つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

亜米利加悪漢活動写真。~ ジョディ・フォスター。

2017年03月04日 20時48分59秒 | 手すさびにて候。
ほんの手すさび、手慰み。
不定期イラスト連載第三十六弾は、女優「ジョディ・フォスター」。
向かって左の役名は「アイリス」。 右のそれが「エリカ」。
大都会・ニューヨークを舞台にした2作品の彼女を共演させてみた。

昭和51年(1976年)公開の映画「タクシードライバー」。
主人公は、ベトナム帰還兵のタクシー運転手。
貧しく、未来の展望はなく、疎外感と孤独が精神を蝕み、狂気に駈り立てられ、
自分の存在を世間に知らしめるため、過激な行動に走る。

カンヌ国際映画祭で最高賞を受賞した傑作で、
13歳の彼女はローティーンの娼婦を演じた。
イーストビレッジで客の袖を引く「アイリス」は、
1970年代当時のアメリカの空気を体現したキャラクター。
スクリーンには、ベトナム戦争、 ウォーターゲート事件、オイルショック等、
内憂外患に疲弊・消耗し、狼狽するアメリカが映し出されていた。

それから30年あまり。
平成19年(2007年)公開の映画「ブレイブワン」で、
45歳の彼女は、復讐劇の主役を張った。

「エリカ」は、ニューヨークのFMラジオパーソナリティ。
結婚を控えたある日、恋人を暴漢に殺され自身も重傷を負う。
身体の傷は癒えたが、心的外傷(トラウマ)に苛まれ、外出すらままならない。
すがったのは、鈍い光を反射する自動拳銃。
護身の武器を携帯することで、恐怖を克服し、精神を安定させたのだ。
そして、やがて理不尽な悪に“正義の鉄槌”を振り下ろす事になる。

その様子は「911」以降の心情を反映していた。
テロと、対テロ名目の戦争で多くの血が流れた現実を目の当たりにし、
安全を鵜呑みにできない、漠然とした不安感を背負ったキャラクターである。

この2本のピカレスクロマンは、ある意味、連作と言えるかもしれない。

80年代初頭…彼女に岡惚れしたストーカー男がいた。
「タクシードライバー」の主人公のように大統領を襲えば振り向いてもらえると妄想を抱き、
「ロナルド・レーガン」に凶弾を撃ち込んだ。
そんな暗殺未遂事件の影響もあってか、政治活動を避けてきた「ジョディ・フォスター」。
しかし、先日のアカデミー賞授賞式前の「反トランプ集会」で、
ついに重い口を開き次のように訴えた。

 『(映画は)スクリーンの中でも外でも、
  私たちが人間性というものに取り組んでいることを称える方法です。
  私は普段こういう活動はしません。でも今年は違います。
  そして今が唯一の時です。ハッキリと表明し、関わる時なんです』
 『姿を見せ、抵抗し、答えを求め、
  選挙で選ばれた議員たちに、彼らの仕事をするよう言う時です。
  私たちは混乱や愚劣、戦争を挑発する政治家を許しません』

名女優の第三弾を期待したい。
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弔いの有り様(ありよう)。

2017年03月04日 12時14分09秒 | 日記
およそ1年前、津幡町のお隣・内灘町に、
県内初の公営合葬墓(がっそうぼ)が完成した。
「合葬墓」は、文字通り、複数の遺骨を同じ墓所に合わせて葬る(ほうむる)やり方。
公営の意味は、管理者が自治体。
こうしたケースは、全国的にも増えているそうだ。

跡取りがおらず、墓を世話する子孫が絶えた。
生誕地を離れて暮らす事が珍しくなくなった。
核家族化で「家制度」の観念が薄れてきた。
墓石代や区画使用料の費用負担が重荷になってきた。
少子高齢化や、競争社会、(大都市圏への)人口の集中などから、
弔いのスタイルは、変化している。

先日のローカルニュースで、わが町にも同様の動きがあると耳にした。

昨年、津幡町は、町営墓地の区画使用者1,255人を対象に、
「合葬墓」を利用する希望の有無などを聞いたアンケート調査を実施。
肯定回答35.4%の結果を受けて、造成を検討するそうである。
否定的、躊躇する意見もあったが、
やがて、墓地公園の風景も変わってしまうという事なのだろう。
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