老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

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「日本的集団主義の問題」の根底にある3人の思想家の論理

2018-09-23 10:14:52 | 社会問題
流水さんの体験的な問題提起に私なりの回答を現在準備していますが、問題自体が政治思想の大問題なので現段階では予告(問題点に触れるのみ)しか用意できていません。

この問題を探究してきた思想家は大体3名いると思います。丸山真男、加藤周一、網野善彦。いずれも日本を代表する世界的な思想家であり、歴史家です。

丸山氏は、戦後の著書で戦争(太平洋戦争)の諸相に触れて、日本の国家体制を「無責任の体系」として精緻な議論を展開し、その後も「古層論」で日本の思想史や歴史に通低する論理を明らかにしています。一言で言うと、そのときどきの事態の勢い、趨勢(なりゆき)が、時代状況を決定するシステムであったと言っています。

加藤周一氏は、戦後の早い段階で「雑種文化」としての日本文化論を提起し、日本の通念であった日本文化の純粋主義や独自論を否定しています。そして日本の社会を思想史的に明らかにして、日本社会は「集団主義」であるとし、これは伝統的な性格(多分、近代になってからの伝統であると思います)だと表現しています。

網野善彦氏は、従来の(今も)通念であった歴史の枠組みを疑う古文書や文献以外の証拠(史料としての伝承や遺跡)を新しく発見し、日本文化の単一性をまず批判し、日本の文化は大きく3つに分かれていたこと、特に東と西では歴史の起源からして全く異質であることを実証しています。

そして、律令制という日本の歴史はミスリーディングな制度であるとし、日本が稲作を基本的な文化であるという枠組みを否定。「水田稲作文化」というのは完全なフィクションであると表現しています。

特に江戸時代はこの枠組みは「士農工商」として為政者が国民を分別しているが、大きな擬制にすぎず、能登の海鮮問屋であった「時国家」の土蔵から、この漁師の元締めは「水のみ」と幕府が規定していることはとんでもないフィクションであると批判しています。そして、百姓≒農民という通念を否定し、百姓は多様な性格の職業を持った人々であり、農民はその一つにすぎないと喝破しました。

学界はこの網野説を未だに認めていませんが、士農工商になぜ漁民が存在していないのか、網野説が妥当なことは明らかでしょう。(日本は漁民が活躍してきた国で、歴史学会の結論は笑止千万。)

今回は予告だけなので、以上の思想家の枠組みをもとにあらためて回答を準備する予定です。つまり、集団主義という問題の根底には3名の思想家の緻密な論理構成による実証が存在する。これを流水さんの引用している三谷氏などの論理には反論するような「実証性」があるのか。これが大きな疑問符であるということです。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
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