蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

日本人入門  (bon)

2019-11-24 | 日々雑感、散策、旅行

 二十四節気「小雪」の11/22には、夕方冷たい雨が降る中、飯田橋での「MACの会」(於、
日本勤労者山岳連盟)に出かけました。 この会は、殆どの人がこの会で知り合いになっ
た人たちで構成されていますが、もう20年近くも継続されていますと、お互いが懐かしい
間柄となり、いつも楽しい談話会となっています。

 この日は、メンバーの紹介で初参加の方の「日本人入門」のテーマでお話を伺いました。
『日本人入門』(小倉実著、神田明神監修、三和書籍、2017.11初版)は、副題に『海外と
向き合うビジネスパーソンに向けて』とありますように、海外で活躍する若いビジネスマン
に日本の良さ、日本人の特質を理解し、自信と自覚をもって堂々と活動して欲しいという
願いが込められています。

       

 著者であり、この日のスピーカーである小倉氏は、東芝OBのエンジニアで、現在は『デ
ザートカンパニー㈱』の代表取締役です。 スイーツの企画、開発、販売等を行う異色の
経歴で、柔和で優しい面持ちながら信念を感じさせる紳士でした。


 ある時、神田明神で若い女性を対象に、神社参拝と神職による講話やセミナー、そして
美味しいスイーツを楽しみながら懇談するとのコンセプトの会をスタートさせたことが
きっかけで、神職との繋がりが深まり、「神道」の本質と日本文化、風土そして日本人の
精神性との共通項を見出し、さらに、それらはグローバル社会の中で、ユニークで他にない
日本
独特の優れたメンタリティであることを浮き彫りにされ、併せてそれらが、ビジネス、
経営面に於いても優位
な資質、考え方・行動のベースであるとの立証から、自信と自覚を
持ち、誇らしくふるまってよいと力づけているのです。

      神田明神(2016.10に訪問した時の写真です。)
       

 「神道」は、日本独自の信仰文化であり、古代人の主な信仰である「アニミズム」、
「シャーマニズム」、「祖先崇拝」が、基本となっており、日本は、先進国の中で唯一の
「自然宗教」かつ多神教(キリスト等の一神教ではなく)の国家であり、日本の特殊性は
「神道」の精神に由来する・・と述べられています。

 つまり、木や石にも神(魂)が宿ると考える(アニミズム)習慣は、私自身も経験が
ありますが、このように、尊いものが一つではな
くいくつでも同時に存在するという多元
的な価値感や、先祖を大事に敬うという精神性が、すなわち神道であり、白黒すなわち勝
ち負けをはっきりと付けずに、丸く穏やかに収め、和を尊ぶのが基本的な日本的気質で
あるのです。しかし反面、はっきりしない、優柔不断、いいとこどり、あいまいなどとの
印象も否めませんが、共存共栄で、長く持続させる上で大事な要素であると考えられてい
るのですね。

 ビジネスの世界でも、これらの精神性は大事であり、一人勝ちは長く存在しないのですね。
小倉氏の発表の中でも、老舗が取り上げられて、日本には創業100年以上の企業が27000社、
200年以上が1200社、300年以上でも600社あるという。世界では、200年以上の老舗の数で、
日本は40%超、ドイツが20%超、3位のフランスが5%、中国で1%未満とありますから、い
かに異民族との戦争が少なかったからだと言えども、やはり日本的風土、家訓などの信念に
負うところも大きいのではないかと指摘されているのです。

 企業の持続性、ひいては世界の持続性を考える上で、日本的考え方、つまり神道イズム
にスポットライトを当ててみるのも大事ではないか・・そんな気がしています。

 難しいテーマで、俄かに理解してその心を云々することなどできませんが、改めて日本
という国の文化や精神性について考える良い機会を与えていただいたと感謝しています。
しかし、追い詰められて、
ギリギリの環境の中でなお共に生きて行く最後の知恵であるよ
うな気もするのですがいかがでしょうか?

 

神田明神の夏祭りがありましたので・・

 

 

  

コメント
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