ETUDE

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ガヴリリュク(p)&セゲルスタム/読売日響 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番他

2006-01-15 | コンサートの感想
今日は、今年最初の読響マチネーに行ってきました。
実は、仕事の関係でジャーナル投稿用に原稿を書かないといけないのに、なかなか進みません。ちょっとあせってきました。
それはさておき、今日のマチネ。
私にとって、忘れられないコンサートになりました。
それは、素晴らしいピアニストに出会ったから。
そのピアニストの名は、アレクサンダー・ガヴリリュク。

<日時>平成18年1月15日(日) 午後2時開演
<場所>東京芸術劇場(池袋)
<曲目>
■セゲルスタム: 交響曲第91番(世界初演)
■ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 op.18
■シベリウス: 交響曲第5番 変ホ長調 op.82
<演奏>
■レイフ・セゲルスタム指揮
■読売日本交響楽団
■アレクサンダー・ガヴリリュク (ピアノ)

ガヴリリュクは、今まで私が良く知らなかっただけで、既にピアノ好きの人たちの間では評判のピアニストだったようです。
2000年の第4回浜松国際ピアノコンクールにおいて、史上最年少で審査員満場一致で第1位に輝き、審査委員長であった中村紘子さんをして「21世紀最高の16歳」と言わしめた逸材。
また、同年開催されたショパンコンクールとこの浜松国際ピアノコンクールの両方を観た人からは、「ショパンコンクールの最高位よりも浜松国際ピアノコンクールの優勝者のほうが良かった」とも言われたそうです。
プロフィールとサンプル演奏はこちらのページでどうぞ

ガヴリリュクのピアノを聴いてまず驚いたのは、「真のレガートの達人である」ということ。これだけ音の粒がそろっていて、滑らかに演奏できる人はそう多くないでしょう。ピアノという楽器は、その楽器の性格上、弦楽器や管楽器に比べて音を滑らかに繫げるという点で、どうしてもハンデがあります。
にもかかわらず、ガヴリリュクはそんなピアノという楽器を使って、見事なまでの「うた」を聴かせてくれました。ラフマニノフのあの美しい旋律が、これほどまでに私の心を捉えたことはありませんでした。
二つめの特長は、ガヴリリュクはスリリングまでに高度なテクニックを持っていますが、決してそれを見せびらかすことなく、自分が信じる音楽を実現することだけにその技術を使います。清潔なフレージングと自在なアーティキュレーションが、目に眩しいくらい。そこから生まれ出てくる音楽がなんと自然なことか。
この若さでこんなことが出来るなんて!
三つ目の特長は、透明感を持ちながらも音色が暖かいこと。
ロシア、ウクライナ出身のピアニストというと、私にとってはリヒテルやギレリスといった巨人たちのイメージが強いのですが、彼のスタイルはまったく逆ですね。
「透明感があって暖かい、さらに音楽が自然に語りだす」といえば、私の敬愛するヴェデルニコフと同じじゃないですか。
御贔屓のピアニストが、小菅優さんに続いてまたひとり誕生しました。

でも、全然これじゃコンサートのレビューになっていませんよね。
駆け足で振り返ってみます。
冒頭のセゲルスタム自作のシンフォニー。
交響曲とはいいながら完全な現代音楽です。
現代音楽それもはじめての作品を聴く時は、私は頭をからっぽにして、体の力を抜いて聴くようにしています。
構成は、フルオーケストラでピアノ2台、ハープ2台(ピアノ・ハープは両翼配置)、打楽器も見たことがないようなものもいっぱいありました。
こんな大規模にもかかわらず、何と指揮者なしで演奏するんですよ。
曲は、ベートーベンの「運命」の動機が最初に出てきますが、あとはいろいろな情景が次々と音になって現われてきます。そろそろ飽きてきたなあ(失礼!)と思った頃、コンマスのノーランが大きく弓を上げてエンディング。

続くラフマニノフのピアノコンチェルトは、さきほどガヴリリュクのことをさんざん書きましたが、私が聴いた中でのベストかもしれません。
第2楽章冒頭の管楽器の美しさ、第3楽章開始早々のオーケストラの凄いパワーと緊張感、そしてピアノ・オケ一体となった圧倒的なエンディング、ほんと素晴らしい演奏でした。

後半はシベリウスの5番。セゲルスタムお得意の曲で、読響ものりのりの演奏。
特に第3楽章のラストは圧巻でした。
それまで悠然と自然を謳歌するような雰囲気だったのですが、コーダにきてグィッグィッとテンポを上げ、まさに圧倒的なエンディング。最後は一発必中の決め方でした。
ホルンの鐘のようなフレーズも終始とても印象的!

素晴らしいコンサートでした。






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6 コメント

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いいコンサートですね (よし)
2006-01-16 17:57:52
なかなか凝ったプログラムですね。

シベリウスは彼の十八番みたいですから聴き応えがあったと思いますがシベリウスの生はいいでしょうね。

ミトロのマーラーですが私の勘違いかもしれません。最近記憶がすぐ無くなるようです。(恥)
>よしさま (romani)
2006-01-17 01:06:44
こんばんは。

いつもありがとうございます。

素晴らしいコンサートでした。

ガヴリリュクのことばかり書きましたが、シベリウスの5番、素晴らしい演奏でした。

「北欧の大自然」というイメージにピッタリの演奏だったように思います。



>ミトロのマーラー

私のほうこそ、ひょっとするとどなたかの記事にコメントしていたかもしれません。(汗)

素敵な演奏だったので、そんな気もしてきました。

思い出してみます。
Unknown (はろるど)
2006-01-20 23:48:16
romani様、初めまして。

私の拙い感想にTBをありがとうございました。



>清潔なフレージングと自在なアーティキュレーションが、目に眩しいくらい。そこから生まれ出てくる音楽がなんと自然なことか。



私も全く知らない方だったのですが、

もう出てくる音楽の素晴らしさに驚かされながら、

ひたすら聞き惚れておりました。

どのフレーズも仰られる通り自然に、そして器用にこなされていましたよね。

うっとりさせられるようなピアノでした。



シベリウスの方はあまり良く分からず、

ブログにて偉そうなことを書いてしまったのですが、

セゲルスタムはまた聞いてみたいと思いました。
>はろるどさま (romani)
2006-01-21 08:15:04
初めまして。

ご丁寧にコメントいただきありがとうございます。

あの日はガヴリリュクを知っただけで十分なコンサートでしたね。

真に素晴らしい才能だと実感いたしました。

今後ともよろしくお願い致します。

読響良いですね☆ (おさかな♪)
2006-02-08 20:16:42
ラフマニノフのピアノコンチェルト、大好きです。先日読響の「復活」を聴いて来ました。N響とはまた違った魅力があって、良いなぁと思いました。

今年は芸術劇場の地下ばかり行っていないで、ホールにも足を運ぼうと思います!
>おさかな♪さま ( romani)
2006-02-09 00:04:52
こんばんは。

セゲルスタムの「復活」行かれたんですか。

良かったでしょう・・・。うらやましいなあ。私も是非行きたかったです。

ところで、おさかな♪さんは芸劇の地下で練習されているんですよね。

また、芸劇でお目にかかりましょう。

ありがとうございました。



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