老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

大佛次郎セレクションより「白い姉」

2008-05-16 16:13:52 | 社会問題
先日図書館でとても珍しい本を見つけました。大佛次郎の「白い姉」です。

大佛次郎と言えば「鞍馬天狗」で有名な作家ですね。たまたま、図書館で目にした「白い姉」という本は大佛次郎セレクション中の 一冊で、大変興味深く読むことができました。
http://book.asahi.com/news/TKY200709010179.html

一見すると、1930年代のモガ、モボ、華やかなりし頃のブルジョアジー富裕階級の男女の物語なのですが、読み進む内に主人公の女性が抱える「実存の不安」だとか、当時の中産階級の没落とか、今の時代によく似ている状況を描いているのです。

特に登場人物である甲太郎という若者の

「中産階級の金はどんどん大資本に収集されてゐる。この中間的な階級は一日一日と加速的に没落して行くだけなんだから。労働者のやうに未来への希望はないし。半端で、無気力で、やりきれない存在だ」(大佛次郎「白い姉」より引用)

と言う言葉は今の日本の社会の状況と似ているなーと思いました。

http://goodfeeling.cocolog-nifty.com/camarade/2007/11/06_a21b.html

上記のアドレスにある解説を読むと、この「白い姉」が単にブルジョアの男女のモダンな生活を描いたものではないことが良く分かります。佐保子という女性の自立への強い思いと、それを実行するに至らず最後の場面を迎えてしまうことに、日本という国家が戦争へと突き進む将来を暗示しているように、私には思えたのです。

単行本で2900円というのは結構な値段ではありますが、大佛次郎という作家が、当時の日本の社会状況をどのような目でみていたのかというのも興味深いものです。お時間のある方は図書館などで一読して見られたら如何でしょうか。

「護憲+BBS」「明日へのビタミン!ちょっといい映画・本・音楽」より
パンドラ

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2 コメント

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初めまして。 (山口晴雄)
2008-05-17 18:41:49
ぼく自身のブログ「camarade 大佛次郎をめぐって」のアクセス解析をしているうちに、こちらのブログにたどり着きました。ぼくの大好きな大佛次郎のずば抜けた傑作「白い姉」を取り上げてくださり、ほんとうにありがとうございます。
コメントありがとうございます (パンドラ)
2008-05-18 13:51:36
私の拙い投稿をお読み頂きありがとうございます。

大佛次郎の著書は「白い姉」が初めてでございます。
偶然図書館で見つけたのですが、本当に良い
作品に出会ったと喜んでおります。

1930年代の世情だけでなく、女性の自立や中産階級
の没落など、とても興味深く読む事ができました。
これから「姉」や「白い夜」など大佛次郎セレクションの中からボツボツ読み進めていきたいと思って
おります。

山口様のブログも時々拝見いたしております。
これからも宜しくお願い致します。

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