香港国際空港の到着ロビーに集まってきたデモ参加者(8月9日、写真:ロイター/アフロ)
香港で市民デモが始まって、もう3か月になります。
中国本土への容疑者引き渡し条項に反対し、香港政府は6月中の条項法可決を断念しましたが、香港市民は現香港政府を信用していない様子です。
その背景には、天安門事件など、中国共産党政府が、人権を理解せず、権力者に都合の悪い人間は、非人道的に消されることを知っているからです。
かなりの長期に渡っていますし、最高200万人の参加者ですので、香港市民の約3分の1が参加しています。
幸福実現党の釈量子も現地入りし、その様子をLiberty webで報告していました。
https://the-liberty.com/article.php?item_id=16210
世界も動いています。
アメリカでは、米専門家組織が、香港デモ隊への支援を求める公開提言をトランプ大統領に提出した話題が、これまたLiberty webが報告しています。
https://the-liberty.com/article.php?item_id=16212
米連邦議会では、共和・民主両党が党派を超えて、「もしも中国政府が、香港市民に危害を加えるなら、中国・香港両政府の関係者の米国内資産を凍結する法案」を作成中とのこと。
トランプ大統領も、中国政府に、たびたび公開でメッセージを発しています。
しかし解せぬのは、日本の国会の冷たい態度と、日本のマスコミから、「こうあるべきだ」という意見が発表されないことです。
Liberty webだけは、香港問題を刻々と伝えているし、幸福実現党からは、及川幸久外務局長らが動画配信などで伝えていますが、他のマスメディアは、まるで他人事です。
そんな中、東京の新橋駅前で、香港からの留学生が、切々と「香港の市民デモに関心を持ってください。」と訴えていました。
彼らは大学生。
私の2人の子どもと、同年代です。
The Factで、そんな彼らを見れば、みんなマスクをして、顔が見えないようにしています。
これは日本国内で見れば、違和感の多いいで立ちですが、「顔が見えたら、故郷に帰れば捕まってしまう。」ということだし、「残してきた家族が危ない。」ということですよね。
とてもかわいそうです。
空港でデモが行われることに、「迷惑かけるな。」というコメンテーターがいましたけれども、「空港だと、香港警察が手荒な真似をしない。」という事情があることを、日本のニュースで語られるところを見たことがありません。
「香港に口を出すのは、内政干渉」という意見を聞いたことがありますが、しかし、人としてやってはいけないことに、国の違いなどあるのでしょうか?
たとえば、たびたび話題になる児童虐待などで、子どもが虐待死したときなどは、児童相談所や警察に、「事前に何とかならんかったのか!」と問い詰めるでしょう?
いくら、「家庭内のしつけの問題だ!」と言われようが、子どもを虐待したり、死に至らしめることは、人としてやってはいけないことだからです。
究極的には、子どもは親のものではなく、子どもの命は、また子供の人生は、その子自身のものであるはずです。
国においても、同じではないでしょうか?
やはり米国議会のように、中国共産党政府に、「香港市民に、手荒な真似をすれば、〇〇を××する。」と、きちんと警告するべきだし、同様に、チベットやウィグルや内モンゴルなどで行われている非人道的な国家行為も、この世界から消えていくように、努力していくべきです。
本日はLiberty webより、関連記事をご紹介いたします。
(ばく)
香港人留学生たちが新橋駅前で日本人に支援を訴えるデモ【ザ・ファクトREPORT】
20190902 香港デモの火炎瓶の犯人とアグネス・チョウの勝訴【及川幸久−BREAKING−】
「香港を見捨てないでください!」 新橋駅で叫ぶ香港人学生の日本愛
2019.08.27 https://the-liberty.com/article.php?item_id=16195
「日本人よ、助けてくれませんか!(言葉ママ)」
8月初旬、記者が所用で新橋駅を訪れると、SL広場で黒いマスクをした若者たちが、涙声で叫んでいた。掲げられた「赤地に白い花模様」の旗と、たどたどしい日本語から、彼らが香港人であることはすぐに察しがついた。
香港における、「逃亡犯条例」改正撤回を訴える抗議活動は、血みどろの様相を呈している。警察は平和的なデモ参加者たちに、至近距離からゴム弾や催涙ガスを撃ち込み、倒れ込む人々や、警棒などで殴られ血を流す市民の姿も報じられている。
SL広場に立つ若者たちからは、現場の香港とつながっているような緊迫感がひしひしと伝わってきた。
「諦めたらそこで試合終了」
「香港で戦っている友達に、(日本人の)応援する気持ちをどうしても伝えたいです! 向こうはとても厄介な敵とは知っていますが、『諦めたらそこで試合終了』です! みんなの力がある限り、みんなと共にいるからこそ、勝てます! どうか我々に中国共産党と戦う勇気と力を貸して下さい!」
ある若い男性は、人気バスケットボール漫画「スラムダンク」のセリフを引用して訴えた。そこからは、強い日本愛と、無関心な日本人を振り向かせようとする努力がにじむ。
同時に際立っていたのは、彼らの半径10メートルより外が、あまりにも「いつもの新橋」だったということだ。屋外ビジョンから流れるCMの音、駅ホームの放送音、友人と待ち合わせをする女子大生、演説を遠目から撮影するサラリーマン、ムスッとした顔で話者の目の前を突っ切る老人──。
彼らは、何を感じながら、"冷めた日本人たち"に語りかけているのだろうか。素朴に知りたくなり、後日、改めて取材することにした。
「雨傘革命」で一度は見切った祖国
スラムダンクを引用していたのは、日本に留学している男子大学生。名前は明かせないので、以下Aさんと呼ぶ。
Aさんは2014年、「雨傘革命」に参加した。とはいえ、当時はまだ中学生。座り込みなど、危険のない形でデモに加わった。しかし、民主派が訴えた「自由な選挙」は実現せず、"革命"が失敗した絶望感は、深く記憶に残っているという。
「どうせ中国には勝てない。香港の未来は絶望的」
そう考えた少年は、将来は香港を出ることを決めた。その先に選んだのが、日本だった。小さいころから、「ドラえもん」や「進撃の巨人」などの漫画・アニメで親しみがあったことが大きな理由だという。
大学生となったAさんは無事、日本に留学。日本語を学びながら、北海道旅行など、日本を満喫していた。
「温泉が気持ち良かったし、海鮮も好きです」
生配信の先で戦う友人たち……
そんな中で始まったのが、「逃亡犯条例」改正反対の抗議活動だった。Aさんは当初、「また負けるのかな」と諦めの目を向けていたという。
しかし同時に、隙間時間は現地の状況を伝える生配信から目が離せなくなっている自分もいた。そこでは、昔の同級生や後輩たちが、デモに参加して、警察と戦っていた。
「どうして自分はあそこじゃなくて、日本で気持ちよく暮らしているのだろうという、罪悪感がありました」
ある時、友人が怪我をして入院したという連絡も入ってきた。またある時、デモに参加していた後輩の女の子に、身の安全を気遣う連絡をすると、「もう怖くない。犠牲は覚悟の上です」と返事が来た。
気持ちが、抑えられなくなってしまった。
「日本にいる私は、現地のデモには"参加"できない。でも、日本語を話せるなら、日本人にこのことを伝えるのが、私の役目ではないか」
こうして、同じような葛藤を抱える香港人留学生や、香港を支持する日本人や台湾人と連絡を取り合い、東京都内での演説活動をするようになったという。
「中国本土に、自由を教えよう!」
Aさんは演説の冒頭、「新橋の皆様、邪魔してしまい申し訳ございません(言葉ママ)」と、一言添える。しかしその言葉は、次第に熱を帯びていく。
「中国でSNSは使えません! フェイスブック、インスタ、ツイッター、ラインまでもが使えない。間もなく香港も、そんな場所になっちゃうんです!」
「もっとニュース見ようよ! せっかく自由があるのに!」
「日本人よ、見捨てないでください!」
「天国に行った仲間たちのため、一生治らない怪我をしちゃった仲間たちのため。彼らの分まで、頑張らないといけないんだ! 解放軍なんてかかってこい! 脅しなんて効いていません! 怖くないです! 彼らの犠牲は意味があることだと、香港人はここで世界に証明してみせます」
「香港はたった今、夜明け前の時間。空は一番暗いです。朝日はきっと私たちを待っているでしょう。僕はそう信じています!」
「これから積極的に、自由のよさを中国人に教えてやろうじゃないですか! 中国本土に、香港人が何のために行動しているのか、教えてやりましょう! 中国本土へ我々の信念を流出させましょう! 敵の内部から、噴火します! それこそ勝ち目があります! それは、日本の皆様も手伝ってもらえませんか!」
見て見ぬふりをする日本人、不快な目を向ける中国人観光客──。圧倒的な「アウェイ」の中、力強い演説を終えたAさんは記者にこう語った。
「こんなスピーチでも、少しでも力に……(声をつまらせる)。私はちゃんと自分の役目を果たしたかな……」
「日本を信じている」
香港人留学生たちを取りまとめ、お世話などをしているのが平野鈴子さん(25歳)。約2カ月間、彼らと過ごしてきた感想をこう語る。
「彼らは、祖国のためだったら死ねるという覚悟をしています。そんな子たちが、日本の原宿でタピオカを飲んでいる男の子、女の子と何一つ変わらないっていうのは……言ってしまえばショックでした」
平野さんも演説に加勢し、他の日本人に訴える。
「どうか香港に関心を持って下さい! 皆様が香港に関心を持つことが、圧力となり、香港を守る道筋になります。ここにいる子たちを、見殺しにしないで下さい! 今、(「逃亡犯条例」改正が)撤回されなければ、ウイグルやチベット、モンゴルのように、この子たちは収容所に入れられ、言論の自由もなく、殺されます!」
活動の様子をSNSで見つけた香港人からは、「香港と一緒に戦ってくれてありがとう。あなたのいる日本が大好きです」といった感謝のメッセージが何千件も寄せられたという。
「あの子たちも言うんですが、香港だけだったら勝ち目がない。香港 対 中国だったら勝ち目がないですから。でも、世界が香港側につけば変わる可能性は高い」(平野さん)
日本政府は今、香港情勢について静観を決め込んでいる。特に安倍政権は2020年春、習近平・中国国家主席を国賓招待する。"余計な口"は出したくないところだろう。
それでも、日本は最後、香港を救うだろうか──。そうAさんに尋ねると、こんな答えが帰ってきた。「信じています。香港と日本はいい友達なので」
(馬場光太郎)
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