サッカールーの何でもござれ パート2

シドニー在住者のサッカーについてのざれごとです。

オーストラリアのEV事情

2023-03-08 11:36:03 | 日記

オーストラリアのEV事情を語るにはまずどんな車種が売れているのかを見てみよう。2022年の新車販売は108万台で対前年比3.3%アップである。しかし2018年には115万台売れていたので、コロナをはさんでの販売不振からはまだ抜けていない。

 

メーカー別にみるとトップはトヨタの23万1千台、2位はマツダで9万5千台、3位はKIAの7万8千台, 4位は三菱で7万6千台と続く。日系3社だけで40万台を超えているので、これにスバル、日産、スズキ、レクサス、ホンダを合計すると50万台を超えて日本車で市場の50%を寡占している。

 

さてEVの中ではテスラが約2万台。他にBYD、POLSTAR,、ヒュンダイ、VOLVO, VWなどがあり、全体で3万2千台あまりで、市場の3%あまりである。これは今後も増えていくだろう。筆者は毎日運転しているがテスラをよく見かけるようになった。日本車はEV販売リストの中には出てこない。日産と三菱が日本で売っているが、オーストラリアには輸出していないのだろう。ヨーロッパ車、中国車、韓国車はEVで伸びているが、日本車は完全に出遅れている。ハイブリッドでガラパゴス化しているといわれる所以である。

 

EVの問題は何といっても充電である。車種によって充電方式が違うだろうが、街中での充電ステーションが普及していない以上、自宅で充電するしかない。EVが爆発的に普及するには自宅での高速充電がカギとなる。

 

ちなみに同僚でテスラに乗っている人がいるが、自宅で8時間充電して150km程度充電できるという。8時間もかけてたったの150kmである。筆者は車で通勤していて、1週間で平均170-180km運転する。普段はガソリンを2週間に1回入れている。つまり1回のガソリン補充で360-400kmは走れる。

 

ガソリンスタンドでは時間がかかってもせいぜい10分ほど。EVも2週間に1回程度充電して、せいぜい1時間ならばいいだろう。つまり自宅充電で1時間で400km、これが可能となればもっと普及するだろう。

 

オーストラリアの場合、都市圏はいいが、シドニーから1時間も走ればすぐに田舎になる、ガソリンスタンドもまばらになるので、常にガソリンの残量に注意が必要。そういう環境で充電ステーションが普及しなければとてもEVなんて売れないだろう。オーストラリアの田舎道を走ると、カンガルー、ポッサムなどの小動物が特に夜間には車に飛び込んでくることがある。このため乗用車でも車のフロント部分にブル・バーと呼ばれる柵のようなものをつける車が多い。

 

そういう過酷な道路環境でEVが普及するとは思えない。

 

Commercial Deluxe Bull Bar to suit Mitsubishi Triton MR 11/2018+

オーストラリアの田舎はタフな車が好まれる。テスラではだめだろう。