つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

ホラーとセクシーの考察~テキサス・チェインソー。

2016年06月04日 10時23分40秒 | 手すさびにて候。
ほんの手すさび、手慰み。
不定期イラスト連載の第一弾は、
映画「テキサス・チェインソー」の主役「エリン」。

物語の舞台は、1973年・夏のテキサス。
コンサート会場へ向かってドライブ中のヒッピー風男女5人組が、
動力付ノコギリを振り回す殺人鬼「レザー・フェイス」に襲われる惨劇を描いた
ホラー映画の名作のリメイクである。

スクリーンに映る風景は…
乾いた広大な大地を走るタイヤが巻き上げる、赤い土埃。
サボテン、ヒース、リュウゼツラン、枯れ木。
風に煽られた看板が揺れるさびれたドライブインなど、
いかにもアメリカ南部らしい趣がたっぷり。

合衆国併合以前、独立国家だったテキサスは一種独特の雰囲気を持ち、
「古い慣習と考え方に支配された時代遅れの土地」というイメージを反映してか、
登場人物たちは、見事に古風で、個性的で、胡散臭い。
頭のネジが緩んだスペイン訛りの保安官。
社会常識と隔絶した連帯感の強い街の住人達。
朽ちかけた館に暮らす猟奇一族などが、雰囲気を作っている。
…更に、当時はベトナム戦争の終盤。
どことなくアメリカの疲弊した影が落ちている気がした。

そして、華を添えるのは「ジェニファー・ビール」演じるヒロイン!
金髪、白人、テンガロンハットを被ったカウガール姿。
次第に汗にまみれ汚れる白のタンクトップ。
ヘソ出し、ローライズのブルージーンズは裾広がり。
逃げ惑い、狼狽し、歯を食いしばって抵抗する美女。
いやぁ~いいっすね~。(何が?(笑))
洋の東西を問わず「怖い話と美女」は、スタンダードな組み合わせだと思う。

東海道四谷怪談の「お岩さん」。
吐息で男を凍らせる「雪女」。 
毒殺される「白雪姫」。
狼に喰われ、腹を裂いて救出される「赤頭巾」。
ドラキュラの毒牙にかかり吸血鬼化する淑女たち。
やはり、ホラーとセクシー&ビューティーはワンセットが望ましい。
美が恐怖を、恐怖が美を引き立ててくれる。
コメント
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