気楽にとり(鳥&撮り)歩き

近場で身近な野鳥たちを観察しながら撮影しています。

ニワトリに五徳あり・沖縄闘鶏問題

2018年09月09日 | その他
                                     芙蓉双鶏図 

野鳥図鑑だけでなく鳥が多く描かれた画集を何冊も揃えています。
特に日本画に心惹かれます。
今回は有名な伊藤若冲の描いた鶏の絵を4枚選んでみました。
若冲は、自宅の裏庭に何羽ものニワトリを放し飼いにして、縁側で飽きることなく眺め写生に没頭していたそうです。
掲載した4枚のうち3枚には小さな鳥も描かれています。
どこにどんな小鳥がいるか探してみてくださいね。

若冲の鶏の絵の解説に「古くから鶏は五つの徳を具えた人格者の比喩にもちいられた」との一文がありました。
「鶏頭(とりあたま)」「鶏は三歩歩けば忘れる」という言い回しとは、程遠い内容が気になって、調べてみました。

 紫陽花双鶏図

鶏の五徳は『韓詩外伝』に記載されているそうです。
『韓詩外伝』(かんしがいでん)は、前漢(紀元前206~8年!)の韓嬰(かんえい)による説話集的な書物。

頭に冠を戴くは文なり 足に蹴爪を持つは武なり 敵前に敢えて闘うは勇なり  
食を見て相呼ぶは仁なり 夜を守って時を失わぬは信なり


「文」~智恵
「武」~身を守る強さ
「勇」~戦う勇気
「仁」~仁義~他者への思いやり、
「信」~信頼


 向日葵雄鶏図

日本では古来、時を告げる鶏(にわとり)は神聖視され、占いとして闘鶏を行ったことが日本書紀に記されているそうです。
闘鶏は平安時代には「鶏合(とりあわせ)」と呼ばれて遊戯としても盛んに行われたとのこと。

かつては神事でもあった闘鶏が、いま、沖縄から残念なニュースとして報じられています。

  南天雄鶏図


▼「闘鶏 捨てないで 畑に傷だらけの鶏」

~闘鶏(タウチー)でけがを負ったとみられる鶏が畑や農道に捨てられている事案が、沖縄県内各地で相次いで確認されている。
瀕死(ひんし)の状態や目がつぶれ、脳がむき出しになったままの鶏が脚を縛られていたり、袋に詰められたりして、捨てられている。
約1年前から、本島南部で投棄された鶏を保護する活動を続ける本田京子さん(41)は
「多くの人にこの状況を知ってもらい、考えてほしい」と訴える。
県自然保護課は「適切な治療をせずに放置し、死に至らしめた場合は虐待に当たり、動物愛護管理法に係る犯罪だ」と強調する。
県動物愛護管理センターは、主に犬と猫が収容の対象となっていて、現在、県内の施設で鶏を保護できる場所は事実上ない~とのこと。

闘鶏 (とうけい)
軍鶏(シャモ)を闘わせて勝負を競うゲーム。沖縄では軍鶏や闘鶏のことをタウチーなどという。
戦前までは庭先や空き地などでよく行われ、見物人で人垣を作った。
2羽のうちどちらか一方が鳴いたり、逃げたり、闘志をなくすと負けとされた。

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-784560.html
琉球新報 8/18 掲載  
(上記の新聞記事の最後には、募金の呼びかけや銀行の振込み先も掲載されています。)


「沖縄」といえば、野鳥の観察や撮影の愛好家にとって、憧れの地です。
私も近い将来、沖縄に探鳥旅行に行くのを目標のひとつにしています。
ヤンバルクイナをはじめノグチゲラやホントウアカヒゲ、アマミヤマシギ、アマミヤマガラ見てみたい鳥は数知れません。
カンムリワシやシロガシラなど本州ではまず見られない野鳥も多く生息しているそうです。

野鳥の天国のように思っていた沖縄が、軍鶏にとって生き地獄になっているとは想像もできませんでした。
楽しい旅行で訪れた沖縄の地で、無惨な姿の鶏たちを見つけてしまったら・・・
バードウォッチングや野鳥撮影の愛好家ならずとも、大きなショックを受けることでしょう。
沖縄県の自然保護課には、一日も早く闘鶏の問題を解決して頂きたいです。

「残酷なことをするのも人間ですが それを止めることができるのも人間しかいません」
無残に捨てられた闘鶏たちを保護する本田さんの言葉には重みがあります。
まずは「多くの人にこの状況を知ってもらい、考えてほしい」との訴えに協力したくて記事を載せました。

▼『闘鶏で傷つき捨てられた鶏達に生きる場所を下さい』
https://camp-fire.jp/projects/view/94609

軍鶏たちの保護活動をしている本田さんは北海道出身。
沖縄の美しい海に憧れ移住して25年。ダイビングインストラクターや水中動画撮影をお仕事にされているそうです。
傷つき捨てられた鶏たちの治療費や保護施設建設のため全国に募金を呼びかけ、一時目標は達成されましたが、
本田さんの活動をあざわらうかのように施設の前にズタボロ状態の鶏たちが捨てられ続けているとのこと。
現在までに保護した鶏は約100羽にも上るそうです。


公園や海岸、河原など身近な場所にもたくさんの野鳥がいることを、ひとりでも多くの方に知っていただいて、
野鳥や自然の保護につなげたい、との思いが、私がブログを続ける動機のひとつです。
我が家は日常の献立に鶏肉も使います。
鶏を食肉にしながら鳥の生きる権利や保護を訴えるのは矛盾しているとシニカルな意見があることも承知しています。
深刻な話題はなるべく控えたいと思っていますが、残念ながら、どうしても見過ごせないことも起きているのが現実です。

タウチー愛好者の言い分は「タウチーは沖縄の文化だ」そうです。
しかし「文化」を気取るには、あまりにも野蛮で残虐すぎる所業の数々です。

古からの伝統のある闘鶏を「文化」として受け継いでいる佐賀県太良町の事例をご紹介します。

▼『伝統の闘鶏守ろう 自慢のシャモでけいこ会 太良町』
http://www1.saga-s.co.jp/news/saga.0.1801391.article.html
佐賀新聞 2011年1月掲載

~地域に伝わる昔ながらの闘鶏文化を守ろうと、佐賀県藤津郡太良町の「太良愛鳥会」は、
自慢の軍鶏(シャモ)を持ち寄り、土俵に見立てた丸い囲いの中で戦わせている。
3週間おきに本格的なけいこ会を開いており、会員同士の交流も深めている。
愛鳥会は約40年前に発足。町では農作業の合間などに闘鶏が行われていたが、
鶏を飼う農家が急減し、闘鶏もほとんど見かけなくなっているという。
シャモは1歳以上の「古」と1歳未満の「雛(ひな)」に区別され、年齢別に対戦。
縄張り意識が強く、土俵内では、くちばしで突いたり、ケリを入れたり激しい戦いを繰り広げる。鳴いたり、逃げたりしたら負け。
ケリの強い「上鶏」と打たれ強い「下鶏」に分類され、下鶏は相手の攻撃を規定の時間耐えれば勝ちとなる。
愛鳥会は闘鶏につきものだった賭けを禁止。
くちばしをテーピングしたり、足先にある鋭いケンも切り落とすなどシャモに致命傷を与えないように配慮。
会員たちは「栄養のあるものを食べさせ、もっと強くしたい。けいこ後、仲間とする鳥談義が楽しみ」~と話しているそうです。



Wikipediaによると
江戸時代のはじめに、タイから軍鶏が輸入されると闘鶏はさらに盛んになっていった。
しかし庶民の間で賭の対象とされることが多くなり、幕府は幾度か禁止令を発し、明治時代には法的にも禁止されるが生き残っていった、そうです。


和歌山県田辺市の闘鶏(とうけい)神社は、当時の鶏と人の関わりを今に伝えています。
闘鶏神社の由来は源平合戦まで遡るそうです。
平家物語などで知られた故事によると~ 
時の熊野別当は源氏と平氏のどちらに付くかに苦慮。
田辺の新宮で神意をうかがうと、「白旗(源氏)に付け」と巫女へ神託があった。
さらに赤白の鶏を7羽ずつ闘わせると、平氏に見立てた赤い鶏はどれも負けて逃げた。
別当は源氏への加勢を決め、軍船200余隻を引き連れて壇ノ浦に向かったという。
 現在、闘鶏神社では闘鶏は行われておらず、秋の「弁慶まつり」に境内で上演される劇中で闘鶏を再現しているそうです。

引用 日本経済新聞より
 https://www.nikkei.com/article/DGXLASHC22HA9_V00C17A1AA2P00/

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10 コメント

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こんにちは(o´∀`)b (だんちょう)
2018-09-09 15:42:17
沖縄ではそんなことが、行われていたのですね。
これも、ロメオさんの記事を読んで分かったこと。

それにしても、どこに行っても一定数、そうしたモラルのない方がいるものですね。
だんちょうさん (ロメオ)
2018-09-09 16:37:32
こんにちは。コメント頂きありがとうございます。
時々、ネットで鳥関連のニュースを探しますが、これにはびっくりしました。
仰る通り、どこにでもどんな分野にでもモラルのない人がいるものですね。
捨てられた軍鶏の数からすると「ごく一部の人」ではなさそうで、空恐ろしいです。
ロメオさん、こんにちは! (Taka ちゃん)
2018-09-09 17:17:29
鳥撮りブログの動機の一つが素晴らしいです。 伊藤若沖の鶏の絵は素晴らしく画集も持っています。 県立美術館の収蔵品の中にもあって観賞したこともあります。 沖縄の実態は初めて知りましたが、これは酷いですね。 当県隠岐島にも闘牛はありますが、戦意を失った時点で引き離し、後は飼育しています。
先日も動物病院で、殺処分ゼロを目指す活動をしている人と話し、親しくなりました。 鳥であれ、ワンニャンであれ、動物愛護の精神に欠ける人々には、腹立たしい限りです。
お陰で、今日は一つ賢くなりました。
私にできる何等かの協力を今後したいと思っています。
romeoさん (山親父)
2018-09-09 18:12:16
こんばんは。

沖縄の闘鶏については以前から聞いていました。
しかし闘鶏は「2羽のうちどちらか一方が鳴いたり、逃げたり、闘志をなくすと負け」と聞いていましたが、実情はこんなにひどいとは知りませんでした。

闘鶏は日本各地のいろいろな形でありますが、やはり戦わせて喜ぶというのはいかがなものでしょうか?
このような「闘鶏」は文化と言えるでしょうか、単なる動物虐待としか言いようがありませんね。

日本の動物愛護センターは殆どが犬猫が対象のようです。
何とか早く法整備をして禁止するべきかと思います。

おっしゃるように「残酷なことをするのも人間ですが それを止めることができるのも人間しかいません」
全くその通りですね、小さな命を大切にするということが、人間にとっても博愛の精神が宿ります。
動物を愛する、人を愛するということは、戦争のない世界平和にもつながると思います。
Unknown (イケリン)
2018-09-09 19:01:07
こんばんは。
シャモを戦わせる闘鶏というのがあることは存じていましたが、
このような現実があるとは、想像もしていませんでした。
「タウチーは沖縄の文化だ」というのなら、最後まで手厚く面倒を見てもらいたいものです。
一方で、シャモに致命傷を与えないように配慮しながら、闘鶏を楽しむ愛好家もいるようです。
見習ってほしいものです。
そんな酷いことが! (ここあ)
2018-09-09 19:28:05
ロメオさん、こんばんは。
今日の記事は、とても心が痛みますね。沖縄の闘鶏の事、全く知りませんでした。
やはりどんな形にしろ、闘鶏は止めた方がいいと感じます。文化と称しても、何か喜べないです。
人間の勝手な遊びや楽しみで、小さな命が失われたり、虐待されているのは酷すぎますね。
野鳥は捕らえてはいけないのに、かごに入れて飼っている人もいますし、犬や猫がペットショップで売られていますが、無理に産まされて、用がなくなると、母犬が無残な死に方をされているという話も思い出します。
動物たちも鳥たちも、人間には何も言えないのが、本当に辛いですね。
沖縄もその他の自治体でも、もっと闘鶏について考えてほしいし、禁止してほしいです。大切な記事をありがとうございました。
Taka ちゃんさん (ロメオ)
2018-09-09 20:18:04
こんばんは。コメント頂きありがとうございます。
何より鳥が好きなので野鳥の観察や撮影を続けています。ブログの文を書くのが面倒な日も多いのですが、動機が励みにもなっています。
何より閲覧してコメントまで下さる方々のおかげで続けられています。
殺処分ゼロを目指すには、まずはペットを捨てる人を無くさなければなりませんね。
課題が山積の遠く険しい道のりですが、地道な活動を続ける方々に頭が下がる思いです。
山親父さん (ロメオ)
2018-09-09 20:33:56
こんばんは。コメント頂きありがとうございます。
沖縄の闇闘鶏は賭博になっているようです。お金や遊行のために生き物に殺し合わせるとは…あってはならない事ですね。
地域によっては勝たせるため鶏に薬物を使用しているので食用にできず、無惨に捨てているようです。
スペインの闘牛にも世界から厳しい目が向けられていますね。
二本でも動物を捨てる行為に厳しい罰則が必要な時代が来ているのでしょうね。
イケリンさん (ロメオ)
2018-09-09 20:50:09
こんばんは。コメント頂きありがとうございます。
沖縄でこんな悲惨な形で闘鶏が続いていることを私も初めて知りました。
享楽の道具に使った鶏に対するゴミ同然の扱いに言葉を失いました。
仰る通り「沖縄の文化だ」というなら、今の時代、鶏への手厚いケアは最低限の配慮だと思います。
高知県の土佐闘犬も廃止になったので、闘鶏にも同じ流れを期待しています。
ここあさん (ロメオ)
2018-09-09 20:57:48
こんばんは。コメント頂きありがとうございます
私も人間の勝手で生き物を戦わせる事には反対です。
しかも致命傷を負わせたままゴミのように捨てるとは…言語道断です。
鳥獣保護法を破って野鳥を捕獲して飼育したり売買する者が存在しているそうですね。
人気の高い犬種に遺伝病が多いのも、無理な繁殖を重ねているのが理由だと聞きました。人間はどうしようもなく欲深くて罪深いですね。
まずは沖縄の残酷な闘鶏が禁止されることを願っています。

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