UEFA会長がサウジのベテラン選手を巨額オファーで獲得していることを批判した。「サウジアラビアのサッカーにとっては大部分で間違いだと思う。キャリア晩期の選手を獲得するシステムは、サッカー発展のシステムではない。中国でも同じ間違いがあった」とGOALで紹介されている。
今後サウジのサッカーがどのように発展していくのかは分からないが、中国では大失敗だった。有名選手をかき集めて(主にブラジル人だが)、ACLも制覇した。代表チームにも帰化選手を入れて、代表監督にもリッピ、カンナバーロなどを招聘。しかし中国がWCに出たのは2002年が最初で最後。あげくの果てに各クラブのオーナー企業のバブルがはじけて、チームも解散か縮小。この一連の騒動で中国の国内リーグ、代表チームは10年は後退しただろう。
一方、サウジの場合は国策企業の投資ファンドがアルヒラルなど4クラブを買収して、巨額オファーを出しているのはこれらの4クラブである。2030年WCのエジプト、ギリシャとの共同開催を目指しているので、そのための投資であるから、WCが決まればそれまでは投資は続くだろうし、加速化する。さてその後はどうなるのか。
2022年にWCを開催したカタールのクラブが巨額オファーで有名選手をかき集めているというニュースは聞こえてこない。PSGのオーナーになっても、WCを開催しても急にカタールは強くならなかったし、カタールのクラブがACLで強くなることもない。
サウジの場合は、ニューキャッスルを買収して、次に国内クラブに有名選手をかき集めさせている。カタールと中国のやり方のハイブリッドである。時間はかかるがアカデミーに投資して、いいコーチを各クラブにつけて、若手を鍛えてヨーロッパに行かせる。これが王道だろう。しかしカタールにもシャビが監督をしていたアカデミーがあったが、それでも時間はかかっているようだ。
くせのある男、UEFA会長アレクサンデル・チェフェリン