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津田理子 ピアノコンサート(Musik Treffen in YOKOHAMA Vol.2)

2009-05-24 | コンサートの感想
今日はブログでお世話になっているyurikamomeさんのお誘いで、津田理子さんのピアノを聴きに横浜へ行きました。

<日時>2009年5月24日(日)14:00開演
<会場>テラノホール
<曲目>
■バルトーク:ルーマニア民族舞曲※
■ストラヴィンスキー:クラリネットのための3つの小品※
■徳備康純:ピアノのためのソナチネ(2007)
■吉松隆:鳥の形をした4つの小品op.18※
■徳備康純:風のダイアローグ(2008)
(休憩)
■ショパン:即興曲第1番
■ショパン:バラード第3番
■ショパン:エチュード「別れの曲」「三度」
■ショパン:マズルカop.17-4
■ショパン:スケルツォ第3番
(アンコール)
■バッハ:コラール:コラール前奏曲「主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶ」WV639
■リスト:巡礼の年第1年「スイス」より
<演奏>
■津田理子(ピアノ)
■芹澤美帆(クラリネット)※

テラノホールは宝積寺というお寺の境内にある施設で、144席というこじんまりとしたホールです。
お寺の境内という性格もあって、豪華なというよりもむしろひっそりとした外観ですが、冒頭のバルトークの音を聴いて愕然としました。
もの凄く音がいい!ちょっと聴けないくらいの素晴らしい音です。
ホールの音響の良さに加えて、ピアノの音もすごく良かった。
グロトリアンというドイツのピアノですが、クララ・シューマンをして「演奏旅行に持って歩きたい」と言わしめたほどの銘機だそうです。
当然新しいピアノではありませんが、決して古色蒼然とした音色ではありません。
一言で表現すると、「豊かな音色を奏でるピアノ」という印象でしょうか。
「いつも弾き慣れているスタインウェイとは随分違った感触で、最初は戸惑いました」と、終演後津田さんはお話しされていましたが、私は津田さんの音楽性ととてもよく似合っていたと感じたのですが・・・。

前半は、近現代プログラムと題して、クラリネットとの重奏、ピアノソロ、クラリネットソロと盛りだくさんの内容。
日本人作曲家の3曲が印象に残りました。
吉松さんの曲は、まさに「YOSIMATSU’s World」。
いつ聴いてもいいなぁ。
そして、徳備康純さんの作品は初めて聴きましたが、いい曲ですね。
ソナチネでは、とくに第2楽章が美しい。
「綾なす夢」と題されており、遊び疲れた子どもが母親の膝の上で見る夢だと徳備さんはライナーノートで書いておられましたが、私は聴きながらどこかモンポウの音楽を夢想していました。(これも一種の夢かなぁ・・・)
前半のラストを飾る「風のダイアローグ」も素晴らしい作品で、大いに気に入りました。
2度音程の音型をモティーフにした力強いパッサカリアと、緊張感をもった終曲フーガという印象をもつ音楽ですが、津田さんの明晰で自然に響くピアノが、この曲の素晴らしさを描き切っていたと思います。
この曲が終わった後、作曲者である徳備さんもステージに登場し、大きな拍手を浴びていました。

後半はオール・ショパンプロ。
強く印象に残ったのは、マズルカイ短調op.17-4。
メランコリックという以上にどこか神秘的で、「この曲こそが、前半のステージで弾かれた音楽との橋渡しをしているんじゃないか」と強く感じたのです。
民族的な色合い、祈り、憧れ、そういった様々なものをマズルカのリズムにのせて奏でる独特の音楽。
バッハのようでもあり、サティのようでもある。醒めているようでどこか熱い。まことに不思議な音楽に聴こえました。
音色、フレージング、テンポの微妙な揺れ、どれをとっても津田さんの表現は本当に素晴らしかった。
良く知っている曲のつもりだったのですが、なぜか別の音楽を聴いているような気持ちでした。
アンコールは2曲演奏してくれましたが、特にバッハが絶品。
津田さん自ら「このピアノはバッハに合うはず」とコメントされていたとおり、深遠な中に豊かな情感が込められていて、大きな感銘を受けました。

終演後、聴衆からの質問に答える形で、津田さんがインタビューに応じてくれました。
ピアノの練習に関することが大半でしたが、私が興味深かったのは、
・集中して練習することが大切。だらだら練習しても意味がない。
・楽譜をできるかぎり注意深く読むこと。
・頭でよく考えて演奏すること。指に任せちゃダメ。
・良い響きは、タッチとペダリングと耳の共同作業。
・バッハは大事。とくによく勉強すること。
・姿勢が大事(とくに背筋と腹筋)。土台がしっかりして初めて腕が自由になり、しっかりピアノが弾ける。
等々。

また、東京芸大時代に師事した安川加寿子さんのレッスンについては、
・安川さんと言えばフランスものの印象が強いけど、最初の2~3年は意外なことにベートーヴェン等の古典音楽ばかりみっちり教えられた。
・ペダルのことは、かなり細かく教わった。
(「そういえば、日本人はあまりペダルが上手くないですねぇ」とも。)

こういう企画はいいですね。
とても素敵なコンサートでした。

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