~Noba風呂~≪のばぶろ≫

まったり ゆったり
この世知辛い世の中を
ゆるりゆるりと。。。そんな感じでいいんじゃなぁい?

赤い 本の糸

2013-12-19 08:58:27 | 日記
本の話である。

この作家さんが好き。という本も勿論あるのだけれど

本屋へ行って
たくさんの書籍の中から
ふと、目に留まった本を手にしてみる。

Noba は、どちらかというと
お気に入りの人の作品ばかりを読み続ける傾向があるのだが
それでは新しい世界に出会えないし
新しい世界に出会えないのは、ちょっとばかりツマラナイので
時々、前述の方法で本を選ぶ事にしている。

勝手に命名
「赤い 本の糸」

先月、辻井 喬氏が亡くなられたという。
堤 清二氏 のペンネームだ。

確か、まだ高校生だった気がする。
タイトルの繊細さに惹かれたのかもしれないが、定かではないのだ。
でも確かに惹かれて手に取った記憶は残っている。

「彷徨の季節の中で」

自伝的小説のこの本は
華やかなイメージのある、一流企業の御曹司のそれとは大きくかけ離れた、
大変重く切なく、それでもしっかりとした内容だった。

ただ、如何せん 当時の私には重すぎた。
それでも途中で投げ出さずに読み切ったのは
作者さんの文章の魅力なのだろう。
幾つかの読み返す本の中に この作品も入っているのだ。

今また手にしたキッカケが
作者さんのご逝去に伴ってしまったのは大変残念だと思う。
でも、失礼な言い方かもしれないのだが、
亡くなってもなお、本という形で足跡をこの世に残していける事が
少し、羨ましい気もする。

ご冥福をお祈り申し上げます。

そしてまた
ふらっと本屋さんに立ち寄って
赤い糸を探してみよう。

先入観を持たずに。
自分の直感を信じて。