liquid

perception

初めての

2006-06-09 09:53:05 | Weblog

近頃、私の住んでいる町がさわがしい。
カフェもブランジュリーもスーパーも人で溢れている。
なぜかというと、全仏オープンです。
実は会場のStade Roland Garrosまでは、うちから徒歩10分ほど。
それはそれはよく通るんです。

でもテニスなんか知らない私には、ほぼ無関係。レジ待ち長くなったな位。

のはずが
新聞社の方が取材チケット分けてくださり
なんと観戦できることに。

混んでいるので最近は周辺を歩くのも避けていたけど
中に入ってみたら驚いた。外の比じゃない人の多さ。こんなにつまってたのか。
ずらずらっとお店が並んで、みんな優雅にお昼をしていました。

「テニスっていうか、日光浴に来てるだけみたいな人もいるんだけどね」
ほんと一大イベントなんでしょう。

テニスなんてテレビですら真面目に見たことなくて
ましてや目の前で見るなんてこれが初めて。
テニス観戦デビューがこんな所でいいんだろうか。

今日誘っていただいたのは、日本の錦織圭選手の試合。
テニスやってる人にはすごく有名なんだろうと思う。
でも私は聞くのも初めてでした。
「ジュニアだけど、将来日本のテニスを背負っていく人になると思いますよ」
と、記者の方。そうなんだ。今日の時点で、彼はベスト16。
私は単純に世界的な大会でこんな成績って相当すごい人かと思ったけど
それもそのはず。
日本の協会から支援を受けて13歳からアメリカにテニス留学中なんだとか。
すごいな。こんな人生を送る気持ちってどうなんだろう。
小さい頃にひとつの物だけを決めて、勝ち上がっていくこと。

コートに出てきた彼をみて驚く。とても16には見えなかった。
目線、行動の落ち着き。なんというか「ジュニア」の語感にあるような、
未完成さみたいなものが感じられない。淡々としていた。
よく見たらかっこよくて驚いた。顔立ちも大人びてるのかも。
動きにも驚く。足軽っ。よく走る。すべって?もぶれない。
音が違うってほどパワフルに思えた。
それにテニスで「跳ぶ」ことがあるなんてびっくりした。バスケみたいだった。

ここは焼き土のコートで苦手な選手にとっては悩ましいらしい。
他の世界大会を制覇しても、ここだけは勝てない選手もいるんだとか。
ボールの勢いが落ちてラリーが続きやすく一試合も長いそうです。
錦織選手もしきりに靴に詰まった砂を落としていた。
大変だったんでしょうか。

対戦相手はルーマニアの選手。
彼の関係者が手拍子しながらアレックス!(たぶん彼の名前)とか、
いちいちブラボーとか叫ぶものだから、びっくりした。

だってテニスって静かに見るって言うから。
注意されるんじゃないかと、なぜか私がびびる。
でもこのアウェーモードに小さくいらいら。


すると逆サイドから錦織選手に向けひとり力強~い拍手をする人が。



あれ


松岡修造じゃん



いやね、解説の為に彼が来てるというのは聞いていた。
でも出現が唐突すぎる。そして突然行動が熱い。

今まで私はその彼の熱いキャラとかルックスに好感を抱く程度だった。
でもテニス界ではすごーい人だものね。
そう思ったらなんとなくありがたい気がしてきた。
ありがたや。


残念ながら錦織選手は今日負けてしまったのだけど
がんばってほしいものです。ぜひとも。
まあ言われなくてもしっかり勝ち上がっていくだろうけど笑
なんだかこんな自分の知らない世界でこの年からこつこつと積み上げ
体ひとつで勝負している人を目の当たりにして感銘を受けた。


その他女子の試合、ダブルス、メインコートの中継など色々みて
初のテニス観戦をしっかり堪能。
分からなくて楽しめないかと思いきやすごく面白かった。

他にも、どうでもいいけどびっくりしたこと。
ボール拾う子たちの動き。鬼気迫っていた。
女の選手の声。勇ましいね。一球入魂って感じ。
選手の足のきれいさ。最近見た中じゃ最強。
審判の多さ。一線に一人なの?

しかし、これほんとに一瞬もどこからも気を抜けないね。
足からも手からも、ボールの軌道からも、線からも。
とてもいい経験をさせて頂きました。これからはちょっと真面目に見るかも。

25度の日差しで焦げたのも気持ちよかった一日でした。


この一大イベントも、日曜でおしまい。
賑やかで幸せなムードがきっとすぐ恋しくなることでしょう。