蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

コットンボール ’24  (bon)

2024-09-26 | 日々雑感、散策、旅行

 綿の実のことです。
 熱いくらいのベランダが、急に涼しい風によって朝などは肌寒い感じがするほどに
なり、
一体あの暑さは何だったのか! みたいな、少し白々しい響きがする気温の
変化に驚きです。
 そんなベランダの8月頃には、すでに鉢に植えた鑑賞用の綿の木に花が咲いていま
した。

 コットンフラワーです。花はオクラの花に大変良く似ています。朝にはクリーム色
に咲いて、夕方には薄いピンク色に代わる一日花ですね。花が終わって一月位すると、
小さめのホオヅキの実のような形をした緑色の果実が出来始め、今頃になるとその
実がはじけて中から白い綿(コットン)が現れてくるのです。
 果実なんですが、白い綿がフワッと咲いたように見えるところから、コットンフラ
ワー(綿花)とも呼ばれているのですね。

 拙ブログにも何度か取上げていました。

 

  コットンボール(9月24日)  
  

  

 

 

  綿の花(9月9日) 
  

 

 綿の花は、アオイ科、ワタ属で学名をGossypiumといい、英名では、お馴染みの
Ctton flowerです。 熱帯、亜熱帯の原産とありますから、ベランダの暑さにも平気
なんでしょうね。本来は多年草だそうですが、日本の冬を越せない(耐寒性がない)
ために1年草として扱われています。

 綿の木のタネを、友人からもらったのは既に7年前のことになります。2017年に
貰って、翌年の5月頃に植えたのが初めてで、失敗なく毎年咲いた種を蒔いて楽しんで
います。夏の暑いさ中に、ジニア(百日草)と綿の木が元気に暑さに立ち向かって
いる様は何とも勇気づけられるのです。

       ジニア
        

 綿の木をウイキペディアでみると、の字と綿の字が示されていました。摘み取っ
た状態までのものが、種子を取り除いた後の状態のものが綿とされていますが、
区別しないことも多い・・とあります。
 そうですね、フワッとした綿の中に数個の硬い種が入っていて、繊維がタネにしっ
かりとくっついていてこの種を取り除くのは至難です。

 また、木綿とわざわざ木が添えられているのは、繭から作られる綿が「真綿」で、
こちらの植物の綿は「木綿」ということなんですね。

                 

 木綿の栽培の歴史は古く、7~8000年前にメキシコやインドで栽培されていたよう
で、これがヨーロッパにも広がり16世紀ころまでにはアジア、アメリカに亘ったと
あります。

 産業革命によって、自動紡織機などが発明され世界中で大きな産業に成長したそう
です。19世紀中ごろまで、アメリカ南部の経済基盤ともなり「King Cotton」と呼ば
れるようになったとか・・。綿花栽培作業は奴隷の主要な仕事となっていたようです。

 日本へは、800年頃に現在の愛知県に漂着した中国人が持ち込んだそうですが、1年
ほどで途絶えてしまったそうで、もっぱら中国(明)や朝鮮から高級品として輸入
していたそうです。
 16世紀以降、日本でも各地で栽培されるようになり、江戸時代に入ると急速に拡大
し、木綿問屋が形成されるほか染色や栽培肥料など関連事業も含み大産業となった
とあり、綿布の輸出量は世界一となったとあります。

                 

 古い時代、まだ日本に木綿が伝わらなかった頃は麻を主としつつ、様々な植物から
糸・布の原料として利用されていたそうで、楮(こうぞ)もその一つだそうですが、
そこからとった靭皮繊維を「ゆう(ゆふ)」といい、「木綿」と書かれたとあります。
 ゆう(木綿)で作られた造花を木綿花(ゆうはな)というそうです。 そういえば、
繊維が絡んだような花をつける「浜木綿」がありますね。

                 

 ベランダのコットンボールから、お話が大きく膨らみましたが、木綿は繊維として
は伸びにくく丈夫であり、吸湿性があって肌触りもよい、水に濡れると強度が増し
洗濯に耐えるなどの特徴があることから世界中で大きな産業に発展した植物の一つ
ですね。

 

 

 

綿菓子のようです・・

Cotton Candy








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