本日(2023/04/09)、津幡町・能瀬(のせ)にて「能瀬川公園桜まつり」が開催された。
毎年、能瀬川両岸の染井吉野120本あまりが満開の中で執り行われるのが恒例だが、
今年は開花~盛りのテンポがよく、既に散り始め。
まぁ人智の及ばぬ自然の営みだから、致し方ない。

以前にも投稿したが、この地区には第84代天皇「順徳院」にまつわる伝説がある。
承久3年(1221年)年、
朝廷の復権を目指し鎌倉幕府へ弓を引いた「承久の乱」に敗れた順徳上皇が、
佐渡へ流される途中、大しけに遭い遭難。
王崎(現在のかほく市大崎)の浜に上陸。
津幡町に行在所(あんざいしょ/仮の御所)を定め、3年間滞在したと伝えられている。
その奇譚を辿るアトラクション「順徳さん謎解きウォークラリー」に参加した。
各チェックポイントのクイズに答え、スタンプを押して回るおよそ4kmの道行きだ。

行在所に建っていたという「御門(みかど)屋敷」は跡形もなく荒れ田が広がるのみ。
平氏一門の血を引き、激しい気性の持ち主とされる「順徳院」が、
もしもここに座していたとしたら、一体日々何を想ったのであろうか---?
今となっては知る由もない。

染井吉野の花は散ってしまったが、満開の「しだれ桜」に巡り合う。
花色が濃紅色から「紅枝垂」と推察。
山沿いの若葉の中に在って、それは実に鮮やかなのである。


辺りの田地では田起こしが始まり、ビニールハウスの中で苗が育っていた。
やがて水が張られ、早苗が植えら根を伸ばす。
雨水を経て、真夏の日を浴びて成長し実を結ぶ。
秋、こうべを垂れる稲穂を思い浮かべてしまうのは、少々気が早いだろうか?!

「順徳さん謎解きウォークラリー」を終えて祭り会場に戻ると、空を泳ぐ鯉幟。
こちらも一足気が早い。
鯉幟は「夏の季語」だ。
風に棚引く雄姿を見上げ、季節は着々と歩みを進めていることを実感した。