECD及びその他のフォーラムと協力する。
※テキスト化されたのは、以下のブログの管理人様です。
或る浪人の手記「これぞ売国外交の神髄」
http://restororation.blog37.fc2.com/blog-entry-777.html
--------引用以上--------
非常に重大なメッセージは、次の部分です。
>このような背景の下、我々は外国投資に対する国家的規制を
>最小化することに引き続きコミットする。こうした規制は、
>主に国家安全保障に関連する極めて限定的な事例にのみ適用されるべきである。
要するに、ある国に対する外国からの投資については、極力制限をなくせということです。
え?それが何か問題なの?という方もいらっしゃるでしょう。問題も問題、大問題です。
最近、このような制度が導入されたのはご存じでしょうか。
三角合併について
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E8%A7%92%E5%90%88%E4%BD%B5
--------以下引用--------
企業合併の方法の一つで、会社の吸収合併を行う際に、存続会社の親会社の株式を交付することによって行う合併をいう。その手法上「合併」という言葉を使っているが、実態としては株式交換に類似する。(中略)
三角合併の方法によると、消滅会社の株主には「存続会社の親会社」の株式を交付されることとなる。このため、存続会社が100パーセント子会社である場合には、合併の終了後も存続会社が100パーセント子会社である状況には変化がなく、存続会社の親会社の株主が増加するように合併を設計することができる。
この仕組みによれば、外国会社が日本に受け皿としての100パーセント子会社を設置し、その会社と日本の既存の会社とを合併させて買収し、買収後も日本の既存会社を100パーセント子会社として保持する仕組みを可能とする(中略)
--------引用以上--------
早い話が、ある会社を買収したいと思った場合、お金を出さずに、親会社の株式を発行紙さえすれば済むということです。いわゆる「合併における対価柔軟化」の一環です。
これの何が問題なのかというと、株式の時価総額が異常に高い外国企業が、株価の割安な日本企業を簡単に買収できることに尽きます。
たとえば、世界的企業である「松下電器産業」は、アメリカの電器最大手である「ゼネラル・エレクトリック(GE)グループ」の10分の1程度です。自社株の10分の1を松下の株主にくれてやれば、昨年営業利益率5%を達成した超優良企業を完全子会社にできるのです。なんとお買い得なんでしょう。私がジャック・ウェルチだったら「コイズミさんよくやってくれた!」と喝采するでしょうね(三角合併は小泉政権下の平成17年会社法導入に伴い成文化)。
外資に買収されれば、かえって企業改革が進むじゃないか!!と思っている方も、まあ実際に「ハゲタカ」がどんな風に死肉をついばむか、ちょっと見てみましょう。
Dogma and prejudice「国際労組が都内でファンドセミナー 」
http://blog.goo.ne.jp/sinji_ss/e/277da23bb1fea01e0897ce8b4737801d
--------以下引用--------
米ブラックストーン・グループが買収した英社に4500万ドル(約54億4500万円)の顧問料を支払わせたほか、米ハンバガーチェーン大手のバーガーキングが買収ファンドに特別配当を行うため4億ドル(約484億円)の借り入れを行ったなどの事例を挙げた。
さらに同氏は「ファンドは買収企業を巨大なATM(現金自動預払機)と見立て空っぽになるまで引き出そうとする。人材育成や生産性向上を重視した投資が不可能になる」と批判。
--------引用以上--------
ライブドアという企業がニッポン放送相手にやろうとしていたのは、こういうことだったのです。こういうファンドに買収された企業に、社会に役に立つものを提供して利益を上げるという、日本人が従来考えているタイプの「会社」としての活動を求めるのは無理です。
私も曲がりなりにも商法だとか会社法だとかを勉強したことがある人間なので、それが「違法」でないことくらいは分かっています。しかし、そういう法律的に問題がないとされるやり方が、長い目で見て社会にどういう影響を与えるのかという点に思いを馳せれば、こういう「ハゲタカ」や「ハイエナ」の行動を座視するわけにはいかないと思うのです。
そういう点では、愛国だの憂国だの謳っているのに、外国資本の「侵略」に全く触れないブログが多いというのは、本当に日本のことを考えているのかと首を傾げたくなります。
しかし、合併というのは合併契約を結ばなければ成立しない行為であり、その企業の株主の賛成がなければいけません。
要するに、三角合併というのは、資金面のハードルが下がっただけであり、株主総会で特別決議(株主の3分の2の賛成が必要)という、合併承認決議の要件が変わったわけではありません。だから、企業防衛のためには、「敵」に発行株式総数の3分の2を奪われなければいいわけです。
そこで、日本企業の多くが試みている措置が「ポイズンピル」の導入です。
●こちらのリンクに書いてあるように、ポイズンピルというのは買収者が一定の割合を超える株式を取得した時に、既存株主に新株を発行するなどして買収者の持ち株比率を下げる仕組みのことです。定款(会社の憲法みたいなもの)に記載すれば比較的自由に定めることができます。
これが意外と効いているようです。最近、我慢しきれなくなったハゲタカが、マスコミで悲鳴を上げました。
買収防衛策は最悪 導入企業 スティール代表が批判
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2007061302023717.html
--------以下引用--------
日本企業に対して積極的な投資や買収活動を行っている米系投資ファンド、スティール・パートナーズのウォレン・リヒテンシュタイン代表が十二日、東京都内で記者会見した。敵対的だと批判の声が出ている投資姿勢について「誤解だ。私たちは日本の経営者を助けに来ている。協働し調和してやっていきたい」と訴えた。
また、投資先の企業が相次いで導入している事前警告型の買収防衛策について「世界最悪の防衛策。他の国なら違法行為になる」と厳しく批判。「防衛策を講じる代わりに、私たちの提案を前向きに考えてほしい」と強調した。
スティールは日本企業三十社以上の株を大量保有し、増配や買収などの提案を次々に突き付けている。表舞台に姿を現すことがほとんどなかった同代表が会見などの公の場に姿を見せたのは初めて。会場には二百人近い報道陣が詰め掛けた。
現在進めているブルドックソースと天龍製鋸に対する株式公開買い付け(TOB)について、同代表は「(両社は)十分に成長して利益を確保しており、人材を送るつもりはまったくない」と述べ、いずれも経営権取得の意図を否定した。
一方、スティールの持ち株比率を低下させることを狙って、ブルドックが導入を発表した買収防衛策についてはスティールだけが新株予約権の行使ができない仕組みで、「株主の平等な権利を奪う」と反対していく姿勢を明確にした。
--------引用以上--------
こういうファンドが投資して、何か画期的な技術を開発したり、企業の福利厚生が充実したりという話を聞いたことがある方がいたら、私に是非教えてください。「経営者を助ける」などと空々しいもいいところでしょう。
もっとも、相手をなじるということは、それだけ相手を脅威に感じているということです。逆に、欧米の連中に頭をナデナデされている人間は、彼らにとって従順な配下ということに他なりません。
他の国なら違法行為になる・・・ということは、いずれこういう連中が、日本企業の「ポイズンピル」の設定を非合法化するような「カイカク」を、日本政府に要求してくるということなのでしょう(もちろん、アメリカ政府の親切なアドバイスという形で)。
そこに来て、冒頭のサミット共同宣言は、企業防衛を排除する「錦の御旗」となるのです。主要国=国際世論の合意に反する愚かな行為だ・・・と。日本人はこういう攻撃に死ぬほど弱いということは、みなさんもよくご存じでしょう。
安倍政権というのは、どうしてこう外で調印したり(ピョンヤン宣言を成文化)発言したり(ニューズウィークで「謝罪」発言)する度にろくでもないことをするんでしょうか。彼らが保守政権に見えている人は、目が腐っているとしか思えません。
そんな中、日本を守ろうという動きをしている省庁もあります。経済産業省がそれです。
外資の投資規制拡大 企業買収増加背景に
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20070427mh06.htm
--------以下引用--------
三角合併にらみ、財界も要望
経済産業省は26日、外国企業が日本企業に投資する際、政府への事前届け出を義務づける業種や製品の範囲を拡大する方針を正式発表した。炭素繊維や工作機械など軍事転用の可能性がある製品を生産する日本企業への投資を、事前届け出の対象に追加し、海外への技術流出などを防ぐ。技術の進歩で一般向けの汎用(はんよう)品にも軍事転用できる製品が増えたため対象を拡大する。海外投資ファンドによる日本企業買収が相次ぐなど環境が変化したことも、投資規制を強める背景にある。
■制度
規制の見直し方針は、経産省の研究会が26日、中間報告書案としてまとめた。外国企業を対象とした投資規制の見直しは、1991年以来、16年ぶりとなる。
届け出制度は、「外国為替及び外国貿易法」(外為法)に基づいている。
対象は外国企業による投資が行われると、〈1〉国の安全を損なう〈2〉公の秩序の維持を妨げる〈3〉公衆の安全の保護に支障をきたす――などの恐れがある業種だ。現在は、武器、航空機、原子力、宇宙開発、電力・ガスなど20業種が対象だ。
今回は、これまでのような業種別ではなく、具体的な品目別に対象を決める方針で、炭素繊維や電池、工作機械などが候補となっている。具体的な品目を詰めて7月にも政令を改正し、8月から実施する方針だ。
対象が上場企業なら株式の10%以上、非上場企業なら1株でも、取得する30日前までに投資の規模や目的などを、財務省や各業種の所管官庁に届け出るよう義務付けている。問題がある場合は、国が投資の変更や中止を勧告、命令できる。
特に厳格な審査が必要となる航空機、原子力などの業種への外資の投資は、年10件にも満たず、これまで変更や中止の勧告が行われた例はない。対象に汎用品が追加されれば、審査件数は格段に増えそうだ。
■特徴
今回の見直しは、1991年の前回見直しから、安全保障や投資を取り巻く環境が大きく変化したことに対応したものだ。
炭素繊維は弾道ミサイルの材料になる。民生用の電池が軍事用の通信機器や潜水艇、戦車に搭載され、光学レンズが偵察衛星に使われる恐れも出てきた。
また、現在は届け出の対象を規制業種の事業会社に限っているが、親会社や持ち株会社への投資も規制対象に加える。投資ファンドなど複数の外国投資家が、議決権を協調して行使することに合意している場合は、合計して10%以上の株式を取得すれば届け出の義務を負わせる。
規制強化は、5月の「三角合併」解禁をにらみ、日本経団連が要求していた。外国企業の親会社の株式を、合併の対価として使えるようになり、外資による日本企業の買収がこれまでよりやりやすくなるためだ。
ただ、経産省は「規制の網を広げただけで、海外からの投資自体を抑制する目的はない」(通商金融・経済協力課)と、外資による買収に対する「防衛策」の意図はないと説明している。
■課題
新たに規制対象に追加する製品の線引きがあいまいだと、必要以上に外資の投資を抑制する可能性もある。このため経産省は、届け出義務があるのかどうか、業界や企業が事前に調べられる仕組み作りを検討する考えだ。
また、現在の制度では、変更命令に従わずに罰金や懲役刑を科された投資家なども、株式は保有し続けることができる。罰則を承知で日本の防衛関連産業などに投資してくるケースに対応するため、株式保有をやめさせられる強制措置の導入も今後の検討課題となっている。
--------引用以上--------
日本企業相手に合併買収を狙ってくる企業は、何もアメリカの企業だけではありません。日本と地政学的に敵対する関係にある中国の企業もあります。もっと言えば、中国や朝鮮の息のかかった欧米系ヘッジファンドが、買収を狙ってくる可能性もあります。
そのような買収策によって、安全保障に関わる技術を流出させないようにしたのが今回の措置です。経済産業省は投資抑制策ではないと言っていますが、対象に汎用品を含めたことで日本の機械工業に携わる企業の多くが届出の対象になり、確実に買収の手間はかかるようになります。
しかし、これによって外資による買収を止めるとは言っても、あくまで「外為法」の範囲内に過ぎません。だから、例えば金融機関や、農林水産業関連の事業については、外資の「侵略」を止められません。
そうなると、やはり内閣が主導して、きちんとした買収対策を練る必要があるわけです。ところが、安倍内閣がやっていることは、全く逆です。
自民「経営者も競争を」 三角合併決議要件、厳格化を見送り
http://www.sankei.co.jp/keizai/kseisaku/070306/ksk070306008.htm
--------以下引用--------
自民党の商法に関する小委員会は6日、三角合併の5月解禁に絡み、日本経団連が求めていた株主総会での合併決議要件の厳格化を見送ることを正式に決めた。厳格化すれば三角合併が事実上ほとんど不可能になるためで、棚橋泰文委員長は「経営者にも(企業同士の)競争が求められている」と、経団連の姿勢を批判した。
--------引用以上--------
こういうことをあっさり決めてしまう人たちが、最近の教育はおかしいだの、愛国心は大切だのと吹聴しているのですから、もう笑うしかありません。
最近気づいたのですが、安倍内閣というのは、保守というより「グローバリスト内閣」と言った方が正確なようです。
安倍内閣メルマガ~「アジア・ゲートウェイ構想」について
http://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2007/0517.html
--------以下引用--------
政府が重点的に取り組む教育改革についてもグローバル化という視点を欠
かすことができない。大学の国際化や留学生政策の再構築を提言した。
また、金融資本市場の強化については、「アジアの利用者にとって最も魅
力的な金融市場の構築」という切り口からインパクトのある政策を提示して
いる。
さらに、農業など国内需要対応を主としてきた産業の成長の可能性も示し
ている。農業分野についても、グローバル化に適応した強い農業に変革する
ために必要な、経営力の強化を重視している。異業種のノウハウを取り込ん
だ、農業の発展を実現するための政策を示した。
--------引用以上--------
どうでしょうか。「グローバル」の連発で、国内産業の保護育成など全く考慮していません。とても愛国心を提唱している人々とは思えない主張ですね。日頃朝鮮や中国を罵倒しているネット右翼や自称保守の方々は、このメルマガを読んでも何とも思わないのでしょうか。
愛国心を吹聴しながら、アジア市場を目指す。どうも安倍内閣は「大東亜共栄圏」の近衛内閣とそっくりですね。そう考えると、どうりで中国や朝鮮と仲よくするわけです。
どうやら、安倍内閣が続く間は、日本企業や経済産業省の「親日派」を我々自身で応援して行くしかないようですね。
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市場(いちば)では集まった作物を競りにかけて値段が決まります(と小学生の頃習いました)。
ということは、一般の製品などと違ってコストを価格に計上できないということでしょうか?
一般に農作物の価格の上昇がニュースで流れるのは、冷夏や暖冬やらで「不作だったとき」のように思います。
となると、農薬や農機具などの価格上昇があれば収入は減る一方で、儲かるのは同作物を作っている他地域が不作だったとき、ということになるのでしょうか?
円安のせいで余計に外国のファンドが日本の企業を買収しやすくなってますね。
逆に言えば日本の企業が保護されてきたってことでもあるんですよね。
これで買収への危機意識が高まるといいんですが。
>貴彬さん
不作の時しか儲からないのなら農家なんて誰もやりませんよ。
豊作でも廃棄したりして流通量を調節したりしますし、需要が多ければ価格は上がるので儲かりますね。
他の人のブログにコメントするのだから、記事と関係ある質問をしましょうね。
それで、コメントの趣旨は「市場への出荷物は出荷者が最低価格を設定できないのか?できたら農家の収入は上がる?下がる?」でした。
でしたが…
「食料自給率が…」「農家の後継ぎが…」「農業を株式会社化して…」といった声がありますが、
農業のなり手が少ない要因に、収入が不透明だったり、他の職種の方がより多くの収入が得られると思われているところがあると思うのです。
農家の人に聞けば教えてくれるかもしれませんが、多くは家族経営で決算を公表したりはしないでしょうし。
相応に収入になるのなら「跡継ぎが…」「会社化して…」とかいった声は出てこないと思うので、収入面ではそれなりに苦しいのではないかと思うのです。
原因は輸入の増加か、農家の努力不足か、政府の無政策か、あるいは、農家は実は儲けてるのか…。
そんな中で、ふと思ったのが、
市場(いちば)に出荷される作物は出荷者が価格を設定できないのか?
競り落とされる作物は生産コストに対してそれなりの価格で競り落とされてるのか?
それとも長い間の習慣の中で、生産コストを下回るような値はつかないのか?
あるいは最低落札価格を設定すると価格が大きく上昇するのか、売れ残って市場が処理に困るのか?
といった疑問です。
それで、ニゲロンパさんの「需要が増えれば…」で、また疑問が、
食物ですから摂取量には限界があって人口が増えままに需要はそんなに増えるのか?とか。
ダメですね、書いているうちに、知らないことが多すぎて疑問が疑問を呼んでいます…。
そんなわけで
「日本の農業はどうなるのか?ろろさんの日本の農業に対する見解みたいなものを知りたいです」
が最終的な疑問です(というか要望になってしまってる)。
しかし、これでは答えてもらえるとすると、わざわざ時間を割いてもらうことになりそうなので、
「迂闊にコメントするんじゃなった…忘れてください」というのが正直なところです。
お騒がせしてすみません。
間違いなく影響しているでしょう。
それにしても、空前の高成長だと言われている今、不景気だと言われていた2001年前後よりも、今の方が円安なんですね。何ででしょう。
やはり、円ドル為替は、市場価格で決定されていない気がしますね。
しかし、この問題は避けて通れないものでもあるので、そのうち独立した記事を書かせていただきます。
それにしても、私くらいなんですか?やっぱり、みんな林業とか農業には関心ないんですかねぇ。愛国とか憂国とか、まず地方が元気にならないとしょうがない気がしますけど。
やはり結果が全てを物語りますね。
スティールが口でいくら言ったところで今までの結果を見ればどのようになるか明らか。
林業や農業ですが、政治に興味無かった時はやっぱり関心が低かったです。
今はこの産業の重要性を認識し始めています。
ただ、だからと言って、それを端的に説明できるかというとこれが非常に難しいのは確かですね。まず政治と経済は別だという誤認がある。それから様々に張り巡らせた似非理論を突破し、根元から経済を説明しなければならない。
貴彬さんは、多分非常に重要なことに気がつきかけていると思います。
なぜ農産物で生産コストを割るようなデフレがしょっちゅう起きるのか、それは、お金の力が、農産物よりも強いからです。
とくに現在の経済では、お金>アイデア・情報>サービス等>一般の工業製品>農産物等の順に弱く、下位に来るものほど、デフレが起きて、安く買い叩かれるわけです。生産コストの大小・在庫の管理費がかかるか否か・腐ったり、原価償却のスピードが早いか、という部分がポイントです。
例えばお金はたくさん持っているだけで利子が付いて金融的に得をしますが、農産物は生産にコストはかかるし、持っていると在庫の管理費はかかるし、果てはどんどん腐ってしまうので、とっても損をします。つまりそれだけ金融的に弱いのです。言い換えれば、最もデフレリスクが高い。これは政府が多少保護してもあまり変わりません。なぜなら、そのための負担は税金や価格という形で国民に返ってくるからです。お金以降の順位を政府が無理に矯正しても、歪ができるだけで、全体の負担は変わらないのです。
また、農産物の生産があたかも工業製品のように行われることも、突如として供給過剰=デフレになる背景です。現代の農家の人はお金を得るために、農産物を作っています。安定した収入を得ようとすれば、農産物を工業製品のようにつくって、生産コストや在庫管理費を抑制しようということになります。しかし、農産物の生産は天候に左右されるので、結局誰も望まないデフレが必然的に発生します。
工業製品の生産で得をするというのも、実は供給よりも常に大きな需要を喚起するシステムがあるから、成り立ってきました。そういうことが成り立たなくなってくると、製造業も農業と同じ地位に転落します。それが今日のデフレ問題の根本です。
今の経済システムでは、農産物の「デフレ」というものを健全な方法でコントロールする術がないのです。貴彬さんは直感的にそいうことに気が付きかけているのでしょう。
必要なのは使用目的限定・時限付きのクーポンまたはマイナス利子の地域通貨を導入するとともに、現在の経済下では分かれ分かれになっている生産者と消費者の関係を近づける地域市場の構築が必要です。少なくとも人々の生活や命に係る農林水産業や基幹産業は、そういうシステムにしておかないと極めて危ういことになります。だから、これは国防マターでもあります。
たぶん上記では説明が足りないかもしれません。現在以上のことを説明するブログを作っているのですが、上手く進んでいません(汗)。当面は記事にあるリンクを参照していただければと思います。
http://blog.goo.ne.jp/banabuna/
ろろさん、勝ってに横入りしてすみません。ファンドというのは、上記のような格差を利用して、なんでも買収しようとするグループですから、一応関連あるということで。
彼らの手が、日本の食料・水・エネルギー・情報・先端技術などの基幹産業に伸びてくるときが、一番危険なときだと思います。これは最重要の国防マターのはずです。
基本的にアメリカなどからグローバリズムという間接侵略が行われていると言うのに、日本の保守派はそれに疎すぎるんです。
それではいかんのですが。