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蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

5Gの脅威  (bon)

2020-07-26 | 日々雑感、散策、旅行

  5Gそのものが、何かの脅威をもたらすというのではなく、5Gに絡んだ世界制
覇の脅威・・米・中の戦略?の一端に触れてみました。

 米中の貿易戦争は、このところ中断された格好ですが、ファーウエイ副会長の拘
束事件もまだ生々しい折から、この度の総領事館の閉鎖にまで発展する 様々な理
由の大きなものとして次世代通信規格『5G』を巡る視点が過熱してきています。

 激化する「米中5G戦争」との様相を呈する、この問題をこれまでフォローして
きたとか、特に深い考察をしているわけではなく、ただ、黙って横目で見るに忍び
なく、消化不良のまま、メモってみました。

 当ブログに、「5G」と題して、移動体通信のこれまでの経緯や技術的なポイント
の概要を取り上げましたが、そもそも「5G」は機能・性能的に、単に移動体通信
(メール・動画配信・情報検索など)手段の実現をはるかに超えた多機能インフラ
として位置づけられる、まさに次世代インフラと呼ばれる社会の基盤を構築する技術
(システム)として位置づけられるのです。

       最近のCES会場風景
        (ネットが画像より)

 5G通信技術は、通信速度と容量の飛躍的な向上が見込まれており、データをダ
ウンロードするスピードは現行ネットワークの100倍ともいわれ、それだけでなく、
このアップグレードは“スマート冷蔵庫”(IoTの例)や自動運転車といった、5G
網に接続可能なデバイスが劇的に増え、機器同士、デバイス同士の通信が5Gによっ
て可能になると想定されているのです。

 このような5G通信網が、もし、敵対的な勢力や組織によって攻撃の対象となっ
た場合、つまりサイバー戦争を仕掛けるための侵入ポイントは大幅に増えることと
なりその収拾は困難を極めると予想されます。5Gネットワークに機器が提供され
ている場合は、この脅威はさらに大きいでしょう。 現に、機器内のソフトにバッ
クドア(裏口)が仕組まれていて、いつそれらが活動を始めるか?という危機的な
懸念が指摘されています。本当かどうかは、誰にもわからないのですが・・。

       

 通信機器グローバル企業のシェアのグラフは、下図のようにスウェーデンのエリ
クソン、フィンランドのノキアそしてファーウエイが挙げられていますが、ファー
ウエイの近年の伸びは著しいことが分かります。

      通信機器市場グラフ
       (ロイター記事より)

 仮にコスト的に優位なファーウェイが世界中の5Gに足場を築いたとすれば、中国
にとっては、重要インフラを対象に重大な混乱を引き起こすかつてない機会を手中
に収めることになります。世界を制覇するNo.1となりうるのです。

 このことをアメリカは懸念しているのですね。例えば、公共施設や通信網、重要な
金融センターに対するサイバー攻撃が含まれる可能性があるのです。

 そもそも、一昨年から昨年あたりは、アメリカは、5Gにそれほど関心が強くな
かったかもしれません。 ファーウエイの副会長拘束問題はありましたが・・。
 しかしこの時点で、オーストラリアは、すでに5Gに対して懸念を訴えており、
アメリカ、ドイツなど欧州、日本、韓国などにも共有を求めていたようです。そして、
ニュージーランドも。

 しかし、この時点では、イギリス、フランスなどは、むしろファーウエイを是認
していた形のようでしたが、ここにきて、昨年にはアメリカは、ファーウエイおよび
ZTEとの取引を禁止する法案に署名し、その後各国に対しても強く協調を呼びか
けてきていました。(ひょっとして、アメリカは、国内分断?など足元がしっかり
としていない状況に反して、一党独裁支配の強力中国に対抗するには世界とスクラム
を組む必要があるというニュアンスがあるのかも。)

 この7月14日、イギリスは2027年までに5Gからファーウェイ製品を排除すること
を決定し、20日にはフランスも、ファーウェイ製品の事実上の排除を決めたと報道
されています。  同日イタリアでも同じような決断がなされたようです。 
 このほか、25日(7月)の報道によれば、チェコ,デンマークなど欧州7か国でも
参入を禁止したとあり、ファーウエイ排除がいよいよ加速されているようです。

 かなり過熱気味のようにも思えますが、アメリカでは、5Gのみならず「TikTok」
なる動画編集アプリなど中国初のアプリも排除の方向で検討され、各国に協調を
呼びかけているのです。

        

 貿易戦争から始まって、今や5G戦争の様相を呈しているようです。
そもそも冷静に考えてみれば、何も5Gがその引き金にあたるわけでなく、すでに
サイバー戦争の態はみられていましたが、ここにきてやはり5Gは、それが具体的
なんですね。

 一方、5Gに代表された、いわゆる技術覇権の争いとみられますが、果たして、
5Gが、期待どうりに導入が進むかどうかは、なかなか難しい状況にあるのではな
いかとも思うのです。、特に投資コスト的にどの程度浸透できるかとの懸念があり
ます。技術的に、1アンテナがカバーする範囲が狭く、4Gの10~20倍の設置が必要
とみられ、広範なカバー率は急には望めないとみられているからです。

 日本でもこの3月からサービスが始まっているはずですが、どの程度進展している
のでしょうか。

 アメリカや日本は、5Gで後れを取っているわけで、いち早く次々世代の6G
開発に向けて力を入れているのですね。日本政府は、4月3日、6Gの5年後技術確立
を目指して、研究開発の官民拠点を新設すると発表し、大幅な規制緩和や資金支援を
行うとしています。

      新聞記事(読売)
       

 6Gはまだ、このような段階ですが、5Gの最大課題である、1アンテナのカバー
範囲を拡大できる方式が期待されているようです。これが実現できれば、5Gを凌駕
できる‥というわけですね。

       

 当ブログでの関連記事は、「IoT時代の脅威」(2017.12.17)、「5G」(2019.5.12)
にあり、CES‘19、CES’20 について5Gがメインであるなどの記事を掲
載していました。

 

 

史上最大の作戦 (ミッチ・ミラー合唱団)

 

 

 

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