つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

BIKINIを温ねて新しきを知る?!

2022年12月25日 12時25分25秒 | 手すさびにて候。
                           
1970年代終盤~1980年代序盤のハナシである。
当時、新聞国際面の「世界の街角コラム」が好きだった。

「クレムリン権力序列に変化」
「第二次オイルショック!!」
「イラン・イラクの戦闘激化」
「ソ連、アフガンに軍事侵攻」
「漁業、200海里時代到来」
---など、緊迫感を湛える見出しが躍る片隅に、それはあった。

「ワシントン発 ~ 米大統領、七面鳥に恩赦」
「プノンペン発 ~ 笑顔でずぶ濡れ、水祭り」
「北京発 ~ 天安門に春の雪、柳の綿毛舞う」
「パリ発 ~ パリっ子誘う甘い焼き栗の香り」
「ソウル発 ~ 路面を赤く染める唐辛子干し」
---といった異国の日常を扱う小さな写真付き囲み記事が好きで、
それを切り取り、スクラップして読み返しては疑似旅行を楽しんだものである。

ちょうどこんな寒い時期、
興味を惹かれたのは「季節外れ」な印象を与えてくれる話題だった。

ほんの手すさび 手慰み。
不定期イラスト連載 第二百十六弾<真冬のBIKINI>。



【シドニー ロイター電 ~ 水着でメリークリスマス】
日本と季節が逆のオーストラリアでは、クリスマスを真夏の気候で祝う。
砂浜では、サンタクロースの帽子をかぶりサーフィンを楽しむのが定番。
オーストラリア流のクリスマスの過ごし方に、観光客もご満悦の様子だ。


【モスクワ タス通信 ~ 凍える冬も何のその】
マイナス10度のモスクワ郊外の湖で、寒中水泳大会が開催。
11歳から70歳までの75人が参加し、元気に水をかいた。
ソ連では寒中水泳は健康に良いとされ、多くの愛好家がいる。


上記、通信社風記事は僕の「創作」である。
正しく覚えている訳ではないが、概ねこんな感じの文面を読み、
日本とは毛色の違う文化や習慣に驚いた。
そして、昭和の冬の北陸ではまずお目にかかれない、
破壊力抜群「ビキニのお姐さん」の艶姿をよく覚えている。

--- さて、思えば、かつて世界は「広かった」。
情報源がマスメディアに限られ流入量も少なかった頃、
海外は文字通り「海の外」。
遥か遠い彼方に在って輪郭がボヤけていたり、細部が不明瞭だったり、
鉄のカーテンに遮られてたりしていた。
その分、新鮮に映ったし、一つの事象から想像逞しく自分なりに考えを広げたりした。

技術革新によるグローバリゼーションは、世界を「狭くした」。
ネットやSNSを通じ居ながらにして、リアルタイムに、ダイレクトに海外とつながり、
輪郭も細部もよく見える(ような気がする)今は、便利ではある。
だが、そこから得た情報をあまり嚙み砕くことをせず、
短絡的に結論付けてしまうケースが多いのは、僕が浅はかだからだろうか?

それでは、いけない。
情報は常に玉石混交。
やはり取捨選択は大切だし、鵜呑みにしてはダメだ。
便利に流されてはいけないと思う今日この頃である。

『文明の利器は便利な暮らしをもたらしもしたが、
 わたしたちに及ぼした損害も計り知れない。』

 <マハトマ・ガンジー>

『思考の啓示は隷属から自由へと人を解放する。』
 <ラルフ・ワルド・エマーソン>

『われ思う、ゆえにわれ在り。』
 <ルネ・デカルト>
                      
コメント (4)
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