傍流点景

余所見と隙間と偏りだらけの見聞禄です
(・・・今年も放置癖は治らないか?)

映画覚書~Feb.中旬まで

2005-02-18 | 映画【劇場公開】
◆復讐者に憐れみを
『オールド・ボーイ』は好きかと言われると微妙だけど有無を言わさぬ気迫があって凄かったし、『JSA』は骨太な社会派娯楽作品として良く出来た作品だったパク・チャヌク監督。彼は映像センスもいいし、ストーリーテリングもしっかりしてると思うのだけど、本作は……これは北野武テイストなブラック・コメディなのかなあ? あんまり笑えないけども。
所謂“ボタンの掛け違い”でどんどん悪い事態に巻き込まれる二人の男に新自由主義批判を絡めた作品、という意味では米国の佳作『チェンジング・レーン』に似てるが、こっちはちょっと焦点がブレてるような気がする。かなり惜しい、という気持ちになる。本来好きなタイプの映画のはずなんですけどね^^;;
但しラストは納得。救いが無い、と言われてるそうだけど、私はあの○○集団が出てきたとき、思わず笑っちゃいましたよ。あのラスト前の河のシーンで終わった方が、逆にイヤ~な気持ちになっただろうな。だって結局、復讐という行為は自分に撥ね返って来るもので、する方もされる方も命懸けなのだから。

◆End Of The Century
 去年一度観て、公開終了日に再見。これについては改めて書きたいと思いますが、とにかくロックものドキュメンタリーとして、全てのロック教信者(笑)必見の名作!
 Ramonsというバンドの歴史と内実を描きながら、バンドという因果な共同体の光と影が、凝縮されてる。私はRamonsのコアファンではないけども、ジョーイに深く共感し、ジョニーの漢ぶりに涙し、ディーディーの良くも悪くも軽いところに愛おしさを感じました。

◆ターミナル
 御伽話なんだろうね。それなら徹底して欲しかったなあ、というのが正直なとこ。中途半端な部分(及び強引な展開)がひっかかってノリきれませんでした…。
まあ個人的にトム・ハンクスが苦手、というのもかなり影響してるかもしれん。それに、せっかくあの!キャサリン(・ゼタ・ジョーンズ)が清楚で可憐な行き遅れ(なぜなら不倫中なので)スッチーを好演してるのに、何故恋愛話はそんなに現実的なのよ~? >スピルバーグさんよ。