日産フェアレディ―Z(初代・通称S30 1969~1978年)
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私(ばく)が代表管理人をするこのブログ、分類上は幸福の科学の布教ブログのはずなのに、ほとんど宗教に関する話題がありません。(爆笑)
あはは、すみません。ここの管理人は、悟っていないんです。(さらに爆笑)
代表管理人の趣味と、ストレス解消を兼ねて(笑)たまに日本車に関する記事を書きますけれども、宗教ブログに属しておりながら、結構多くのアクセスをいただいております。
感謝感激、雨あられでございます。m(_)m
ですが自動車というのは、高額商品であり、実用性と突出した趣味性を併せ持つ、極めてレアな商品ですので、存在そのものが、様々な社会データの塊なんです。
今日は仕事が忙しかったので、ちょっとへばっておりますし、「やっぱ、自動車の記事なら、スポーツカーでしょ!」という気分でもございます。今日は、スカッと爽やかに、気分良く、私の大好きなスポーツカーうんちくに、なるようがんばります。(^v^)
今日の話題は、日本のスポーツカーの代表選手である、日産フェアレディーZです。
初代フェアレディ―Zは、アメリカで50万台以上の大ヒットとなり、北米で最も売れたスポーツカーとして、今も記録保持しているとのことで、その大ヒットから、成功の秘訣をサンプリングしたいと思います。
初代Z、ほぼ同時期トヨタ2000GTとライバル視されることも多いのですが、フェアレディーZとトヨタ2000GTは、キャラクターコンセプトが全く違うと思いますね。
トヨタ2000GTが、当時の日本の技術を世界に示すことが、開発と販売の目的であるならば、フェアレディーZは、日本のスポーツカーを、できるだけ多くの人たちに味わってもらうことが、開発の目的だったと思います。ですから両車は、ライバルではなく、別分野の商品だったと思うのですね。
トヨタ2000GT(1967~1970年)
お店で出す料理でたとえるならば、トヨタ2000GTが、「どれだけ美味しい料理が作れるか。」に挑戦した作品であって、Zは、「美味しい料理を、いかにたくさんの方に、実際に食べていただけるか。」に、スポットが当たっていたと思うんです。そのコンセプトは、当時の日本にとって、両方必要だったと思うのです。
フェアレディーZの代表格と言えば、S30と呼ばれるこれですね。
(Z30 約1万ドル)
グッドデザインです。しかし、トヨタ2000GTのように、細部まで追い込んだような仕上げにはなってはいません。
フェアレディーZは、238万円もしたトヨタ2000GTに比べ、最も安いモデルで84万円と格安でした。(最高モデルZ432は、182万円)手作りの2000GTと比較したら気の毒ですが、製板等の面で、コストの制約があったことは確かだろうと思います。
さて、なぜフェアレディーZは、そんなに売れたのでしょうか?特にアメリカ国内で、なぜそれだけ、評価を受けたのでしょうか?
答えは簡単です。デザインと、性能が良かったからです。さらに価値観を加えるならば、価格が安くて、速くて、高品質だったからです。言わば、このS30型フェアレディーZは、スポーツカーのカローラ、つまり、スポーツカーの世界基準車だったのです。
しかしそれだけではありません。フェアレディ―Zで、この分野に、新たな価値の創造が成されたからなのです。
それは何か。
簡単に申し上げるならば、当時のポルシェを、3分の1の値段でブチ抜けたからです。
(ポルシェ911 通称ナロー 約3万ドル)
それは商品開発や企画段階において、偶然の産物だろうと思います。
日産自身が、ひょっとしたらそれに気づいていにかもしれませんが、結果的にそうなってしまいました。
当時排気量2000ccクラスで、最強の自動車は、ドイツのポルシェ911です。ポルシェは、自社製品が公道最速であることに、常にこだわります。
カタログデーターには無頓着で、「実際に一般道を走れば、我々が一番速い。」ということが、彼らの真骨頂なんですね。それは、かつてのスーパーカーブームの時でもそうでしたし、今でも同じ企業コンセプトです。事実、フェアレディーZが登場したときも、公道最速車の座には、ポルシェ911(ナロー)がいたわけです。
カタログスペックでは、ポルシェ911の方が速かったし、実際に走らせても、911の方が速かったのです。
しかし、これには前提条件がありました。
それは・・・、運転者が、プロ級に運転技術がうまければ・・・という条件です。
プロ級の腕前を持つ人が、ポルシェ911とフェアレディーZを運転すれば、圧倒的に911の方が速いのです。
しかし現実問題として、プロ級の運転技術を持つ人というのが、市中にどれだけいるでしょうか?(笑)
そうなんです。一般ドライバーというのは、どこの国だって、そこそこの腕前の方が大半なわけですよ。(爆笑)
ポルシェ911は、重い6気筒エンジンを車体後方に積む、リアエンジン・リアドライブ(RR)という、今ではかなり特殊な車体構造を持ちます。
リアエンジンリアドライブ(RR) 車体後方に、重心がある。
RRの特徴は、重心が後ろにあることです。加速する時、荷重は後ろに移動します。そう、自動車は必ずウィリー状態になるんです。ですから後方の重いRR車は、発進や追い越し加速が得意です。
RR車は、しっかりと駆動力が、地面に伝わるのです。
自動車の動きは、加速と減速の連続ですので、加速と減速が速い車が、公道では一番速いのですね。理論上は・・・。
しかし後ろが重い・・・ということは、前は軽い・・・ということですね。
そう、フロントタイヤに荷重が少ないので、RR車は、前輪の接地性が悪いんです。
となると、カーブでは、「単純にハンドルを切ってただけでは、車体は曲がってはくれない現象」が起こるんです。
これを、アンダーステアと言います。
ですから、ポルシェ911に限らずRR車では、高速でコーナーリングしようとすれば、十分に速度を落として、車体を前のめりにして、十分に前輪を接地させないといけません。でないと、カーブを曲がれず、最悪激突の憂き目に・・・という欠点があり、だからこそポルシェは、伝統的にブレーキに、コストをかけていると思います。
そしてコーナーを曲がり始めると・・・、実はここからが大変でして・・・、RRに限らず、後輪駆動車というのは、ある一定のスピードを超えると、後輪が横滑りするんです。っていうか、後輪が横滑りしているから、後輪駆動車は、コーナーを曲がれるんですね。
今主流の前輪駆動車(FF車)であれば、基本的にハンドルを切った方向に曲がろうとしますので、こういう苦労はありません。曲がり切れなくなったら、スピードを落とせば良い訳です。
後輪がドンドン外に逃げて、曲がりすぎることをオーバーステアと言いますが、この時にハンドル操作を誤れば、スピンするわけですね。
RR車は後ろが重いので、このときの遠心力がハンパないわけです。
ポルシェ911のコーナーリングは、ど!アンダーステアと、ウルトラハイパーオーバーステアが、一つの空間に同時に共存する、極めてスリリングなもので、高度な運転技術を要するものだったのです。
また厄介なことに、ポルシェ911のエンジンは、水平対向型という特殊な形式で、コンパクトで重心が低くできるのですが、構造上の特性や吸排気系統の関係で、当時は「低回転では力が出ず、高回転まで回らない」という欠点がありました。
ですから初期のポルシェ911は、普通の技術ではコーナーを曲がれないか、もしくはスピンしやすかったですし、コーナーで速度を十分落としながら、エンジンは一定の回転数が維持できる技術が必須でした。
一方の日産フェアレディーZは、重い6気筒エンジンは同じでしたが、車体前方で車体のほぼ中心に置く、フロントミッドシップという、現在では結構主流の、バランスが良くオーソドックスな形態でしたので、とても扱いやすかったのです。
エンジンも、一瞬のパワーはないけれども、どこからでも力の出るタイプで、しかも頑丈でした。日本人は、つまらない故障を嫌う国民性ですから、タフなエンジンを作ります。
フロントミッドシップのFR車
こういう前提条件のもとに、市中レベルでポルシェ911と、日産フェアレディーZの対決をシミュレーションすると、さあどうなるか・・・ですよ。
実はポルシェ911が、フェアレディーZに追い抜かれるシーンというのが、ふんだんに出てくるんですよ。(爆笑)
1969年のフェアレディーZは2400ccで150馬力。一方、同年のポルシェ911は、2000ccで160馬力です。
確かに性能差は確かにあるのですが、絶対的なものではなく、性格は全く違うので、一般ユーザーレベルの運転スキルならば、フェアレディーの方が扱いやすくて、速く走れる事の方が多いのです。
実際に、ポルシェのほうが高性能なのに、フェアレディーZに負けるシーンというのが、全米で展開されたんですね。
ポルシェ911ナローの価格は、S30フェアレディーZの3倍です。3倍の価格の自動車を抜き去ることができる、日本の美しきスポーツカーこそ、日産フェアレディーZの醍醐味であり、商品としての本質だったのです。
「3倍の価格の車を、運と運転次第では、抜き去ることができる。」ここに、フェアレディーZが生み出した、新たな付加価値が生まれました。そしてフェアレディーZは、スポーツカーの世界基準車となったのです。
また2000ccクラスは、当時の日本なら最上級車です。ですから当然ながら、自動車としてのクオリティーも、当時の最高クラスであったのも、フェアレディーZの商品価値を上げました。
(S30フェアレディZの内装)
しかし、公道最速にこだわるポルシェも黙ってはいません。その後911はエンジンの排気量を上げ、絶対的な性能と、コーナーリングの向上に努めました。公道最速の座は、ポルシェの代名詞であり、絶対に譲れなかったのです。
もちろんフェアレディーZも、アメリカでは、排気量を2400ccに、最後は2800ccまで、エンジンの排気量を上げてきました。(笑)
美しいスタイルや、お手ごろ価格だけがフェアレディーの本質ではなく、基礎技術があるがゆえに、何倍もの価格差のある上級車を、実際に追い抜くことができることが、フェアレディーZの商品としての本質だと思います。
今もフェアレディーZは、現役で生産されていますが、僕には日産自動車に迷いを感じます。ひょっとしたら、フェアレディーZの、日産側のコンセプト、お手ごろ価格の普及型スポーツカーとしてのフェアレディーZしか、見えていないのではないでしょうか?
現在のZも、スタイルは一線級です。
お値段も、370万円~570万円と、まずまず、スポーツカーとしてはお手ごろです。しかしエンジン出力は、336馬力しかありません。
336馬力あれば十分だろう・・・と思うかも知れません。この価格で336馬力もあれば、お手ごろなんちゃってスポーツカーコンセプトならば、確かに十分でございます。
しかしこれでは、現代のポルシェ911ターボを追い抜けません!(笑)
今の日産には、GTRという商品があり、570馬力で、特殊な4輪駆動システムを持ちます。
このGTRのエンジンと、4輪駆動システムを、フェアレディーZの美しいボディーに、組み込むべきだと私は思いますね。
日産GTRのメカニズム
さすれば、フェアレディーZの価格は1000万円を超えるでしょう。しかしフェアレディーZは、ポルシェ911ターボを抜き去ることができます。また、アストンマーチンだって、抜き去ることもできます。今のポルシェ911ターボも、アストンマーチンV12ヴァンテージも、価格は3000万円クラスです。
再び、価格3倍の高額スポーツカーを、抜き去るキャパシティーを、日産はフェアレディーZに与えるべきだと思います。それが、本来のフェアレディーZの本質であり、市場の顧客が求めているものなのですから。
「きれいでかっこいいだけなら、500万円だって惜しい。」という人でも、「3000万円の、ポルシェやアストンマーチンをぶち抜けるなら、1000万円だって惜しくない!」こういうニーズだって、結構あるわけですよ。(笑)
(アストンマーチンV12ヴァンテージ)
毎度おなじみ、脱線しまくり記事でしたが、新たなジャンルの創造は、大きな成功と富を生むという事例が、日産フェアレディ―Zの歴史的教訓からは見いだせると思うし、自身の強みと弱みを知って、そこから活路を見出す、孫子の兵法やドラッカーのマネジメント理論に近いエピソードも導ける可能性もあるんじゃぁないかと、私は密かに思っている次第です。
(ばく)
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