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ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

レ・ヴァン・フランセ(12/8) @東京オペラシティ

2009-12-09 | コンサートの感想
『赤星引退!』
夕刊紙の見出しでみつけて、「でたらめ書いたらあかんで」と思いながら、赤星選手のブログをみると悲しいことに事実だった。
残念だ。本当に残念だ。
あの小柄な身体で一流選手として活躍し続けるためには、きっと想像を絶する節制と努力を日々重ねてきたことだと思う。
また、彼は毎年自分の盗塁数と同じだけの車椅子を寄付するような心の優しい男だったが、「今度痛めたら半身不随、場合によったら命の危険もある」と医師から警告されて引退を決めたという。
そして何よりも故障のために思い切ったプレーができないことを、プロフェッショナルとして赤星選手はよしとしなかったんだろう。
心から「ご苦労様でした」と言ってあげたい。

そんな赤星選手を支えていたのは、その強烈なプロ意識。
こじつけるわけではないけど、昨夜聴いたレ・ヴァン・フランセのコンサートも、まさに強烈なプロ意識をもった名人たちの協演だった。
どの曲もどの曲も、呆れかえるくらい上手い。
パユ、メイエ、ルルーたちは勿論のこと、あの難しい楽器であるはずのホルンが、そしてなかなか聴く機会がないバソンまでもが、完璧な音程と多彩な音色で私たちを魅了してくれた。
加えて、そこには「これぞアンサンブル!」といいたくなるような自由な精神の羽ばたきが感じられた。
鍛え上げた技量を駆使して、まず自分たちが心から愉しむ。そしてそれを聴衆にもメッセージとして伝えきる。
これは簡単そうでいて、本物のプロでないとできないことだ。
レ・ヴァン・フランセの名手たちは、それをいとも簡単にやってのけた。
こんな素晴らしい演奏を前に、この曲は…、あの曲は…、なんてコメントはまったく不要だろう。
名人たちの至芸に酔いしれ、最高にハッピーな時間をプレゼントしてもらった。

<日時>2009年12月8日 19:00開演
<会場>東京オペラシティ
<曲目>
■マルティヌー:六重奏曲
■ラヴェル:クープランの墓
■カプレ:フルート、オーボエ、クラリネット、バソンとピアノのための五重奏曲
■ライネッケ:オーボエ、ホルン、ピアノのための三重奏曲 op.188
■サン=サーンス:フルート、クラリネット、ピアノのためのタランテラ op.6
■プーランク:六重奏曲
(アンコール)
■テュイレ:六重奏曲より「ガヴォット」
■イベール:3つの小品より第1曲
■マルティヌー:六重奏曲より第5楽章

<演奏>
レ・ヴァン・フランセ
■エマニュエル・パユ(Fl)
■フランソワ・ルルー(Ob)
■ポール・メイエ(Cl)
■ラドヴァン・ヴラトコヴィチ(Hr)
■ジルベール・オダン(バソン)
■エリック・ル・サージュ(Pf)

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2 コメント

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驚きました (calaf)
2009-12-10 22:24:01
こんばんは。私も先ほど赤星選手のことを書き上げました。「無念」という言葉はこのようなときに使うのかと、軽々しく使用すべき言葉ではないことをあらためて思いました。
返信する
>calafさま (romani)
2009-12-11 08:22:16
おはようございます。
彼の引退は本当に驚きましたしショックでした。故障箇所が首だったので、来シーズンもフル出場は難しいと思っていましたが、たとえベンチにいてくれるだけでも大きな存在感があったはずです。
速球派の投手が、緩急を使った技巧派へモデルチェンジして新境地を開くような道を、彼はあえてしなかった。
そこがプロとしてのこだわりをもった赤星選手らしいし、ファンとしては本当に残念だけど、ある種の清清しさも感じます。
これからも、ナイスガイである彼を応援してあげたいですね。
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