結局、14日に開いた「金融政策決定会合」でも利上げに踏み切れなかった日本銀行。為替は1ドル=157円台と「悪い円安」がつづいている。この円安水準に中小企業が悲鳴をあげている。
東京商工リサーチが実施した調査(3~10日)によると、企業の半数が「円安」を経営に「マイナス」と回答している。5月末の「1ドル=156円前後」の円安水準を、経営に「マイナス」と回答した企業は、半数以上の54.4%だった。「プラス」は、わずか3.81%だけだった。内需型産業を中心に、多くの企業が円安がもたらすコスト高に苦しんでいる。企業にとって深刻なのは、円安水準が想定を大きく超えていることだ。企業が希望する為替レートは「1ドル=125円」、想定レートは「1ドル=150円」だった。現状の「1ドル=157円」から大きく乖離している。
経済評論家の斎藤満氏はこう言う。「購買力平価だと1ドル=100円前後が適正です。希望レートが125円ということは、企業にとっては、やや円安の方が居心地がいいということでしょう。しかし、さすがに157円の円安は行き過ぎです。想定レート150円は、企業にとって厳しい水準だが、なんとか赤字にならないということです。予算も150円で組んでいる。それが、157円となると、想定レートから7円、希望レートから30円もの開きがあります」
■「1ドル=200円」の予測も
しかも、円安は止まりそうにない。市場では「1ドル=200円」を予測する声まで出始めている。プラザ合意が行われた1985年の水準「1ドル=235円」が意識されている。このまま円安がつづいたら、企業の多くはどうなるのか。「円安に苦しむ企業が生き残るには、コストを削る、価格を上げる、という方法があります。しかし、消費が伸びていないだけに価格を上げるのは簡単ではないでしょう。かといって、コストを削るのも難しい。これまでは人件費をカットしてきましたが、どこも人手不足なので人件費を減らすのは難しくなっています。このまま円安がつづくと、内需型企業も輸出型への転換を迫られ、転換が難しい企業は廃業・倒産という事態に追い込まれる恐れがあります」(斎藤満氏)
岸田政権と植田日銀は、いつまで「悪い円安」を放置しておくつもりなのか。
しかも、円安は止まりそうにない。市場では「1ドル=200円」を予測する声まで出始めている。プラザ合意が行われた1985年の水準「1ドル=235円」が意識されている。このまま円安がつづいたら、企業の多くはどうなるのか。「円安に苦しむ企業が生き残るには、コストを削る、価格を上げる、という方法があります。しかし、消費が伸びていないだけに価格を上げるのは簡単ではないでしょう。かといって、コストを削るのも難しい。これまでは人件費をカットしてきましたが、どこも人手不足なので人件費を減らすのは難しくなっています。このまま円安がつづくと、内需型企業も輸出型への転換を迫られ、転換が難しい企業は廃業・倒産という事態に追い込まれる恐れがあります」(斎藤満氏)
岸田政権と植田日銀は、いつまで「悪い円安」を放置しておくつもりなのか。
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