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「差別と分断の末の暴言」(10/29毎日)と「沖縄・高江緊急報告会」報告

2016-10-29 17:30:52 | 沖縄
沖縄・高江での機動隊による差別発言の映像に衝撃を受けて、高江のことをきちんと知りたいと10月26日の「沖縄・高江緊急報告会」に参加しましたが、その参加報告を書こうとしていた矢先、10月29日の毎日新聞「メディア時評欄」で、高江で起きていることについて、「機動隊の暴言」の背景と基地問題の本質という形で端的にまとめた、フリーライター屋良朝博さんの(私が言いたかったような)優れた論評に出会いました。

http://mainichi.jp/articles/20161029/ddm/005/070/011000c

==引用開始==
「差別と分断の末の暴言」
米軍北部訓練場のヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)の移設工事を巡り18日、抗議活動をしている市民らに対し、大阪府警から派遣された20代の機動隊員2人が発した差別的な言葉に戦慄を覚えた。
(略)
おそらく彼らが生まれたころだろう。1995年、米海兵隊員ら3人が女子小学生を拉致・暴行する事件があった。日米両政府は沖縄の怒りを鎮めようと、負担軽減策のひとつとして北部訓練場の約半分の返還に合意した。返還予定地内にある離着陸帯6基の移設が条件とされ、東村高江集落を取り囲むように配置することにした。
人口約140人の集落では、米軍輸送機オスプレイやヘリが頻繁に旋回し、静寂を壊すようになった。さらに、安倍政権になって工事が強引に進められ、機動隊員と反対派との衝突が激化した。
(略)
海兵隊はその歴史を沖縄に赴任する新任隊員に教えている。研修で使う資料の中に、こんなくだりがある。「1879年、沖縄は日本に併合されて以来、劣った民族として差別を受けてきた」「政府と沖縄はここ20年来、基地を巡り対立することが多かった。政府は米軍部隊と基地を沖縄に置きたがっている(なぜなら代替地を本土で探せないからだ)」
(略)
北部訓練場の返還合意は20年前。その後、海兵隊の半分削減が決まった。訓練する隊員は減り、もともと訓練場には15基の離着陸帯がある。移設は必要だろうか。
なぜ沖縄の民意はかくも軽視されるのか。無関心と無意識の差別の中に潜在する基地問題。米軍さえ見抜いている病理が隠蔽されてはいまいか。
==(引用終わり)=

今回の機動隊の差別発言は、これまで沖縄の問題に無関心だった人たちにも注目されるようになりましたが、その主たる関心事は高江で繰り広げられている地元住民や支援者と、全国から集められた機動隊や防衛局員らとの間の激しい衝突であり、機動隊の暴力行為や不当逮捕が問題視される一方で、抗議場面の一部だけを切り取り、「どっちもどっち」論で論評する風潮も広がっているようです。

しかし、今の事象を語るのならば、上の「時評」のように、高江や辺野古で起きていることの本質を、「沖縄と本土」「沖縄と米軍基地」の全体像にまで広げて、きちんと読み解く必要がある、というのが私の第一の認識です。

更に、付け加えるならば、米軍がジャングルでの戦闘を想定した訓練をするために無惨に伐採し続けている「やんばる」の森林は、多用な生物種の生育地、生息地となっており、その中にはやんばるの固有種、固有亜種、絶滅危惧種も多く含んでいるそうです。

貴重な命を育む掛け替えのない場をわざわざ破壊し、戦闘で人の命を奪う訓練の場にしようとは、何と傲慢で愚かな選択でしょう。

10月26日の「沖縄・高江緊急報告会」では、一度壊してしまったら元に戻すことができない豊かな自然を破壊する行為への怒りを、涙ながらに訴える地元女性の映像も紹介されていました。

沖縄の基地問題については、「差別と分断」という構造の理解と共に、自然との共生という地球規模の視点からも、私達一人ひとりが真剣に考え見直すべき時期だと思います。

今こそ一人でも多くの人に真っ直ぐな目で沖縄を見つめ、寄り添って欲しい。「沖縄・高江緊急報告会」で、映画「高江―森が泣いている」を観、講師の報告を聴きながら、心からそう思いました。

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
笹井明子

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4 コメント

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Unknown (尾崎)
2016-11-04 09:50:37
今も米軍はジャングル戦闘訓練を想定しているのでしょうか。
権威と権力 (おとなのおやつ)
2016-11-05 06:12:01
 ~権威ある人間としてふるまおうとする人間は、権力的になる。権力をふりまわす人間になる。~なだいなだ著『権威と権力』
 自分が知事を務める県に、県外から機動隊が導入され沖縄高江、翁長知事は公安委員を罷免し機動隊を沖縄から出て行かせることはできるのだけど、新しく任命する公安委員がまた機動隊を呼び込むかもしれないのかなぁと…
 機動隊を権力とするなら、安倍首相はその背中についているのでしょうね。沖縄だけでなく本土でも安保法制、集団的自衛権行使容認、駆けつけ警護付与はては首相任期の延長まで!権力的に決めていっている。俗っぽく、時代劇風に例えると、豊臣秀吉に比べ家柄は良いのだけど不思議に今太閤さんという感じが、そして翁長知事がなんだか千利休風とか。
 2013年11月からキャロライン・ケネディ氏がオバマ大統領に指名され、第29代駐日アメリカ大使に就任された。翌2014年1月和歌山県太地町のイルカ追い込み漁について「米国政府はイルカの追い込み漁に反対します。イルカが殺される追い込み漁の非人道性について深く懸念しています」とのメッセージをツイッターで発信された。私も血の海で死んでゆくイルカは可哀想で、キャロラインさんの感受性はこれからの人としてぴかぴかだと思った。そんな彼女の目に、米軍による沖縄の森林の破壊、辺野古ジュゴンたちの住処を追われる様子は届いているはずなのに…
   やんばるの森ジュゴンらら涙そうそう
                           おやつ
 自分の国でなく他国へ来て愛すべき自然を壊してしまうのは、二重に罪深いことになるのではないのかなと、そんなことはしないのが自国にとっても正解なんだけどなと私は思います。
ジャングル戦闘訓練センター (笹井明子)
2016-11-05 23:20:41
尾崎さま

ご質問ありがとうございます。
「やんばる」にある「北部訓練場」は正式には「ジャングル戦闘訓練センター」という名前のアメリカ海兵隊の軍事演習場で、元々、そして今も、『対ゲリラ訓練基地として活用され、歩兵演習、ヘリコプター演習、脱出生還訓練、救命生存訓練、砲兵基礎教練などを行な』っているそうです。(ウィキペディア)
そして、基地の整理縮小を掲げて為されたSACO合意は、実際には北部訓練場の半分を返還する代わりに返還予定地にあるヘリパッドを、高江周辺に移設するというもので、その背景には「オスプレイ・パッド」の新設という目的があったと言います。
詳しくは以下「Voice of TAKAE」をご覧下さい。
http://nohelipadtakae.org/files/VOT-jp2015June28.pdf
日本政府の姿勢 (笹井明子)
2016-11-05 23:46:05
おとなのおやつさん

こんにちは。
オバマ大統領にしても、ケネディ大使にしても、どちらかというと「良質なアメリカ人」の部類に入ると思いますが、自国の利益を軸に全てを判断するのは、当たり前と言えば当たり前です。
日本政府も本来なら自国民の暮らしや利益を最優先に考えて、アメリカに対しても必要なことはきっぱりと物申していかなければいけないと思うのですが、「アメリカべったりが安全・外交の唯一の選択肢」と決めてかかっているのが、何とも不思議。とんだ「愛国者」たちだと、ただただあきれるばかりです。

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