六甲1号の出撃にっき

撮影ロケの出撃模様のほか、日々の雑感なんかも綴ったものです。

福山→姫路 気動車でゆく旅(前編)

2024-04-18 |  出撃 at 中国地方
 青春18きっぷ4・5回目は山陽地方へ向かうことにしました。
 どこに行こうかなと思ったのですが、初日の出発が午後になるため、そんなに遠くまでは行けないのと、2日目の天気が下り坂のため、午前中でミッションが終わって帰るような日程になります。

 姫路を20:30過ぎの普通に乗って岡山に着いたのが夜の22時なので、吉備線で2駅ほど乗ります。

 2日目の朝は新規下車の大安寺駅からスタートします。

 朝6時台の岡山行きの列車に乗ります。
 平日に休みが当たっている週は、このように地方の通勤通学風景を味わえます。

 岡山到着後は、8時半過ぎまで、朝ラッシュの電車発着風景を録りました。
 2日前にデビューした新型やくも号も早速やってきました。

 .岡山・広島県内最後の未踏破路線へ
 朝8時半で午前中のミッションを終えて、さてどうしようかと考えたんですが、少し西に足を延ばして呉線界隈まで行こうかとも思ったのですが、雨雲が西からやってきているので、そうだ、乗りつぶしをしよう! ということで、中国地方唯一の未踏破路線である、井原鉄道を乗り潰すことにしました。
 井原鉄道は岡山県の伯備線清音駅と広島県の福塩線神辺駅とを結ぶ41.7kmの非電化単線路線で、1~2両のワンマン気動車が運行されています。1999年開業の新しい第三セクター鉄道ということもあって、全線立体交差の面白くない鉄道かなというのが、乗る前からの先入観ですが、まぁ乗ってみましょう。

 ということで、岡山9:03発の糸崎行きに乗って福山では僅か3分の乗換え時間で10:06発の福塩線に乗り換えるのですが、瀬戸大橋線の遅れで岡山の発車が5分遅れてしまい、ハラハラしたのですが、山陽本線を爆回復運転ですっ飛ばして、福山には定刻の10:03に到着、急いで階段を下りて上って(福塩線ホームには階段しかない)最後は満開の福山城をバックに写真を撮れる余裕までありました。
 この福山線には国鉄時代とJRになってからそれぞれ1回ずつ乗っているのですが、前回いつ乗ったかの記憶が無いほど久々(多分20年以上)です。
 タイトルに気動車旅と書きましたが、厳密にはこの福山から2駅先の神辺がスタート地点になります。福塩線の福山からは1日に1本だけ朝8時台に気動車が乗り入れているので、それに乗れば完璧でしたが。

 10:19 神辺に到着、いよいよ井原鉄道に乗り換えます。
 実はJRのホームから乗換口を通って井原鉄道に乗り換えができるのですが、せっかく時間が7分もあるので、一旦橋上駅の階段を上がって改札口を通って、JRの駅舎から完全に出て、階段をまた降りた北側の井原鉄道神辺駅として入ります。

 これで駅の写真も撮れるし、下車駅としての正式なカウントが出来ます。乗換口で乗り換えると、他社連絡なので、JRの扱い上は下車となりますが、駅視点で見た場合は下車とみなしませんので、ここはわざわざ階段を登って下りて出ての手間が掛かりますが、こうして下車駅数を増やしているわけです。

 神辺から総社まできっぷを買います。
 乗車券を買う区間はJRとの接続点である清音までで良いんじゃない?と誰もが思うかも知れないのですが、実は清音-総社間に限り、乗る列車ごとに個別の社線の乗車券が必要なため、伯備線の1駅だけ乗るとしても青春18きっぷで井原鉄道の列車には乗れないのです。

 ホームにはすでに10:26発車の総社行きの列車がJRからの乗り換え客を待っていました。総社まで乗り換え無しで直通する列車は昼間の時間帯には僅か3本しかなく、全日でみても、22本中11本しか全区間を通しで走る列車がないので貴重です。
 キハ120とそっくり、というかほぼ同じですね。

 列車は神辺を出発すると福塩線と数百m並走した後に一気に右に急旋回して東に進路を取ります。ここからは新線区間になるので、平凡な立体交差の区間が続くと思います。多分。

 車内の様子。
 キハ120は300番台でもクロスシートは4ブロックしかありませんが、この井原鉄道の車両は倍の8ブロックあるので、旅にはぴったりな車両ですね。運転時間は1時間ちょっとですが、しっかりトイレも付いています。

 列車は延々と高架区間を走るのですが、驚いたのは、沿線に家が多いこと。
 地方都市の駅を出ると、割とすぐに家並みが途切れて田畑が広がる感覚があるのですが、南北を山に囲まれた狭い地域を走っているにも関わらず、ずっと街が続いているのが非常に不思議です。だから鉄道を敷いても運営できる公算があったわけですね。

 10:41 神辺から15分でこの鉄道会社の由来名の地である井原に到着しました。

 この井原駅で反対列車との交換待ちをします。
 特筆なのは、この駅が地上駅で、駅の前後には踏切があることでした。通常は新規の開通路線に対しては当時の運輸省令で踏切の設置は禁止されているのですが、なぜここに踏切が設置できるのかというと、ここは昔井笠鉄道という軽便鉄道があって、廃線時に鉄建公団が土地を買収したため、昔の平地の鉄道区間の復活という形でなら踏切を設置してもよいという、最近では可部線の復活区間などと同じですね。
 なお次の早雲の里荏原駅の東側にも踏切が1か所あり、これも同様に平地の車両基地がある関係で、地上区間をそのまま活用したと思われます。平凡な高架路線がずっと続く面白味の無い路線かと思われたのですが、これは驚きでした。

 列車はさらに東へ進み、家がまばらになった区間を高架で走ります。
 この辺まで来ると、完全に田舎の雰囲気ですが、それでもまだ家がある方ですね。

 矢掛駅に到着。
 ここではかわいい園児たちが団体(と言っても引率の先生含めて数人ほどですが)で乗ってきました。お昼前の11時台なのに、なんで乗ってきたのかな?

 答えはこれ。
 2駅先の備中呉妹を過ぎると車窓右手に桜並木がお出迎えするので、列車の中からプチ花見ができるのです。

 プチ花見を終えて、列車は真備町に入りました、
 ここは2018年に大水害に遭った場所で、2階まで水没し多くの犠牲者が出た場所ですが、あれから6年ほど経って、車内からの景色では何もなかったような雰囲気さえ感じられました。

 前回の水害では川が8か所で決壊したとのことで、川原宿を過ぎるとこんな感じの堤防の修復場所が車内からも見られました。

 やがて大きな堤防が見えてくると、列車は高梁川の橋梁を渡ります。

 線路は上下線が分かれた伯備線の線路の中央を下りてゆきます。車窓右手にあるのは伯備線の上り線の線路になります。

 しばらく走って、列車は清音駅の中線に入ります。
 清音駅の中線に入るのは、改札口が分かれていて、JRのきっぷでは乗り降りさせないためと思われます。

 11:37 総社に到着 1時間11分の汽車旅が終わりました。
 総社駅の井原鉄道の専用ホームは階段しかないので、大きな荷物や老人・障碍者には厳しい環境です。なお清音・総社両駅ともに専用のホームを使うことで、JR線の切符しか持たない青春18きっぱーなどが井原線の乗車券を買わずにスリ抜けるのを防いでいます。

 総社駅の外へ出ました。
 昔来た時は地平の駅舎だったのに、いつの間にか立派な橋上駅舎になっていました。(調べてみたら1998年に橋上駅舎化ということで、1度橋上駅舎化以降に下車してるのに記憶が無いw)
 駅前を少し歩いたのですが、コンビニもスーパーもなくて不便でした。そして何より駅員がいません。特急停車駅で3路線が接続している乗換駅なのに(ラッシュ時のみ駅員がいる模様)。そのため青春18きっぷもまだ日付印を押せてないのです。ここまでずーっとJRはタダ乗り状態、このままドロンして消えてやろうかw・・・とまぁいうわけにもいきませんが。

 ということで、中国地方最後の未踏破路線を完乗して、これで兵庫県から西の本州は制覇した形になりました。
 総社駅に着いてからの続きは、次の記事で書きます。
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