つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

汚れつちまつた悲しみに。

2022年01月29日 21時21分21秒 | 日記
                     
汚れつちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れつちまつた悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる


明治40年(1907年)山口県に生まれ、
昭和13年(1938年)30歳で夭折した詩人「中原中也(なかはら・ちゅうや)」。
その代表作と言っていい「汚れっちまった悲しみに」は、
処女詩集『山羊の歌』(昭和9年出版)に収録。
一行毎に同じフレーズを繰り返す4連16行。
リズミカルな構成は覚えやすく、心に残る。

今朝、小雪チラつく街中を散歩しながら首をすくめつつ、つい口ずさんでしまったのは、
何も寒さのせいだけじゃないかもしれない。



本日(2022/01/29)、 全国で8万5000人あまり。
石川県内では400人弱が新たに新型コロナに感染した。
おとといから県下全域が「まん延防止等重点措置」の対象となり、
上掲画像、料理旅館「勝崎館」をはじめ多くの飲食店が影響を受けている。
積雪は少ないものの、北陸らしい冬の曇天の下を歩いていると、
薄ら寒い気分になってしまうのである。

汚れつちまつた悲しみに
いたいたしくも怖気づき
汚れつちまつた悲しみに
なすところもなく日は暮れる


---「中原中也」は、そう締めくくるのだが、
恰好いいペシミストになれない俗物の僕は、深淵に落ち込めず美を探す。



冬桜は、ヤマザクラとマメザクラが自然に交配してできたとか。
この時期のそれは、まさに「眼福」。
更に「香福」でもある。
顔を近づけたら、微かに春の匂いがした。



用水路に佇むコサギ。
首が長く、脚、くちばしも長い。
海岸、河川、湖沼、田んぼなど浅い水辺で餌を捕る。
小魚、エビ、カニ、ザリガニ、貝類、水棲昆虫類などがターゲット。
真白な羽毛はよく目立つ。
凛々しく美しい。
人に慣れているわけではないが、人の生活空間に寄り添って生きているようだ。





町中心部「おやど橋」のタブノキ。
加賀藩の参勤交代行列で先鋒を務めた
「髭奴(ひげやっこ)」の像を覆い隠す枝葉は実に逞しく美しい。
樹齢数百年を誇ると言われる常緑樹は、寒空の下で花の準備を始めていた。
                   
コメント (2)
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