多くの人が勘違いしている、「トランプ現象」を引き起こした「シンプルで本質的な理由」
『・・・「Anywhere」な人びとと「Somewhere」な人びと
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イギリスのジャーナリスト(デイヴィッド・グッドハート)は述べる。世界はいま「Anywhere」な人びとと「Somewhere」な人びとに二分されていると。Anywhereな人びと、つまり「どこでも」生きていくことができる人びととは今日のグローバルな情報産業や金融業のプレイヤー、クリエイティブ・クラスのことだ。
彼らは東京でも、ロンドンでも、ニューヨークでも、シンガポールでも同じように働き、生きていくことができる。
彼らに特定の国家に所属する国民であるという意識は相対的に希薄だ。彼らにとって国籍とは自己につけられた無数のタグ──所有しているクレジットカードや加入している動画配信のサブスクリプションサービスのようなもの──のひとつにすぎない。
世界市民的な意識をもつ彼らの考える「社会」とは全人類が参加するグローバルな市場のことであり、そして自身の仕事(経済的なアプローチ)を通してその社会にコミットする。
これに対してSomewhereな、つまり「どこかで」しか生きられない人びととは20世紀以前の、製造業を中心とした旧い産業に従事しローカルな国民国家の一員としての意識をもつ人びとだ。
彼らの多くは旧先進国の中産階級であり20世紀までその成長を支えていた製造業は、途上国との南北格差によって成立する加工貿易で富を得た産業だ。そのため、ナショナリスティックで排外主義的な傾向を帯びやすい。
グッドハートによれば、ブレグジットとトランプの当選は後者の人びとの反乱であり、それはグローバル化、情報化といった世界から境界を消失させ、ひとつのゲームボードに統一する力に対するアレルギー反応なのだ。
このとき私たちが忘れてはならないのはこの構造が存在するかぎり(少なくとも既存の)民主主義に基づいた国家は、後者のSomewhereな人びとのアレルギー反応を抑制できないということだ。
グローバリゼーションと情報化が実現した「境界のない」世界の成立は比喩的に述べればアメリカとベトナムの格差を縮めるその一方で、アメリカ国内の(シリコンバレーのアントレプレナーとラストベルトの自動車工の)格差を広げる。
Anywhereな人びとが世界市民の視点から南北格差の是正を正義であり、国内格差の拡大は必要悪だと述べたときSomewhereな人びとは排外主義的なナショナリズムを選択せざるを得なくなる。
Anywhereな人びとはこう述べるかもしれない。「境界のない世界」の実現はこの国の経済成長のために必要なのだ、と。その成長の成果を正しく再分配することで新しい格差を埋めることができる、と。
しかしこの「正しい(とされる)」言葉はSomewhereな人びとに届かない。なぜならば、それは「あなたたちは世界に関与できない」と宣言しているに等しいからだ。自分たちの経済的なアプローチの成果の余剰を分配する代わりに、政治的なアプローチを濫用してその足を引っ張るべきではないと告げているに等しいからだ。
この論理は、Somewhereな人びとの尊厳を根底から否定してしまう。そして、彼らの政治的なアプローチをより動機づける。なぜならば、彼らにはもはやローカルな国民国家を操縦して「境界のない世界」に歯止めをかけるほかないと告げられたに等しいのだから。これが、今日における民主主義の危機の本質だ。・・・』
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ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は16日、トランプ次期米大統領と米南部フロリダ州のトランプ氏の私邸で会談し、米国で4年間に1千億ドル(約15兆円)を投資する計画を表明した。需要が高まる人工知能(AI)関連への投資を検討。米国で少なくとも10万人の雇用創出を目指すという。
孫氏はトランプ氏の私邸マールアラーゴを訪問して、同氏と記者会見した。孫氏が「米国経済への信頼度はトランプ氏の大統領選の大勝利で格段に高まった」と話すと、トランプ氏は「この歴史的な投資は米国の未来に対する自信を証明するものだ」と応じた。
孫氏が表明した1千億ドルの投資計画の具体的な内容は不明。これまでSBGは米新興企業オープンAIなどAI関連で投資実績がある。傘下のソフトバンク・ビジョン・ファンドが注力する新興企業向け投資も米国での実施例が多い。こうした実施済み案件が投資計画の総額に含まれている可能性がある。
孫氏は2016年にトランプ氏が大統領選で初当選した際も、日本企業経営者としていち早くトランプ氏を訪れ、500億ドルの投資を表明した。経済成長と雇用拡大を重視するトランプ氏に巨額の対米投資計画を直接伝え、トランプ次期政権に近づいて事業環境を有利にしたいとの思惑もありそうだ。
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1月:トランプ米新大統領は20日、「国家エネルギー非常事態」を宣言し、石油増産を後押しする意向を明らかにした。エネルギー価格を下げ、物価高に不満を強める国民に耳を傾ける姿勢を示す狙いだ。新政権は気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」からの再離脱も表明。クリーンエネルギーや電気自動車(EV)の普及を目指したバイデン前政権の政策を転換する。
「黄金時代の始まり」宣言 トランプ米大統領が就任―国境・エネルギー、180度転換
「インフレ危機は政府支出とエネルギー価格の上昇が原因だ」。トランプ氏は就任演説で、温暖化対策に力を入れたバイデン前政権下で深刻化した物価高を批判。「(石油を)掘って掘って掘りまくれ」と、選挙運動中のスローガンを改めて持ち出した。
石油や天然ガスなど化石燃料を増産するのは、米国の「エネルギー支配」を実現するためだ。トランプ氏は「世界各国に米国のエネルギーを輸出し、再び豊かな国になる」と訴えた。
バイデン前政権による脱炭素社会・経済を目指す政策も「終わりにする」と宣言し、EV普及策の撤回を約束。気候変動対策で米国の取り組みが後退するのは必至だ。
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アメリカのトランプ大統領がWHO=世界保健機関からの脱退を進める大統領令に署名したこと受けて、WHOは「アメリカが再考すること望む」などと声明を発表しました。
アメリカのトランプ大統領は就任初日の20日、WHOから脱退する大統領令に署名しましたが、WHOはこれを受け「遺憾に思う」などと、先ほど声明を発表しました。
声明では「疾病の根本原因に対処し、緊急事態を検知、予防、対応することによって、アメリカ人を含む世界の人々の健康と安全を守る上で、重要な役割を果たしている」とした上で、「WHOとアメリカは70年以上にわたり、数えきれないほどの命を救ってきた。我々はアメリカが再考することを望むとともに、パートナーシップを維持するために建設的な対話ができることを期待している」としています。
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トランプ米大統領は20日、連邦政府機関で新たに政治任用区分を設け、既存人材の大量解雇や自身に忠実な人材の配置を可能にする大統領令に署名した。官僚機構の支配強化が狙い。第1次政権で同様の大統領令を出したが、バイデン前大統領が廃止。トランプ氏はこのバイデン氏の大統領令を撤廃し、復活させた。
連邦政府職員に雇用継続を保証しない区分を設定。この区分に指定された職員はトランプ政権の意向に従わないと判断されれば、容易に解雇される。トランプ政権は代わりに忠誠を誓う人材を送り込むことが可能だ。
トランプ氏は21日、バイデン前政権が任命した職員ら千人以上の解雇手続きを進めているとSNSに投稿。かつての米軍制服組トップでトランプ氏と対立したミリー氏らの名を挙げ「おまえはクビだ!」と書き込んだ。
トランプ氏はリベラル志向の高い官僚の抵抗によって1期目で政策を思い通りに実現できなかったとの不信感がある。
政府機関では自身が新区分に指定されるのではとの疑心が広がり、辞職する職員も出ている。
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トランプ米大統領は26日、南米コロンビアが米国から強制送還された不法移民を乗せた軍用機2機の着陸を拒否したことを受け、25%の関税や制裁などの報復措置を取ると表明した。
自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、コロンビアのペトロ大統領が送還受け入れを拒否し、米国の国家安全保障を脅かしたと述べた。
報復措置として、コロンビアからの全ての輸入品に25%の関税を課し、1週間で税率を50%に引き上げる。同国政府当局者に対する渡航禁止やビザ(査証)取り消し、緊急金融制裁なども含まれる。また、コロンビアの国民と貨物に対する国境検査を強化する方針を示した。
「これらの措置は始まりに過ぎない」とし、「コロンビア政府が米国に向かわせた犯罪者の受け入れと送還に関する法的義務に違反することは許さない!」と書き込んだ。
ルビオ米国務長官は声明で、ペトロ氏が移民を送還する航空機の受け入れを認め、全ての必要な許可を与えていたにもかかわらず、飛行中に許可を取り消したと指摘。米国は「もはやうそをつかれたり、利用されたりはしない」と強調した。
ペトロ氏はXへの投稿で「米国はコロンビア人移民を犯罪者のように扱うべきではない」と批判し、民間航空機で移民送還を受け入れる考えを示した。
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アメリカのトランプ政権は、南米のコロンビアが軍用機での送還を含めた不法移民の受け入れに合意したとして、制裁関税の発動を撤回すると発表しました。
これは、ホワイトハウスが26日、レビット報道官の声明で明らかにしたもので、「コロンビア政府は軍用機での強制送還も含めて不法移民の送還を無制限で受け入れることなど、トランプ大統領が求めたすべての条件に合意した」と説明し、トランプ氏が表明していたコロンビアからの輸入品すべてに対する25%の制裁関税は発動を撤回すると明らかにしました。
一方で、▼コロンビア政府高官らのアメリカへの渡航禁止や、▼税関や国境での検査強化はこのあと、最初に強制送還される人々がコロンビアに入国するまでは有効だとしています。
レビット報道官は「トランプ大統領は今後も我が国の主権を猛烈に守り続ける。世界のすべての国がアメリカに不法滞在している自国民の強制送還受け入れに全面的に協力することを期待している」と強調しています。
また、コロンビア政府も26日夜、アメリカと合意したと発表しました。
▼アメリカから送還される移民の受け入れを続けると表明したほか、▼26日に受け入れを拒否した人々をアメリカから移送するため、大統領専用機を手配したということです。
ムリージョ外相がまもなくアメリカに向かい、両国間の合意事項の確認などを行うとしています。
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トランプ米大統領は27日、軍の「多様性、公平性、包摂性(DEI)」プログラム撤廃と、新型コロナウイルスのパンデミック(世界大流行)中にワクチン接種を拒否し除隊となった数千人の兵士の復帰を認める大統領令に署名した。
また、「軍におけるジェンダー急進主義」を排除する大統領令にも署名した。米軍内のトランスジェンダー兵士に言及したものとみられるが、文書の内容は現時点で明らかでない。
トランプ氏は最初の任期中に、トランスジェンダーの軍務を禁止すると発表した。しかし、トランスジェンダーの新規採用を凍結したが、すでに軍務に就いている兵士は残留が認められた。バイデン前大統領が2021年の就任時にこの決定を覆した。
国防総省のデータによると、現役の兵士は約130万人。トランスジェンダーの権利擁護者はこのうち約1万5000人がトランスジェンダーだと主張しているが、当局は数千人以下との見方を示している。
ヘグセス国防長官は27日、本格的に業務を開始した。登庁した際に、最新の著書で批判したブラウン空軍参謀総長に迎えられた。
ブラウン氏を解任する可能性はあるかとの記者団に質問に対し、ヘグセス氏はブラウン氏と一緒に仕事ができるのを楽しみにしていると答えた。
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トランプ米大統領に対する刑事捜査に携わった司法省の職員10人以上が解雇されたことが分かった。事情に詳しい関係者が明らかにした。
司法省のマクヘンリー司法長官代行が対象の職員に送った書簡には、職員らがトランプ氏の政策を「忠実に」実行できると「信頼できない」と記されていた。
書簡は次のように述べている。「あなたはトランプ大統領の訴追において重要な役割を果たした。政府の適切な機能は、上級職員が部下に置く信頼に大きく依存している。大統領の訴追においてあなたが果たした重要な役割を考えると、司法省の幹部があなたに大統領の政策を忠実に実行するための支援を信頼して任せることができるとは私には思えない。そのため、憲法第2条および米国法に基づき、あなたの司法省での雇用は終了し、ただちに連邦機関から解雇される」
解雇された職員の中には、トランプ氏に対する2件の起訴を取り下げたジャック・スミス元特別検察官と働いていた者もいた。スミス氏は、トランプ氏が2020年の大統領選の結果転覆をはかったとされる事件や、トランプ氏が機密文書を持ち出したとされる事件の捜査を担当していた。
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アメリカのトランプ大統領は、メキシコとカナダに対して2月1日から25%の関税をかけると改めて表明しました。
トランプ大統領
「カナダとメキシコにそれぞれ25%の関税をかける。両国との間には巨額の貿易赤字があるからだ。両国に対する関税は時間とともに上がるかもしれないし、上がらないかもしれない」
記者
「カナダとメキシコへの25%の関税は2月1日から発動ですか?」
トランプ大統領
「最初の土曜日=2月1日からだ」
トランプ大統領は、カナダとメキシコに対して2月1日から25%の関税を課す考えを改めて強調しました。さらに、トランプ氏は関税率について「時間の経過によって上げるかもしれないし、上げないかもしれない」とも話しています。
そのうえで、トランプ氏はアメリカにとってカナダからの主要な輸入品である石油製品も関税の対象に含めるかについて、「今夜=現地時間30日の夜にも決める」との意向を示しました。
トランプ氏は、石油製品に関税をかけるかどうかはカナダから輸出されてくる「石油の価格次第だ」と述べ、「石油の値付けが適正であれば」関税の発動を見送る可能性もあると説明しました。
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トランプ米大統領は29日、ホワイトハウスで演説し、キューバのグアンタナモ米海軍基地に不法移民約3万人を収容する施設の設置を指示する大統領令に同日署名すると述べた。不法移民が凶悪犯罪を引き起こしているとし、グアンタナモに収容すれば脱出するのは難しいと指摘。「移民犯罪の惨劇の根絶に向けて一歩前進した」と述べた。
万引や窃盗などの容疑で逮捕された不法移民の拘束継続を義務付ける法案にも署名し、同法が成立した。これまでは万引容疑で警察に逮捕された場合は程なく釈放されていたが、厳罰化した。20日の2期目就任後、法案に署名したのは初めて。
法律は、昨年2月に南部ジョージア州でベネズエラから不法入国した男に殺害されたレーケン・ライリーさん=当時(22)=にちなんで名付けられた。男は以前に万引の疑いで逮捕されていたが、釈放されていた。
今月8日に下院を通過後、上院で一部修正されて可決。このため下院が22日に再び可決した。共和党が多数派を占める上下両院で一部の民主党議員も賛成に回った。
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不法移民対策を最優先課題とするトランプ米政権が、拘束作戦を本格化させている。移民への寛容政策を取る「聖域都市」の一つとされるイリノイ州シカゴでは、捜査当局が家の玄関を破って不法移民を拘束する強硬手段に乗り出し、住民の間で恐怖が広がっていた。
「今すぐドアを開けろ! 令状を持っているぞ」
1月28日早朝、シカゴ郊外エルジンの住宅街で武装した移民・関税執行局(ICE)の捜査員ら十数人の怒号が響いた。清掃作業員マリアさん(50)(仮名)が夫(44)とともに跳び起きると、捜査員らは突然、ハンマーで玄関を破壊し、突入してきた。
捜査員は夫をはだしのまま外に連れ出し、手錠をかけて尋問を始めた。夫は捜査員が持つ令状の捜査対象とは違う人物であることが判明したが、「行かないで!」と泣き叫ぶ息子(3)の目の前で連行されていった。不法移民であることが理由だった。出身地のメキシコに強制送還される可能性がある。
マリアさん自身も不法移民だといい、「次は私が逮捕されるかもしれない。夫なしでどう生きていけばいいのか……」と涙を流した。
トランプ政権は発足当初から不法移民の摘発に着手しており、ICEなどによると、29日までに少なくとも5500人が拘束され、4000人以上が強制送還されている。
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2月:トランプ米大統領は2日、メキシコ、カナダ、中国に対する包括的な関税が米国民に痛みをもたらす可能性があると述べた。
カナダとメキシコの首脳と3日に話し合うと明らかにしつつ、「劇的なことは期待していない」と指摘。フロリダ州の私邸からワシントンに戻った際、記者団に「彼らはわれわれに多くの借りがある。彼らが支払うことを私は確信している」と語った。
また、欧州連合(EU)に対しても関税は「間違いなくかかる」と述べたが、時期については明言しなかった。
トランプ氏は1日、カナダとメキシコからの輸入品に25%の関税、中国からの輸入品に10%の追加関税を4日から課す大統領令に署名した。関税徴収は米東部時間4日午前0時01分(日本時間午後2時01分)に始まる。
トランプ氏は、関税は不法移民と違法麻薬取引を取り締まるために必要だと主張。「短期的には多少の痛みを伴うかもしれない。国民はそれを理解している。しかし、長期的に見ると、米国は実質的に世界の全ての国からむしり取られてきた」と語った。
交流サイト(SNS)では「米国の黄金時代となるだろう!痛みはあるだろうか?あるかもしれないし(ないかもしれない!)」と投稿。さらに「米国はカナダ、メキシコ、中国(そしてほぼ全ての国!)に対して多額の赤字を抱えており、36兆ドルの負債を抱えている。われわれはもはや『愚かな国』ではいられない」と述べた。
カナダについては、米国の51番目の州になるべきだと主張し、カナダは米国からの「巨額の補助金」がなくなれば持続可能な国ではなくなってしまうと指摘した。
トランプ氏はこれまでも「カナダは51番目の州」と言及し、カナダ側から反発を招いてきた。
カナダのトルドー首相は1日、米国の関税措置に対抗して1550億カナダドル(約1065億米ドル)相当の米国製品に25%の関税を課すと表明した。
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米国のルビオ国務長官は2日、就任後初となる外遊先の中米パナマでホセ・ラウル・ムリノ大統領と会談し、パナマ運河から中国の影響力を排除するよう求めた。ムリノ氏は、パナマに運河の運営権があると反論した一方、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」から離脱する方針を示した。
パナマ運河の太平洋側と大西洋側の出口にある二つの港湾は、香港系の会社が管理している。これに対し、米国のトランプ大統領は1月20日の就任演説で「中国がパナマ運河を運営している。それを取り戻す」と訴え、通航料金が高すぎると不満を示した。トランプ米政権は米中対立が激化した際に運河が閉鎖される事態を懸念している。
米側の発表によると、ルビオ氏は会談で、トランプ氏が「中国共産党が運河を管理している現状は脅威だ」と指摘していると伝え、「早急な変化がなければ、米国は必要な措置を取る」と警告した。運河の再管理を主張するトランプ氏は軍事力の行使も示唆している。
ムリノ氏は会談後の記者会見で「運河は我が国が運営していることに疑いはなく、今後も変わらない」と強調し、トランプ氏の主張を否定した。
一方、パナマは港湾運営会社に対する監査を始めている。ムリノ氏は、パナマが中国と国交を結んだ2017年に交わした「一帯一路」の協力に関する覚書について「私の政権では更新しない」と明言し、早期終了も検討する考えを示した。米側に歩み寄った形で、中国の反発は必至だ。
◆パナマ運河= 太平洋と大西洋を全長約80キロ・メートルで結ぶ海上輸送の要衝。1914年に米国が整備し、99年に管理権をパナマに返還した。水門で水位を上下に調節することで船を行き来させる方式を採用している。2023年度に約1万4000隻が通航し、日本は米国、中国に次ぐ世界3位の利用国となっている。
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トランプ米政権の高関税政策に対して、米経済界から批判が相次いでいる。
関税を発動しても不法移民の流入問題などは解決できず、「米国の家庭にとっては物価を押し上げる。供給網が混乱するだけだ」(全米商工会議所幹部)と懸念の声も上がる。
全米製造業者協会は、貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」を締結したことで北米の経済力が強まり、米国での雇用や投資も増加したと説明。メキシコとカナダからの輸入品に25%の関税を課せば、「米製造業の国際競争力を高めてきた供給網を根底から覆す」と非難した。代替調達先を迅速に見つけにくい中小企業には、特に深刻な影響が及ぶと警戒している。
米自動車部品工業会は、両国への関税は「自動車の必須部品のコストを大幅に押し上げ、追加コストは消費者に転嫁される」と懸念。「インフレが重要課題である時期に、家計を一層圧迫する」と、高関税政策に反対する姿勢を示した。
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イーロン・マスク氏は3日、米国際開発局(USAID)の閉鎖に取り組んでいると述べた。トランプ大統領が打ち出した政府効率化の一環。
マスク氏はXで行った対談で、自身が責任者を務める政府効率化省(DOGE)について語った。冒頭、USAIDの閉鎖に取り組んでいると発言。「もう修復不可能だ」とし、閉鎖にはトランプ氏も同意していると続けた。対談には共和党の大統領候補指名争いに参加したビベック・ラマスワミ氏と共和党のジョニ・アーンスト上院議員も参加した。
USAIDは世界最大の援助資金供与組織。2023会計年度には、紛争地域における女性の健康から、清潔な水へのアクセス、HIV/AIDS治療、エネルギー安全保障、腐敗防止活動まで、世界中で約720億ドルの援助を拠出した。24年には国連が追跡する人道援助のうちおよそ42%を提供している。
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カナダのトルドー首相は3日、X(旧ツイッター)への投稿で、米国によるカナダへの関税発動を少なくとも1か月延期することで、米国と合意したと明らかにした。
トルドー氏によると、トランプ大統領との電話会談では、トランプ氏が求めていた不法移民や合成麻薬フェンタニルの米国への流入を阻止するための措置について説明したという。そのうえで、「関税案は、少なくとも30日間停止される。その間に、協力して取り組む」とした。
米国のトランプ大統領は1日、カナダとメキシコからの輸入品に25%の関税を課すための大統領令に署名し、4日から発動する予定だった。カナダも同日から米国製品に対して報復関税をかけるとしていた。
トランプ氏はメキシコへの関税についても3日朝、1か月延期することでメキシコと合意したと表明していた。
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米国は4日、中国からの全ての輸入品に10%の追加関税を発動した。トランプ米大統領は中国が合成麻薬フェンタニルの米国流入を阻止していないとしており、世界の二大経済大国間の貿易戦争が再燃するリスクが高まった。
トランプ氏は前日、メキシコとカナダに対する関税の発動を1カ月見送った。カナダのトルドー首相とメキシコのシェインバウム大統領は、トランプ氏による移民と麻薬密輸の取り締まり要請に対し、いずれも国境警備を強化することで合意したと明らかにした。
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中国政府は4日、米国からの輸入品の一部に対して最大15%の追加関税を課すと発表した。石炭や液化天然ガス(LNG)が対象で、今月10日から実施する。トランプ米政権が中国からの輸入品に10%の追加関税を発動したことへの報復措置。米中両国は制裁合戦に再び突入した。
中国政府の発表によると、追加関税は「関税法」などに基づいて実施する。原油や農業機械などには10%の追加関税を課すとしている。
中国政府は、米側が関税合成麻薬「フェンタニル」の米国への流入問題などを挙げて追加関税を決めたことに対し、「世界貿易機関(WTO)のルールに著しく違反している」と批判した。米側の措置を「自国の問題解決のためにならないだけでなく、中国と米国の正常な経済・貿易協力を損なう」と強調した。
中国の独禁当局に当たる国家市場監督管理総局は同日、米IT大手グーグルに対して独禁法違反の疑いで調査すると発表した。米政府の制裁措置には触れていないが、報復措置の一環である可能性がある。
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2月5日:トランプ米大統領の「パレスチナ人を移住させ、米国がパレスチナ自治区ガザ地区を所有する」という発言に対し、中東や欧州の各国から批判の声が上がっている。「国際法違反」「パレスチナ人がガザを再建すべき」との指摘が相次いだ。
パレスチナ自治政府の通信社WAFAが報じたところによると、パレスチナ自治政府のアッバス議長は5日、トランプ氏の案は「重大な国際法違反」だと非難した。「パレスチナ人は自分たちの土地や権利、聖地を手放したりはしない」とも述べた。
米国の同盟国で、米国から多くの支援を受けているエジプトやヨルダンを含め、中東諸国も一様にトランプ氏の発言に批判的な姿勢を示した。
エジプトのアブデルアーティー外相は、パレスチナ人がガザを去ることなく再建すべきと主張。サウジアラビアはパレスチナ国家の樹立への「揺るぎない」支持を改めて表明した。ヨルダンのアブドラ国王はパレスチナ人を移住させる考えを一蹴し、ユダヤ人の入植を止める必要性を強調した。
欧州各国でもトランプ氏の案に対し否定的な見方が広がった。フランス外務省の報道官は強制移住に反対することを強調し、ドイツのベアボック外相やスペインのアルバレス外相は「ガザはパレスチナ人のもの」と指摘した。
英国のスターマー首相は「パレスチナ人がガザを再建することが認められなければならず、我々は(パレスチナ国家とイスラエルの)『2国家解決』を支持すべき」と議会で述べた。
一方、イスラエルの極右政治家らはトランプ氏の案を歓迎している。ガザ停戦に反対して職を辞したベングビール前国家安全保障相はトランプ氏の計画を「解決策」と称賛し、実行されれば政権に戻ると言明した。
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トランプ大統領がパレスチナ自治区ガザを「アメリカが所有する」と発言したことについて、ホワイトハウスの報道官はアメリカ軍をガザに派遣するとは約束していないと述べました。
トランプ大統領は4日、イスラエルのネタニヤフ首相との会談後、ガザ地区の住民を近隣国に恒久的に移住させたうえで、アメリカがガザを長期にわたって所有して経済開発を進める考えを示し、アメリカ軍の派遣も否定しませんでした。
ホワイトハウスのレビット報道官は5日、「トランプ大統領はアメリカがガザ地区に部隊を派遣したり、再建の費用を負担すると約束していない」と釈明しました。
トランプ氏の発言は「型破りなアイデアだ」としたうえで、「だからこそアメリカ国民は彼を大統領に選び、その目標は中東の永続的な平和だ」と強調しました。
また、ルビオ国務長官はトランプ氏の「ガザを所有する」との発言は「アメリカが再建に責任を持つという意思だ」と述べ、発言に敵対的な意図はなく、今後、詳細を詰める必要があるとの考えを示しました。
トランプ氏の発言を巡っては国際法に違反するなどとし、中東諸国やガザの住民からの反発が広がっています。
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アメリカのトランプ大統領はパレスチナのガザ地区をめぐり「戦闘が終わった時にイスラエルからアメリカに引き渡される」とSNSに投稿し、ガザ地区をアメリカが所有し、再建するとした自身の主張を繰り返しました。
アメリカのトランプ大統領は4日に行われたイスラエルのネタニヤフ首相との共同記者会見で、パレスチナのガザ地区をアメリカが長期的に所有し再建するとした上で、地区の住民について別の場所への移住を進めるべきだという考えを示しました。
これに対して各国からは「国際法に違反する」などと反発や懸念の声が上がっています。
こうした中、トランプ大統領は6日、自身のSNSに「ガザ地区は戦闘が終わった時に、イスラエルからアメリカに引き渡されるだろう。アメリカは世界中から集まった開発チームと協力し、地球上で最も偉大で壮大な開発となる建設をゆっくりと慎重に始めるだろう」と投稿し自身の主張を繰り返しました。
上↑↑:火事場泥棒をするトランプくんww
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アメリカのトランプ大統領は、アメリカが輸入するすべての鉄鋼とアルミニウム製品に25%の追加関税を課すための命令書に署名しました。
トランプ大統領
「これは大きなことだ。アメリカを再び豊かにするんだ。(鉄鋼とアルミ製品に)25%の追加関税を課す。例外も免除もない。すべての国から来たものが対象だ」
トランプ大統領が10日に署名したのは、アメリカが輸入するすべての鉄鋼とアルミニウム製品に25%の追加関税を課すための命令書です。トランプ氏はこれまで導入されていた関税の例外措置は廃止すると話していて、日本の製品も対象になるとみられます。
アメリカは第一次トランプ政権時の2018年にすべての鉄鋼製品に25%、アルミニウム製品には10%の追加関税を導入しました。ただ、前のバイデン政権時代の2022年に、日本からの鉄鋼製品について、年間125万トンまでは関税を課さない無関税枠を設けていました。
今回、こうした無関税枠は廃止になるものとみられます。
一方、トランプ氏は、オーストラリアがアメリカ製の航空機を輸入していることから、オーストラリアは関税の対象外とする可能性を示唆しました。
ブルームバーグ通信によりますと、新たな関税の発効は3月4日になる見通しだということです。
トランプ氏は、中国など海外からの安い輸入品により打撃を受けてきたアメリカ国内の鉄鋼業を関税により復活させるとしていて、「他国から来るものは必要ない」と強調したほか、他国が報復措置をとっても「気にしない」と話しました。
トランプ氏はさらに、今後、自動車や半導体、医薬品などを対象に追加の関税を検討するとも話していて、各国との摩擦が激しくなりそうです。
こうしたなか、ブラジルの地元紙「フォーリャ・ジ・サンパウロ」は10日、政府関係者の話として、鉄鋼とアルミニウムに25%の関税が課かされた場合、ブラジル政府はアメリカのハイテク企業に対して報復の課税を検討していると報じました。
報道では、ブラジルの鉄鋼の輸出全体の48%が北米向けで、「鉄鋼への関税はブラジルにとって直接的な影響を与えるものになる」と指摘しました。
また、ブラジル政府が報復の課税を検討しているハイテク企業はアマゾンなどですが、利用者側が直接負担する形にはならないとしています。
この報道に関して、ブラジルのアダジ財務相は「情報は正しくない」と否定する一方、「大統領の判断を待つ」と含みを持たせました。
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中国政府は10日、米国に対する追加関税を発動した。米国産の石炭と液化天然ガス(LNG)に15%、原油や農業機械、大排気量の自動車に10%の追加関税を課した。トランプ米政権が4日に中国からの輸入品に対して一律10%の追加関税を発動したことに対する報復措置。貿易摩擦の深刻化が懸念される中で、両国による協議が進むかが今後の焦点となる。
中国政府は米国への対抗措置として4日、一部レアメタル(希少金属)の輸出制限や米IT大手グーグルへの独禁法違反容疑での調査、トランプ政権の関税措置について世界貿易機関(WTO)への提訴などを実施。同日、報復関税の方針についても公表しており、予定通り発動した形だ。
中国外務省の郭嘉昆副報道局長は10日の定例記者会見で「貿易戦争や関税戦争に勝者はおらず、損害を受けるのは両国の国民の利益だ。現在必要なのは一方的な関税の導入ではなく、平等と相互尊重に基づいた対話と協議だ」と強調した。
米国は、中国製原料を使った合成麻薬「フェンタニル」を巡って中国側の対応が不十分だとして、関税引き上げの理由にしている。トランプ氏は関税を巡り中国の習近平国家主席との早期の電話協議の意向を示してきたが、10日までに実現しなかった。
米中を巡っては、トランプ政権1期目の2018~19年に、お互いが報復関税を掛け合う米中貿易戦争に突入、両国が経済的に分断すると同時に世界経済にも大きな影響を与えた。報復関税の応酬が再び始まったことで、その再来を懸念する声が高まりそうだ。
一方で、中国は国内経済失速、米国は物価上昇(インフレ)という懸念もそれぞれ抱えている。対立の深刻化は両国経済のマイナスにつながりかねない中で、今後は摩擦緩和のための協議が進むかが焦点となる。
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米国のトランプ大統領は11日、ホワイトハウスでヨルダンのアブドラ国王と会談し、パレスチナ自治区ガザの住民を域外へ移住させ、米国がガザを所有、再建させる構想の実現に強い意欲を示した。アブドラ国王は住民の強制移住案に反対を表明し、両首脳の溝が浮き彫りとなった。
第2次政権発足後、トランプ氏がアラブ諸国首脳と対面で会談するのは初めて。冒頭、トランプ氏は「我々はパレスチナの人々が、とても幸せに、安全に暮らせる場所を見つける」と述べ、ガザ住民を恒久的にヨルダンやエジプトに再定住させるべきだと改めて主張した。
再建については、「米国はガザを購入しない。保有し、大事にする」と説明し、不動産開発を通じて「ガザで大規模な経済発展が起きるだろう」と語った。
アブドラ国王は会談で、重病のガザの子供2000人をヨルダンに受け入れると表明した。トランプ氏は「素晴らしい」と歓迎した。
ただ、強制移住案に関して、アブドラ国王は、エジプトなどと協議して対応を決めると述べるにとどめ、「エジプトが、トランプ氏とどう協力するか計画を示すことになる」と語った。
国王は会談後、SNSへの投稿で、強制移住案に異を唱えたことを明らかにし、「(イスラエルとパレスチナが共存する)2国家解決に基づく公正な平和の実現こそが、地域の安定を確保する道だ」と訴えた。
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エジプト大統領、訪米せず ガザ住民受け入れが議題なら
エジプト治安筋2人によると、シシ大統領(写真)はトランプ米大統領が提案したパレスチナ自治区ガザからの住民移住計画が議題に含まれる限り、訪米しない考えという。
- エジプト治安筋2人によると、シシ大統領はトランプ米大統領が提案したパレスチナ自治区ガザからの住民移住計画が議題に含まれる限り、訪米しない考えという。
トランプ氏は200万人超に上るガザ住民を近隣諸国に移住させ、米国がガザを管理下に置いた上で「中東のリビエラ」にする構想を提示。アラブ諸国からの猛反発を招いている。
トランプ大統領はエジプトとヨルダンに対しパレスチナ人住民の受け入れを要請した。拒否した場合は援助を撤回すると警告している。
エジプトは、トランプ大統領からシシ大統領に対し、ホワイトハウス公式訪問の招待があったことを明らかにしている。米当局者によると訪問の日程は決まっていない。エジプト大統領府と外務省はコメント要請に直ちには応じなかった。
ヨルダンのアブドラ国王は11日、トランプ米大統領とホワイトハウスで会談し、ガザ復興構想を巡って議論。会談後、パレスチナ人の強制移住に反対する立場を改めて表明し、不快感をにじませた。
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トランプ米大統領が、米国が輸入するすべての鉄鋼とアルミニウムに25%の追加関税を課すことを決めた。
カナダやメキシコ、欧州連合(EU)などに認めていた適用除外などの例外措置は廃止する。EUなどが検討する報復措置については「心配していない」と一蹴。これまで言及してきた医薬品や半導体だけでなく、自動車への関税賦課にも意欲を示し、製造拠点の米国回帰を目指す考えを示した。
トランプ氏は、貿易相手国の関税率に応じて米国も同水準の関税を課す「相互関税」を近く導入する考えも改めて表明した。相手国が報復に動けば「自動的に米国も関税を引き上げる。報復は自分たちのためにならない」とけん制。「貿易戦争」の懸念が強まる中、強気の姿勢を維持した。
世界各国・地域からは反発の声が上がる。カナダのシャンパーニュ革新・科学・産業相は声明で「カナダの鉄鋼・アルミは防衛から自動車まで米国の産業を支えている」と指摘。関税措置は正当化できないと批判し、他国と協議の上、「明確で的確な対応をする」と警告した。
EUは関税決定に先立ち「非合法で経済的に逆効果だ」と非難声明を発表。米メディアによると、フォンデアライエン欧州委員長はフランスを訪問中のバンス米副大統領と会談する意向だ。欧州で対米鉄鋼輸出が最も多いドイツのショルツ首相は報復関税の発動を予告している。
鉄鋼・アルミへの追加関税は、トランプ第1次政権の2018年に発動された。当時、EUは鉄鋼・アルミだけでなく自動二輪車やウイスキーなど幅広い品目に報復関税を課し、貿易摩擦に発展。バイデン前米政権が、一定量まで鉄鋼・アルミへの追加関税を免除する「関税割当制度」を導入するまで続いた。同制度は日本や英国にも適用された。
また、米国と貿易協定を結んだカナダ、メキシコは追加関税そのものを適用除外とされていたが、今回のトランプ氏の決定により再び対象となった。貿易摩擦が再燃する可能性がある。
トランプ氏は「例外はない」としつつも、適用除外を求めるオーストラリアについては「米国は貿易黒字がある。多くの航空機を買ってもらっている。大いに検討する」と例外措置の導入を示唆した。新関税発効まで約1カ月。関税を突き付けて譲歩を引き出す、同氏得意のディール(取引)を仕掛けるとの観測もくすぶる。
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トランプ米大統領は21日、米国のテクノロジー企業にデジタルサービス税を課している国からの輸入品に関税を課すための調査を復活させるよう、通商代表部(USTR)に指示した。
ホワイトハウス関係者によると、トランプ氏は大統領覚書で「外国政府が米企業に課すデジタルサービス税(DST)や罰金、慣行、政策に対抗するため」、関税などの対抗措置を検討するよう命じた。
覚書では、第1期トランプ政権下で開始されたDSTの調査を再開し、さらに「米国企業を差別するために」デジタル税を使う他の国がないか調査するようUSTRに指示している。
トランプ氏は覚書の署名に先立ち、「デジタル分野で他国がわれわれにやっていることは本当にひどい」と記者団に語った。
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トランプ政権が誕生して1ヶ月。矢継ぎ早の改革は政府の科学関連部門も対象になり、NIH(国立衛生研究所)、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)、NSF(アメリカ国立科学財団)、NASA(アメリカ航空宇宙局)をはじめ多くの機関が人員削減、予算削減等を指示されています。影響は予算を受け取る大学などにも波及し、悲嘆、批判の声が高まっています。ここではNIH、CDC、NASAに関するニュースをまとめました。
NASAの解雇は中止されましたが、NIHではあらたな人員削減が取り沙汰されています。こうした動きは、米保守系シンクタンク、ヘリテージ財団を中心に作られた「プロジェクト2025」に沿っていると言われています。プロジェクト2025は、連邦政府の研究体制を分権化・民間化し、「小さな政府」と「市場主導」を科学技術分野にも徹底するために、中央官庁の役割を縮小する方向で再編すること、研究分野の優先順位を政治理念に沿って組み替えること等を提案。この1ヶ月は見事にこれに沿ったものになっています。
このプロジェクト2025路線が世界の科学にどのような影響を与えるのかは見通せませんが、戦後培われてきた科学の国際協調路線に変化を及ぼし、世界の科学研究環境を再編する方向に向かわせると思われます。具体的にはアメリカの衰退をもたらし、中国の台頭を加速化させる可能性が高いでしょう。
日本にも影響が及ぶのは必至であり、国際共同研究も変化を強いられるでしょう。一方、アメリカの優秀な研究者を受け入れるチャンスでもあります。政府や各研究機関は情勢を見極めながら、戦略を練っていく必要があるでしょう。
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イーロン・マスク氏率いる「政府効率化省(DOGE)」が200万人以上の連邦職員に業務実績を報告するよう求めたことに対し、トランプ政権内の他の有力者から反発の声が上がっている。政府の抜本的改革を目指すマスク氏の大胆な手法が分裂を生み出していることがうかがえる。
22日夜、連邦職員は先週達成したことを5項目にまとめ、米東部時間24日午後11時59分(日本時間25日午後1時59分)までに提出よう求める電子メールを受け取った。マスク氏は、自身が管理するソーシャルメディアX(旧ツイッター)に投稿し、この要求を予告していた。
しかし、トランプ大統領が自ら登用した高官の一部がこの取り組みをすぐに否定した。
米連邦捜査局(FBI)のパテル長官は就任初日に職員宛ての文書で、職員人事の審査を担当し、必要な情報の調整を行うのは自分だと述べた。
パテル長官は「現時点では、回答を保留するように」と指示した。パテル氏は、現在自分が率いるFBIを厳しく批判し、トランプ大統領の熱心な擁護者でもある。
現在では、上院が承認した長官がほとんどの省庁に就任しており、大統領に近いマスク氏とのバランスを取り、DOGEの指令に対する強力な防波堤の役割を担っている。
トランプ氏を積極的に擁護するヘグセス長官が率いる国防総省は職員に対し、メールへの対応を「保留」するよう指示し、国防総省が「必要に応じて」対応を「調整する」とXで伝えた。
国務省および航空宇宙局(NASA)の全部または一部を監督する当局者にも、メールへの返信を控えるよう指示が出された。
シークレットサービスや米移民・税関捜査局(ICE)などを含む国土安全保障省の職員は23日夜に、幹部が全職員を代表して対応するとのメールを受け取った。ブルームバーグ・ニュースが同メールを確認した。
マスク氏は24日早朝のXへの投稿で、「職員の安否を確認し、メールに返信できるかどうかを確認するためのものだ」と、自身の取り組みについて釈明した。先週のCNNの世論調査では、トランプ大統領がマスク氏に政権内でこれほど目立った役割を与えたことは良くないとの回答が54%と、わずかながら過半数を占めた。
マスク氏は「この混乱は今週中に解決するだろう」と投稿。「多くの人が目を覚まし、厳しい現実を突きつけられるだろう。まだ理解していないが、いずれ理解するだろう」と指摘した。
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トランプ米大統領がホワイトハウス科学技術政策局の局長に指名したマイケル・クラツィオス氏は、中国がこれらの分野で米国の最大の競争相手だとみており、将来は誰が主要分野をリードするかにかかっていると警告した。
上院での指名承認公聴会を25日に控えるクラツィオス氏は、ロイターが閲覧した証言文書で、「中国はわれわれの主要な地政学的ライバルであると同時に、技術・科学分野で最も手ごわい競争相手として台頭している」と指摘。
「将来の世界秩序の形は、人工知能(AI)、量子、核などの重要な新興技術を誰がリードするかによって決まる。核融合、量子技術、自律システムにおける中国の進歩は、今後の取り組みの緊急性を浮き彫りにしている」と述べた。
クラツィオス氏は第1次トランプ政権で最高技術責任者(CTO)を務めた。
在ワシントン中国大使館はコメント要請に応じていない。
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実業家イーロン・マスク氏が率いる米政府効率化省(DOGE)の職員の約3分の1が、要求された改革は国を危険にさらすものだと抗議し、辞職した。
AFPが25日に入手した書簡によると、DOGEの職員21人はスージー・ワイルズ大統領首席補佐官に対し、「われわれは政権を超えて米国民に奉仕し、憲法への宣誓を守ることを誓った」「しかし、それらの約束をこれ以上履行できないことは明らかだ」と語った。
21人は当初、米国デジタルサービス(USDS)に勤務していたが、1月20日のドナルド・トランプ大統領就任後にDOGEに再編され、マスク氏が事実上部門を引き継いだ。
マスク氏はDOGEの政治的原動力であり、この大富豪に忠実な少数の従業員が政府全体に派遣され、職員と支出の削減に取り組んでいる。
マスク氏は21人の離職は大したことではないとして、21人はトランプ氏のオフィス出勤命令を拒否して在宅勤務を続けた「政治的残党」だと述べた。
X(旧ツイッター)に「彼らは辞職しなければ解雇されていただろう」と投稿した。
書簡では、1月21日に始まった混乱した政権移行プロセスが記述されている。その日はホワイトハウスの訪問者バッジを着けた身元不明の人物らが急きょ面接を行い、職員に政治的忠誠心について質問し、チーム内の分断を生み出そうとし、「技術能力が限られている」ことを示した。
今月14日にはUSDSの職員約3分の1が匿名のメールで突然解雇され、緊張が高まった。
解雇された職員らは社会保障、退役軍人サービス、税務申告、医療、災害救援プラットフォームなどの重要な政府システムの近代化に取り組んでいたと書簡は述べている。
書簡は続けて、「彼らの解雇はこれらのサービスに毎日依存している数百万人の米国人を危険にさらす。彼らの技術的専門知識が突然失われることで、重要なシステムと国民のデータの安全性が損なわれる」と指摘。
21人は「政府の中核システムと国民の機密データを危険にさらし、重要な公共サービスを解体する」取り組みに参加することを拒否した。
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ホワイトハウスのレビット大統領報道官は25日、業務実績や生産性を正当化する箇条書きの説明を連邦政府職員に求めたイーロン・マスク氏主導の指令に100万人強が応じたことを明らかにした。
レビット報道官は記者会見で、「100万人余りの職員が、直属の上司または管理職に5項目を送信する極めてシンプルな作業に参加することを選択したと発表できる」と記者団に語った。
24日深夜を期限とするマスク氏のメール返信要請は、連邦機関全般に混乱を引き起こし、国防総省や国務省、国土安全保障省を含む多くの機関が職員に指令を無視するよう指示した。100万人という数字は、約240万人の連邦職員のうちメールに返信した人が半分弱だったことを示唆する。
マスク氏は、返信しなかった職員は退職したものと見なすと述べたが、ホワイトハウスの指針では全ての人事決定は各機関に委ねられることになっている。レビット報道官は25日、雇用と解雇に関する決定は各機関が行うことを明確にした。
一部の機関が返信を控えるように職員に通知したことについて報道官は「当該機関にとって最善の形であり、大統領もそれを支持している」と述べた。
マスク氏は24日夜遅く、職員に対するメールへの返信要請をさらに強め、指令に応じるチャンスをもう一度与えるが2度目も返信しなければ解雇されると警告した。
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米国のトランプ大統領は26日、政権が発足してから初の閣議をホワイトハウスで開き、実業家イーロン・マスク氏の主導で連邦政府機関の規模を縮小する取り組みを全面的に支持した。政権の意思統一を図ったとみられる。
トランプ氏は、マスク氏が全職員に仕事の成果を回答するようメールで求めたことを念頭に「不満を持つ人がいるなら追い出す」と述べた。メールは政府内に混乱を招いたが、マスク氏への反発を抑え込む狙いがあったようだ。トランプ氏は、マスク氏がトップを務める「政府効率化省(DOGE)」の対応について「最も重要だ」と強調し、各閣僚に政府職員の人員削減を加速するよう求めた。
マスク氏は閣僚ではないが、閣議への出席を認められた。トランプ氏から発言を促され、「このままでは米国は破産する」と述べ、政府予算を1兆ドル(約150兆円)削減する目標の達成に向け協力を求めた。全職員に送ったメールは、業績評価ではなく職員の勤務実態を調べるためだったと釈明した。政権は26日、一層の人員削減を進めるため、各省庁に組織再編計画の作成を命じた。
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アメリカのトランプ大統領は27日、中国からの輸入品に3月4日から新たに10%の追加関税を課す意向を示しました。
中国に対してはすでに2月4日から10%の追加関税を課していて、上乗せされる関税はあわせて20%になるとしています。
これはトランプ大統領が自身のSNSで明らかにしたもので、中国からの輸入品に来月4日から新たに10%の追加関税を課すとしています。
フェンタニルなど薬物の流入が続いていると主張していて、十分な対策がとられなければ措置を発動する意向を示しています。
中国に対してはすでに2月4日から、品目ごとに異なる関税率に一律に10%を上乗せする追加関税を課していて、トランプ大統領は記者団に対し「10プラス10だ。つまり2番目の10だ。最終的に薬物の流入は止まるだろう」と述べ、上乗せされる関税はあわせて20%になるとしています。
また、メキシコとカナダからの輸入品に対する25%の関税措置については、発動を1か月間停止していますが、中国と同じ理由で来月4日に発動するとSNSで明らかにしました。
さらに、貿易相手国がアメリカに対して高い関税を課している場合、その国からの輸入品への関税を同じ水準に引き上げる「相互関税」について、4月2日に導入する考えを改めて示しました。
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米実業家イーロン・マスク氏が進める連邦政府の予算削減策が迷走している。26日の閣議で、対外援助事業を担う国際開発局(USAID)のエボラ出血熱予防策を中止した後「復活させた」と述べたが、ワシントン・ポスト紙は予防策が停止したままだと現職職員が証言したと報じた。
マスク氏が事実上率いる組織「政府効率化省」は強引な手法で大幅な支出削減を進め、物議を醸している。連邦政府の縮小を図るトランプ大統領は擁護するが、政権が必要だとみなす業務も滞っていることが浮き彫りになった。
マスク氏は閣議で「私たちは間違いを犯す。完璧ではない」と認め、一例としてエボラ出血熱予防策をいったん中止してしまったが、すぐに再開させたとして「中断はなかった」と主張した。「出血熱の予防策は誰もが望んでいることだ」とも語った。
だがワシントン・ポストによると、USAIDの現職職員や元高官は出血熱対策は全面的に停止していると証言。流行対策で関連組織に支払いがされていない状況もあると指摘した。
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ベッセント米財務長官は、メキシコが米国の対中関税に合わせることを提案しているとし、数日内にメキシコ製品への関税賦課が回避される道筋があることを示唆した。同時にカナダにも同様の対応を促した。
ブルームバーグ・テレビジョンとのインタビューで「メキシコ政府が提案した非常に興味深い案の一つは、おそらく米国の対中関税に合わせることだ」と指摘。「カナダもそれを行えば、中国輸入品の洪水から守る『北米の要塞』を持つことが可能で、良いジェスチャーになる」と語った。
ベッセント米財務長官は、カナダがメキシコの提案に賛同し、米国の対中関税に合わせることは「良いジェスチャー」だと述べた。Source: Bloomberg
これに先立ち、ブルームバーグは事情に詳しい関係筋の話として、メキシコはトランプ米政権による関税発動の回避を目指し、中国からの輸入品に対する関税を引き上げ、米国からの輸入を増やす方法を見つけることに前向きになっていると報じていた。
メキシコのシェインバウム大統領がトランプ政権との継続的な協議の一環として、この申し出を行う予定だという。公に話す権限がないとして関係者の1人が匿名で語った。
ベッセント氏の発言を受け、メキシコ・ペソは下げ幅を縮小し、2月28日終盤の取引では1ドル=20.51ペソとほぼ横ばいになった。
北米全体で関税率を合わせることがどのように機能するかは現時点で不明だが、メキシコおよびカナダの対中貿易への影響は大きいとみられる。
メキシコの計画に詳しい関係者の1人は、メキシコが中国に関税をかける可能性があるのは、自動車と自動車部品が中心になると指摘。別の関係者も完成品が対象に含まれる可能性があると述べた。
メキシコ経済省はコメントを控えた。
ラトニック商務長官らトランプ政権高官は、ワシントンで先週20日に開かれたエブラルド経済相をはじめとするメキシコ代表団との会合で、中国からの輸入品に独自の関税を課すべきだと伝えていた。
協議に詳しい関係者2人は、安全保障と違法薬物対策に関する米国とメキシコの協議は、貿易と関税よりも進んでいると明かした。
カナダは昨年夏、米国の政策に歩調を合わせる形で中国製の電気自動車(EV)や鉄鋼、アルミニウムに対し新たな関税を課した。12月にはレアアース、半導体、太陽光パネルなどの中国製品に対する関税第2弾を確約していたが、まだ実施されていない。関係者によると、トランプ氏との交渉カードとして使用される可能性もあるという。
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アメリカのトランプ大統領が麻薬の流入を理由に、中国への関税をさらに10%上乗せすることを表明したことに対し、中国政府は「責任転嫁だ」と強く反発しました。
トランプ大統領は27日、アメリカに合成麻薬「フェンタニル」が流入し続けていることを理由に、来月4日からメキシコとカナダに25%の関税を課し、現在10%の追加関税を課している中国に対しては、さらに10%を上乗せすると表明しました。
これを受け中国商務省は、「中国は麻薬の禁止に関し世界で最も厳しい政策を実施しているにもかかわらず、アメリカ側は客観的事実を無視し、再び関税を引き上げると脅している。そのような行為は単なる責任転嫁だ」と強く反発しました。
その上で、「中国はアメリカが誤りを重ねず、平等な対話を通じて問題を適切に解決する正しい道に早く戻ることを望んでいる」と対話を求めた一方で、「アメリカが一方的に突き進むのであれば、中国はあらゆる報復措置を講じることになる」と強調しました。
中国では来月5日から日本の国会にあたる全人代が開かれ、トランプ政権への対応が主要な課題の一つになるとみられます。
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トランプ氏は「以前は日中の首脳に電話をかけ、『不公平な通貨切り下げを続けることはできない』と伝えてきた。だが、私がすべきなのは『関税を少し上げる必要がある』と伝えることだけだ」と述べた。今後は関税引き上げを交渉材料に通貨安の是正を促していく考えを示した。
トランプ政権は、米国に高率の関税を課す相手国に同程度の関税を発動する「相互関税」の導入を計画する。政府高官は、新たな関税率を算定する際にドルに対する不当な通貨安も考慮するとしている。
一方、加藤勝信財務相は4日の閣議後記者会見でトランプ氏の発言について「通貨安政策は取っていない。先般の為替介入を見てもらえば理解してもらえる」と反論した。林芳正官房長官も同様の見解を示し、「(日米間で)引き続き緊密に議論していく」と語った。
政府・日銀は昨年、過度な円安の是正に向け、円買い・ドル売りの為替介入を複数回実施している。
トランプ氏は2017~21年の1次政権時代に日中の通貨安を問題視。安倍晋三首相(当時)や中国の習近平国家主席に通貨安の是正を直接求めたと語っていた。
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アメリカのトランプ大統領が中国への追加関税を20%に引き上げたことについて、対抗措置を発表した中国政府は「とことん戦う」として強く反発しています。
中国政府は4日、トランプ大統領による追加関税の対抗措置としてアメリカからの鶏肉や小麦などの農産物に最大15%の関税を課す方針を発表しました。
これについて中国外務省の林剣報道官は、「完全に自らの権益を守るために正当で必要な行動だ」と徹底抗戦する構えを見せています。
中国外務省 林剣 報道官
「アメリカにもし他のたくらみがあり、執拗に関税戦争、貿易戦争などをしかけるなら、中国はとことん戦う」
また、アメリカが関税の引き上げを合成麻薬の流入を理由としていることについては、「中国は問題の解決を手助けしたにも関らず、恩をあだで返した」と反論。
「麻薬の問題を解決したいのであれば中国側と協議して懸念を解決すべきだ」と主張しました。
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トランプ米大統領は東部時間4日未明(日本時間同日午後)、カナダとメキシコからの輸入品に新たに関税を賦課し、中国からの輸入品への関税率を倍に引き上げる措置の発動に予定通り踏み切った。米国としては1930年代以来の大規模な関税措置で、貿易戦争の劇的なエスカレーションによって、主要貿易相手国との関係を覆すことになりそうだ。
具体的にはカナダとメキシコからの輸入品に25%の関税を課し、中国産品については関税率を現行の2倍の20%とする。カナダからの輸入のうちエネルギーには10%の関税率を適用する。全体で年間約1兆5000億ドル(約223兆円)相当の輸入品が対象となる。
新たな歳入を確保するとともに、国内で製造業雇用を創出するため、輸入関税を活用する方針に揺るぎがないことを市場に明確に示す動きとなるが、中国とカナダは早速これに報復。メキシコも同様の措置を打ち出すと考えられる。また、法的措置を招く可能性もある。
カナダは1070億ドル相当の米国産品に段階的課税を実施する。中国は鶏肉や綿花などの米国産農産物に最大15%の関税を課し、大豆や牛肉、果物には10%の関税を賦課すると、米国の措置発動直後に発表した。今月10日に発効する。また、防衛関連を中心に米企業10社を「信頼できないエンティティー」リストに追加するとした。
中国はさらに、今回の米国の関税について世界貿易機関(WTO)に提訴するとしたほか、ゼネラル・ダイナミクス・ランド・システムズなど防衛関連企業15社を輸出規制リストに加える。
トランプ氏自身が政権1期目に再交渉した「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の先行きが危ぶまれ、北米3カ国にサプライチェーンが交錯する自動車産業に大きな影響が予想される。
さらに、米国では製造業活動に停滞の兆しが見られ、消費者景気信頼感が悪化する一方で、インフレ抑制の進展は滞っている。米株価も他国・地域に見劣りする状況にあって、トランプ政権による一連の関税措置は米経済のストレスを一層高めるリスクがある。
トランプ氏が3日、カナダとメキシコについて、一時的猶予を交渉する「余地は全くない」と述べたのを受け、米株式市場では売りが加速し、S&P500種株価指数は1.8%安で終了。4日のアジア市場にも株安の流れが波及した。外国為替市場では、カナダ・ドルとメキシコ・ペソが対米ドルで下落した。トランプ氏は両国に対する関税賦課を2月にいったん延期していた。
米エール大学の超党派政策研究センター「the Budget Lab at Yale」が3日公表したリポートによれば、今回の措置の結果、米国の輸入関税率は平均で1943年以来の高水準となる。米家計には最大2000ドルの負担増となり、特に各国の報復があれば、米景気の大幅鈍化につながるとしている。
報復措置は迅速で、カナダ政府は3日遅く、米国製製品に対する包括的な対抗措置を発表した。その第1弾は、米国からの輸入品約300億カナダ・ドル(約3兆860億円)相当に対する25%の関税で、米国の課税と同時に発動される。同率の第2弾は3週間以内に1250億カナダ・ドルの製品に課される予定で、そのリストには自動車やトラック、鉄鋼、アルミニウムなども含まれる。
トルドー首相は3日夜の声明で、「カナダはこの不当な決定を放置しない」と指摘。同国の報復計画は、トランプ氏が広範な関税を課す大統領令に署名した後に発表したものと同じだ。
一方、中国財政省は4日の声明で「米国の一方的な関税引き上げは、多国間貿易システムに打撃を及ぼし、米国の企業と消費者の負担を増大させ、中米間の経済・貿易協力の基盤を損なうものだ」と表明した。
トランプ氏は中国の習近平国家主席と話をしたい意向を示しているが、トランプ氏がディール(取引)の交渉のための電話会談の可能性を提起してから1カ月が経過しても、まだ実現していない。
メキシコのシェインバウム大統領は3日、報復措置を打ち出す前にトランプ氏の決定を待つと言明していた。
バイデン前政権の経済運営に対する有権者の不満が、トランプ氏のホワイトハウス返り咲きの原動力の一つとなっただけに、新たな関税措置は危険な一手と言えそうだ。最近の世論調査では、有権者がトランプ氏にインフレ対策強化を望んでいることが示された。
トランプ氏の関税政策を巡っては、インフレ加速を招く一方、同氏やその盟友が予想するような歳入増にはつながらないと複数のエコノミストが警告。だが、政権1期目に成立した減税の延長を目指すトランプ氏はこうした懸念をはねつけてきた。
なおトランプ氏は米東部時間4日夜(日本時間5日午前)に上下両院合同会議で演説し、政権2期目の優先施策を打ち出す予定だ。
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