「で、夏の休暇は南仏ですごすの。」
こっちに来てから、何度この計画を言いふらしてきたことか。
先週、ばたばたしながらも、なんとか実行することができました。
ニースに着いたのは夜。
予想外の観光客の多さと、ごちゃごちゃした町並みに疲れる。
それでも夜にでかけて海を見たら、言葉をうしなった。
どこまでも、ずっと海岸。こんな広さの海は見たことなかったかも。
最初の夜はちょうど赤いくらいの満月で、海にぱーっと道をつくっていたりして。
朝見たら、海の色に更に驚く。
そういうわけで、一日ビーチにいました。本読んでうたたねして、泳ぐ
とかほんとにできる気持ちいい温度。これぞバカンス。
噂には聞いていたけど、本当に皆泳がないのね。焼くだけで
こんな海を目前に、泳がずにはいられないです。くわ。久々の水の感触。
石のビーチだから痛くて全然寝られなかったと
ユースの部屋の子たちは言ってたけど、そうでもない。
石のあったかさが眠気をさそう。
それからモナコにもいってみました。すごい町並み。すごそうな車。
まあこれは別世界ですね。世の中にはケタ違いのお金持ちがたくさんいるみたい。
小市民はというと海洋博物館があまりに楽しみで、りんごかじって開館待ち。
ここはモナコ大公アルベール1世がカジノの収益で造った巨大な博物館。
海の絶壁に立っている(まったく、どうやって建てたんだろう)
クラシカルな装飾も、いちいち海の生物や船をモチーフにしていてかわいい。
でも超バブリー。中の濃いバスクリンみたいな壁の色にはちょっとひいた。
入って、地下の水族館でしばし放心
ここには自然の循環だけで回している水槽がある
理論的には、この営みは海なんだよな。そんなことを考えて、みいる。
ああ。動く気がしない…てかほんとに動けない。いきなり頭痛に襲われる
ふらふらしながら、それでも上の展示室に
圧巻は、クジラの骨格標本。頭からしっぽまでで30メートル以上
いや、ひげくじらの「ひげ」って、すごいのね。ほんとに「ひげ」だった。
箒何百個くらいのもしゃもしゃ。それがボートくらいあるの
「シェル・コレクター」というすばらしい短編集の、鯨の話を思い出す
熱で働かない、からっぽの頭でただその大きさにのまれた
あとホッキョクグマの剥製も見る。ねえ、彼らはこんなに大きかったっけ?
ニースの近くの小さい村がいいと聞いたので、色々途中下車をしてみる。
行ってみたのはEzeと、Ville Franche Sur Mer.
まったく……すばらしい海!
ここは近辺でも珍しい砂のビーチ。
波がおだやかだから、船をみんな留めておくんだとか。
そういうわけで、海のまんなかに船がぽつぽつ浮いている。
Ezeは崖にたつ小さな集落で有名な町。
ここの冗談みたいに高いシャトーホテルで働く人と知り合い
エゾからニースへの、すばらしいドライブなんてものを経験させてもらった
ため息しかでませんでした