蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

サイバーサロン(12) (bon)

2023-02-05 | 日々雑感、散策、旅行

 一昨日、節分の日は、14時から園芸友の会の「サイバーサロン(12)」がありま
した。 今年最初のオンライン例会でした。 昨年は、11月に横浜イングリッシュ
ガーデンへ屋外リアル例会を楽しみましたが、オンライン例会は、その前の10月で
したから九州など遠隔地のメンバーとの会合は3か月ぶりになります。今回、九州、
大阪の遠隔地からの参加を含めて7名の例会となりました。

例会メンバー(関東5、九州、関西)
  

 

 談笑を交えて、会員の発表が2件ありました。

 1件目は、『私の農業(その1)』と題して、米作など、本格的な農業を会社リタ
イア後ずっとやってこられ、会社勤めの間は、知人に任せたまに参加するという形
であったそうですが、田んぼ 3反に春から秋まで米作を、冬場は冬野菜を栽培され
ており、このほかに畑もやり、たまねぎやニンニク、イチゴなどを栽培し、さらには
果物類なども栽培しているとのことでした。

 田んぼ
  

 イチゴだけをとってみても、何と800株くらい植えられて、収穫時期には、近く
の幼稚園児のための収穫体験に供されているなどボランティア活動も実施されてい
ます。

イチゴ(今の状態)         収獲期 幼稚園児を招いて 
    

 米作も事業としてではなくあくまで自分のためにやられていますが、一人で実施
しているとのことで驚きました。 耕運機、田植え機、コンバイン、乾燥機、選別
機・・などすべて機械を導入されて、さすがに苗代はなく、稲(ひのひかり)の苗
を購入し、それ以降は、すべて一人で実施しているというのです。

        田植え機
         

 一般に、田植えから、除草や収穫なども人手が必要だという概念でしたが、説明
を聞くうち、稲作がほとんど自動化されていることが分かりました。田植え機に苗を
装填し、合わせて肥料も充填し作動すると、苗を植えたすぐ横に適量の肥料をサッと
自動で投げ込む仕掛けになっているという。おまけに、この肥料(顆粒状)には、
微妙に異なるコーティングが施されていて、時期によりコーティングが解けて肥料
成分が出てくるため、6月頃に溶ける肥料、7月頃に溶ける肥料‥と言う具合に施肥
されるので、追肥などの作業は不要だという。

 除草も近代化されていました。小袋に入った除草剤?を、適宜水田に放り投げると、
小袋が水に解けて一面に除草剤が散らばり、それが沈殿して雑草の発芽を抑える役目
をするというのです。ここでは一般の除草剤のように農薬による除草ではなく、土壌
をふさいで発芽を抑止するという手法ですから稲への影響はなく、いちいち除草に
苦労することもないのだそうです。

 収穫はコンバインで行い、ただちに乾燥機にかけその後、選別機にかけ袋詰めする
という工程となり一人で十分やって行けるのだそうです。

 1表60㎏で、8~10俵/反 の玄米が収穫できるそうです。 発表者の体験から、
3~4反程度の田んぼでは、収穫量は、苗、肥料などの費用と対比するとほぼトントン
で、人件費はもちろん機械類の減価償却費はとても賄えないそうで、もっと広い
田んぼでないと経営的には難しいのではないかとありました。

 話は少し脱線して、100万石の大名はどのくらいの規模なのか? を概算して提示
されました。 1俵=60㎏=2万円として、10俵/反の上出来だとすれば、1反で4石
=600㎏で、20万円/反。 1万石では、2500反ですから5億円。100万石なら、500億円
の計算になりました。玄米なのか、籾米なのかなどによって違いがありますが・・。 
面白い展開もありました。

           

         熱帯雨林
         

 もう一つの発表『熱帯林の役割』は、上の発表とは全く違った、温室効果ガス削減
(吸収)にどれだけ熱帯林が役立っているかの視点から、熱帯林を見直し、この熱
帯林がここ30年にわたって開発などによって年々減少している危機に警鐘を発して
いるとの内容でした。
『全地球における熱帯林の役割』(北島薫氏、京都大学大学院農学研究科教授)の
資料から、熱帯林の気候条件による詳細な区分が、次表(一部簡略化して表示)の
ように示されていました。

    気象の違いを反映する森林タイプ (北島氏 資料より)
 

 これら、熱帯林は地球上の森林面積の内45%を占め、地球のすべての森林による
光合成のおよそ8割、地球の陸域の植物全てによる光合成のおよそ6割を担っている
というのです。つまり、「光合成により炭素吸収を増加させて大気中の二酸化炭素
の増加を相殺する」森林の役割のなかで『熱帯林』が果たす役割が大きいとあります。
この中でも熱帯雨林が最も効果的であるようです。
          

 また、自然によるCO₂吸収効果は、森林の他、海洋も大きな役割を果たしています。

 海洋のCO₂吸収は、1990~2021年の平均で74億tで年々増加しているそうです。
一方、
世界の森林で吸収されるCO₂は、156億tですが、植物の発酵過程で発出する
CO₂が81億tあり、差し引き75億t(世界資源研究所)吸収している計算になります。

 森林で75億t、海洋で74億t、合計約150億t CO₂の自然吸収がありますが、
地球で排出するCO₂(温室効果ガス)量=335億t(2019年)の半分以下ですから、
今後CO₂排出削減の努力をしなければいけないということなんですね。
 世界中でいわれていることですが、このように数値を示されると今さらに削減

をしなければならないことが分かります。

             

 2時間にわたり、楽しい例会でした。 最後に節分に当たり、恵方巻の話題や、
イワシの頭に柊の風習は、関西でもあるか?などの話題に飛びましたが、かって職場
を共にした発表者から、米作の機械化の実際を目の当たりにし、時代の進展を改め
て認識するとともに、氏の体験談に圧倒された印象でした。



音楽は、例会の内容とは関係ありません。

Orquesta Romantica Milonguera - Poema - con Magdalena Gutierrez y German Ballejo

 

 

 

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