宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」にこんなくだりがある。
「本当にどんな辛い事でもそれが正しい道を進む中での出来事なら
峠の上りも下りもみんな幸福に近づく『一足づつ』なんですから」と。
本当に私もそう思う。
東北地方のある婦人。一面の雪の上を歩いていた。
暫く進んだ所でふと振り返る。
雪道に刻まれた自分の足跡が見えた。
婦人は思った。「進む道がどんなに険しくても負けずに一歩一歩生きてきた
私達家族の人生みたい」と。
純白の雪のように滑らかな生命、逞しい生命。
”苦難の冬は必ず春を迎える”のですから。
“朝の来ない夜はないのです”