ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

あかね書房の少年少女世界推理文学全集~全20巻とうとうコンプリート!

2015年09月13日 | ミステリー小説
 昨年12月に「この全集やっと17冊」、つまりコンプリートまであと3冊と本ブログで紹介したが、この度その3冊を入手し、とうとう全20冊を揃えることができた。リアルタイムに子供の頃自分で買った3冊(その一冊「エジプト十字架の秘密」が一番すり切れている)に加えて、外箱のあるものないもの、きれいなものそうでないもの、かつてどこかの図書館所蔵だったものなど、いろいろだ。   

 十数年前に住んでいた道南の某町の図書館にこのシリーズが置かれていた。またその隣の町の某病院の待合室にも「魔女のかくれ家」など数冊があるのを見た。自分が子供の頃に熱中した本がこんなに身近にあるということで、たくさん出回っているのだろうと思っていたが、いざ集めようと決めたらなかなか目にすることがなかった。そのため新たに17冊を集めるのに10年以上の歳月と結構な費用をかけることになったが、とうとう達成することができた。大変嬉しい限りである。

 コンプリート前の3作とは「バンダイン作・エジプト王ののろい/スコッチ・テリアのなぞ」「ウールリッチ作・非常階段/シンデレラとギャング」「チャータリス作・あかつきの怪人/チャンドラー作・暗黒街捜査官」で、いずれもネット・オークションを通しての入手である。私のように欲しい人がいれば、手放したい人もいるということがよくわかった。特にこれら3冊は小学生時代に読むことができなかったので、ほぼ50年ぶりに目的を果たすこともできた。

 このシリーズ、少年少女向きにリライトされているが、ウールリッチの短編「シンデレラとギャング」については集英社文庫の世界の名探偵コレクション10「ホテル探偵ストライカー」の中に収録されていて、それと見比べると訳文がほとんど変わらない。短編についてはほぼ原作どおりに訳されているようだ。しかし長編はコンパクトにまとめられている。だがクイーンの「エジプト十字架の秘密」を見るとわかるが、推理小説として重要な手がかりとなる部分は省かれておらず、そうした点をしっかり把握しながらまとめるのは逆に大変だったのではないかと余計な心配をしてしまった。

 最後に全20冊をひととおり読んでみた中でのトップ3を。第1位「ホイットニー作・のろわれた沼の秘密」第2位「ミルン作・赤い家の秘密/ルルー作・黄色いへやのなぞ」第3位「カー作・魔女のかくれ家/二つの腕輪」、次点が「クイーン作・エジプト十字架の秘密・十四のピストルのなぞ」。どれもワクワクしながら読んだ作品だがやはり子供の頃に読んだ作品の方が印象深いようだ。

 いずれにせよ、この全集が私のトレジャー・ボックスに加わったことを密かな喜びとしよう。


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。