老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

少年への死刑判決で大人の殺人罪に無期懲役が下せるか

2012-02-24 11:20:47 | 民主主義・人権
2月20日に最高裁第一小法廷は「光母子殺害裁判」で被告側の上告を棄却して、広島高裁での差し戻し裁判による死刑判決が確定した。21日の朝日新聞で5人の裁判官の意見を読むと、死刑賛成が3名、死刑止む無しが1名、死刑反対が1名だったようで、全員一致ではなく多数決で決定されたのは残念である。

http://www.asahi.com/national/update/0220/TKY201202200258.html?ref=any

最高裁は死刑の多数意見の他に、2006年に広島高裁の無期懲役を差し戻し、08年に高裁に死刑判決を出させてから4年と経過時間も短く、再度高裁に差し戻すことは最高裁の権威と面子からできなかった面もあったのではないかと想像させられる。

朝日新聞には判決理由要旨として死刑判決に賛同した3裁判官の意見が掲載されていたが、法律家であれば理由は尤もらしく後付でいくらでも書ける。その文面は何が何でも死刑を肯定しようとあらん限りの文言を網羅して、理由付けした文体で、最高裁の法律家官僚の力みが感じられる文体で、自然とは言えない。

子供はこの世に生まれて親と家庭環境は選べない、また人の子は動物の中で精神的にも肉体的にも成長するのに一番時間がかかる。少年法は大人に成長する最大公約年数を18年に設定していると考えられるが、18年は平均でそれより遅い少年もあろう。人の誕生は妊娠から十月十日、肉体も自然に機械的に18年で立派に成長するが、健全な精神と性格は時間だけでは形成されない。家庭環境、生活環境、教育環境等に親や人の愛情、友達関係などが複雑に絡みながら健全な大人に成長するのであり、当然育った環境で個人差が生じる。

先日のNHKニュース9では、この少年は父親から頻繁に暴力を振るわれ、母親は自宅の駐車場で首吊り自殺して失っていたと、その家庭環境を紹介していたように、明らかに性格形成に大きなハンディを負っていたと考えられる。

最高裁の多数意見には、「主婦を殺害して姦淫し」とその残虐性が指摘されているが、一般的に我々大人には18歳の少年は本来純真でピュアという潜在イメージがあり、この潜在意識が少年にはあるまじき行為との意識を裁判官にもたらしたとも考えられる。仮にこの事件が30歳、40歳代の男性の殺人姦淫行為なら、一般人が受けるショックや驚きも少年の場合より小さく、その結果メディアも大々的に取り上げることもなく、判決も無期懲役で確定していたことも考えられる。

そのような意味で2006年に最高裁が広島高裁に差し戻した時の、「少年であったことは死刑を回避すべき決定的事情とは言えない」との判示は、メディアに煽動された「厳罰化」の世論に抗しきれなかった最高裁の性ではないかと思われてならない。

最高裁の多数意見で指摘された「異常な行為」は、何の影響によるものであろうか。既述のとおり人間の肉体は年と共に自然に大人になっていくが精神や性格はそうではない。肉体に遅れて精神は育ってくる思春期の特徴があり、ここに精神と肉体のアンバランスが生じる。思春期はブレーキの効きの悪い車を運転しているようなものであると言えよう。

一方で街のビデオレンタル店に行けば、18歳以上はアダルトビデオコーナーに入室でき、そこには強姦、サド、マゾなど異常セックスを描写したビデオが処狭しと展示されている。また親の居ない家庭にパソコンがあれば無料のアダルトビデオにアクセスも自由であろう。裁判官はこのようなセックスビジネスが氾濫していることをご存じなのであろうか。

セックスへの好奇心は思春期の男性が皆経験する衝動であり、精神と肉体のバランスがとれていない少年がそのようなビデオを見て何らかの誘惑に駆られることは十分予想されることである。思春期の肉体の衝動に対するブレーキ(精神)機能が育つには、健全な家庭環境や良い友達関係が不可欠で、この少年の場合、崩壊した家庭環境が精神面の成長機会を奪い、肉体と精神のバランスを欠いて、肉体の衝動を制御できない状態ではなかったかと想像される。

このように最高裁が18歳の少年の置かれた家庭環境や精神と肉体のアンバランスを考慮せずに死刑判決を下すのであれば、逆説的であるが、今後大人の殺人罪には無期懲役の判決は下せないのではあるまいか。無期懲役では今回の少年の死刑判決に示しがつかないであろう。また大人の殺人罪に無期懲役の判決を下すには、今回の少年への死刑判決との違いついて都度説明して貰わなければ、国民には疑問が生じ、納得できないであろう。まして裁判員裁判で大人の殺人罪裁判の担当になった場合、少年への死刑判決とどのように向き合って、無期懲役にすべきか、死刑とすべきかを判断するのか。何れも論理で割り切れない心理的な不整合・不合理が残り、複雑で悩ましい問題が惹起されたと言えよう。

一方宮川裁判官は『「少年司法運営に関する国連最低基準規則(北京ルールズ)は少年保護の基本理念に基づいて「死刑は、少年が行ったどのような犯罪に対しても、科してはならない」としている。我が国は指導理念として尊重し、実現に向けて努力すべきだ。』等(21日朝日新聞より)の理由で唯一死刑反対意見を述べ、最後に「被告の人格形成や精神の発達に何がどのように影響を与えたのかや、犯行時の精神的成熟度のレベルについて、審理を尽くし、再度、量刑判断をするべきだ。二審判決は破棄しなければ著しく正義に反する」と述べている。

まさにその通りで、また世界的に死刑廃止の潮流に沿った論理である。この複雑な社会においては、いくら少年を厳罰に処しても精神と肉体のバランスがとれる環境が整わない限り、少年の凶悪犯罪は無くならないと思う次第である。そして自殺と凶悪犯罪の増加は社会の問題であろう。

「護憲+BBS」「裁判・司法行政ウォッチング」より
厚顔の美少年
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次回国民審査 (じゅんこ)
2012-02-24 13:47:57
厚顔の美少年さん、こんにちは

「光母子殺害裁判」では、裁判長裁判官 金築誠志 裁判官 櫻井龍子 裁判官
白木 勇 3名が賛成 裁判官 宮川光治が反対ということみたいですね。

次回国民審査では白木勇裁判官も審査の対象になっていますね。
白木勇さんは、2010年10月の石川県志賀原発2号炉の地元住民からの運転差し止め訴訟でも、北陸電力に軍配をあげましたね。

メディアも最高裁判事の名前は全部わかるように書いていただきたいですね。
地位協定破棄と福一石棺桶化 (通りがけ)
2012-02-24 17:09:14
記者クラブNHKマスゴミが光母子判決や小沢判決見込み政局など米軍にとってどうでもよい瑣末事マルチスピン報道狂奔で国民に目くらましをかけているうちに、米軍は手下の憲法違反テロリスト防衛省を使って日本国内の基地を大拡張大増強して既成事実化してしまおうと策動している。特に沖縄県と並んで山口県に対する工作は身も蓋もない破廉恥な違憲犯罪活動強制執行連発の見苦しいものである。これを容認する県知事も市長も違憲犯罪者であり防衛省談合汚職共犯者であることは言うまでもない。実に愚かなことである。いかに工事を進めて既成事実化しても、日本国民が地位協定を破棄すればアメリカ軍は総ての日本国内治外法権を失い国外退去全基地返還するしかなくなるのにね。二井知事は引退するらしいが岩国防衛省とともに上関原発中電への在任中の汚職犯罪に対する追及は刑事犯罪時効無期延長された今苛烈誅求に行われるであろうことを覚悟しておくことである。まずは2012年2月20日付け長周新聞(1)面記事をタイプ転載する。(同じ山口県の下関市に関する防衛庁談合汚職案件記事についても後ほどタイプ転載する予定)

岩国市民の声【また知事と市長の茶番】
海兵隊移転拒否は口先だけで受け入れを準備
市民生活疲弊の中「米軍基地増強が加速」

【今月初めに浮上した在沖海兵隊の岩国への移駐問題は、厚木からの艦載機部隊だけにとどまらず、岩国基地を今後さらに増強し、山口県全体を巻き込んで一大軍事拠点にするアメリカ側の構想を浮き彫りにするものとなった。二井知事や福田市長は、「寝耳に水」として、外務省に出向いて拒否姿勢を振りまいているが、これまで数々の茶番劇を目の当たりにしてきた岩国市民からは、「知事も市長も”現実的対応”を主張してきた連中ばかりで、取引の条件をあさっているだけ」「市民を欺くパフォーマンスばかりで、まともに国とケンカしたことは一度もない」と見られている。野田政府も、米海兵隊の岩国移駐はないといっているが、政府がアメリカのいいなりにならなかった例はない。】

 ▼厚木からの艦載機部隊の移駐に加えて海兵隊の移駐によって岩国が極東最大の米軍基地になるコースに変わりない。
 ▼午前7次を過ぎると、岩国基地北側に造られた搬入ゲートに続く道路には、基地内の土木事業に携わる業者のダンプが100メートル以上にわたって列を作る。沖合埋め立てによって2倍近くに拡張された基地内では、新たな基地施設が次々に建てられ、兵舎や娯楽施設もリニューアル工事が続いている。さらに、今年中にオープンするという民間空港(岩国錦帯橋空港)の工事も重なって、重機やダンプがせわしなく動きまわる喧騒となっている。
 ▼基地周辺で暮らす川下地区の住民は、「知事や市長が口先でなんと言おうと現実的に米軍の受け皿は着々と用意されている。まちづくりから道路整備に至るまで、あたかも”市民のため”といって始めるが、でき上がってみればすべてが米軍のためだとわかるのが岩国市政。市長がなんといおうと信じる市民はいない」と語る。
 ▼川下地区では、今年に入って市が新たな区画整理事業を打ち出しているが、その中心は道路整備で、基地正門から一直線に岩国南バイパスまでつなぐ楠中津線の建設を住民を立ち退かせて進めるなど、基地の利便性につながる計画が目白押しとなっている。基地に隣接する市内の中心地域でありながら長年下水も整備されぬまま放置され、大雨になるたびに汚水があふれ出し、盛り土が固められたままの護岸は決壊して住宅地は浸水。これまで繰り返される地元の陳情に対して。市も県も防衛施設局も動く気配は見せなかった。
 ▼地域が寂れ、若者が市外に出て行き、高齢化にともなって空き家率が高くなったことで「米軍優先」のまちづくりが「かえってやりやすくなったのでは」という声も聞かれる。
 ▼ある建設業者の男性は、「基地周辺は大規模な公共事業がやられているが、ずらっと列を作るダンプのほとんどが広島や愛媛で、山口ナンバーは数えるほど。大阪や東京のナンバーまで見られる。これほど大掛かりな工事が行われていても、地元に回ってくる仕事は下請け、孫請けを含めても一割にも満たないし、基地事業で潤っている業者はない。防衛省発注の工事は、単価が高いうえに、ゼネコンの分け合いで入札前から受注者が決まっていて地元が入り込めない。しかも最近では、市内に事務所さえ置けば入札に参加できるので、民空や愛宕山開発に狙いを定めて県外から得体のしれない業者がどんどん入り込んでいる。地元発注が基本だった防音工事でさえ、東京から業者が営業マンをつけて4割近く掠めとり、地元が排除されている」と語る。
 ▼「市の公共事業にも県外業者が乗り込んできて、入札率50%ほどでとっていくので地元が太刀打ちできない。分割発注すれば地元業者も受注できるが、わざと工事規模を大きくしてゼネコンに分け取りさせている。基地や米軍道路がいくら増えても、岩国は食い物にされているだけだ」と憤りをあらわにした。
 ▼市民生活が疲弊する一方で加速してきたのが米軍基地の大増強であり、つぎつぎに浮き彫りになる米軍再編の全貌に対する市民の反感は強まっている。
 ▼そのなかで、第三セクターの岩国錦帯橋空港ビル(柏原伸二社長)の輸送支援業務に林芳正参議院議員の身内であるサンデン交通が入り込んでいることへの反発も強く、「地元発注など掛け声だけ」「林は岩国の利権まであさりに来るのか」と語られている。(了)
推敲しました。 (通りがけ)
2012-02-25 15:35:34
「罪なき赤児の生命を大人の暴力から守れ」

日本人の判官贔屓のはじまりである義経であるが、同時代の人々が判官贔屓を始めたのは義経本人の政治的不遇よりも腰越で静御前が義経との間にもうけた赤児を頼朝の命令で殺されたという限りない悲劇の父親となったゆえでありましょう。赤児を殺すことを日本人が昔から忌み嫌っていたためでしょうか、太閤豊臣秀吉も関白秀次斬首に連座させていたいけな子どもたちまで殺して人心を失ったことがのちの豊臣家滅亡を早めたと考えられます。今も昔も信なくば立たず。ことに日本人は赤児や幼子を金銀宝玉にも勝る宝として大事にする社会の暗黙の伝統的掟があります。

この光母子殺害事件で日本人が最も痛ましく忌まわしいと感じたのはいたいけな幼児が殺されたことでしょう。事件発生時、無抵抗の無力な保護されるべき弱者である幼児が殺されたことに生理的なほどの嫌悪感をほとんどの日本人が覚えたのではないでしょうか。わたしもそうでしたが。

私が同情するのは愛するわが子を見知らぬ水道会社社員に殺された両親本村弥生氏と本村洋氏に対してです。私も子供を殺されたら彼らと同じ心境に至ったであろうとかんがえるからです。本村弥生氏は目前で愛児の首を絞めている制服の闖入者を打ち倒し子供を救いだそうとして、逆にか弱き女性の無力につけ込まれて殺されました。

罪なき無垢で無力な子供の、大人の暴力による無惨な死。私は沖縄で米軍に轢殺された幼女の写真を思い出します。(※目で見る地位協定>>http://blog.livedoor.jp/ikedakayoko/archives/51424388.html>1965年沖縄 「少女轢殺」 報道写真家嬉野京子の証言 )

また、オウム真理教が初めて犯した殺人テロである坂本弁護士一家殺害事件も、同じ年頃の乳児が無慈悲に殺されました。オウムの下手人たちは捕まれば死刑であることを知り尽くした上で凶行に及んだものですが。

私が18歳1ヶ月の「社会人」という点を強調するのは、何歳であろうと社会に出て働き納税を始めた社会人には一人一人に社会を守る義務があるからです。
男女の交わりという成熟個体の生殖行為という生命科学的知識のある者が、赤児の首を絞めたら死んでしまうことをそれ以前の常識的知識として知らないわけがない。子供が泣き出した時点で犯人は犯行を止める意志さえあればすべての犯行を止めることができたにもかかわらず、泣き声を止めるために首を絞めた。これは明確に殺人への強固な決意すなわち明らかな故意を証明するものです。こどもが泣けば直ちにその首を絞める。この果断な決断力と冷酷な実行力に高い知略性を認めこそすれ、知能薄弱や心神耗弱は一片も認められません。そしてこの赤児殺しという犯行こそが社会の存続の根源を破壊する犯罪なのです。

社会はどのようにして続いていくでしょうか。男女が結婚してあるいは結婚せずとも出会って子供を作り育て成人させるからこそ社会は代々続いていきます。
また、どこでいかように生まれようとも子供にはなんの罪もない。日本の社会は伝統的に罪なき子供を大切に守り育てる社会です。桃太郎でも一寸法師でもかぐや姫でも鉢かつぎ姫でもみななさぬ仲の養われ子として成人し社会に名をなしたのです。子供は社会の宝であり国の宝です。

逆に、社会に出る年齢に達した者は無抵抗の弱き者の命を絶対に守らなければならない。子供を殺せばその社会は絶えてしまうからです。これが近代の法律よりも優先する古来から心身に染み込んだ日本人の社会の躾の伝統だと考えています。

快楽殺人や計画殺人は顕著な常習性を示しますから現行の法律は更生可能性が非常に乏しいとして死刑判決を下すと思いますが、少年法20歳未満の規定にもとづく減刑の可能性があるとすれば、被告人の親や被告人を雇った会社の雇用責任ある雇用主が嘆願書を出して無期懲役仮釈放後の厳正な後見責任を果たす旨誓約するか否か、それを裁判所が適と認めるか否かにかかってくるでしょう。

それにつけても福一を住民に警告なく爆発させ被曝させたうえにさらに緊急避難のための自発的移動を強制的に封じた菅内閣東電保安院霞が関の、何十万何百万人もの罪なき子どもやこれから妊娠出産しようという若い女性たちを放射能のまっただ中に置き去りに被曝させた(させ続けている)国家社会の存続の生物的根幹を破壊する棄民テロの罪深さは、もはや法律でも倫理でも人智では到底はかり知れないものです。

彼ら(菅内閣東電保安院霞が関NHK記者クラブマスゴミ)に対する国民の処罰感情の強さがどのくらい大きくなるか、私には想像すらできません。
防衛省のスパイ行為を許さじ (通りがけ)
2012-02-25 21:45:27
下関【最前線の軍港化が現実味】――人工島を中心に不気味な都市改造進行――
米軍は朝鮮有事重要港に名指し「岩国大増強と連動」

(長周新聞2012年2月15日付け(1)面記事からタイプ転載)

【山口県にある米軍岩国基地が極東最大の出撃基地になろうとしている問題とかかわって、米軍が朝鮮半島有事の際に利用する重要港湾(下関、博多、長崎、鹿児島、新潟、秋田の六港)として名指しされた下関でも、決して他人ごとではないと警戒心が高まっている。寂れる市街や地元経済を放置しながら、沖合人工島やアクセス道路の整備だけは急ピッチで進められ、みなが気づいたときには人工島を中心とした不気味な都市改造がやられていた。朝鮮半島を想定したときに瀬戸内海側の奥座敷である岩国よりも、さらに100kmほど近寄った最前線の軍港にされかねないことが現実問題となっている。】

 ▼6つの重要港湾のなかで地理的に最も朝鮮半島に近いのが下関で、舞鶴(京都府)、佐世保(長崎県)といった軍事拠点の中間点に位置し、彦島には三菱重工のドックも完備。戦斗で破損した艦船を修理する能力も備えている。さらに海上交通の要衝で、周防灘を抜けて広島湾に進めば軍港の呉(広島県)、四国沖から黒潮に乗れば米海軍第7艦隊司令部がある横須賀(神奈川県)にもアクセスする。
 ▼この間、米軍が日本政府に求めている重要港湾の役割として明らかになったのは、24時間以内に利用可能な体制で、いざ戦斗が勃発すれば有無をいわさず乗り込んで、たちまち軍事拠点にする意図を持っている。有事になれば”殴り込み部隊”といわれる米海兵隊が岩国基地から飛び出していく。その際、厚木基地から移転するFA18など戦斗機で空爆するだけなら岩国基地から18分で朝鮮半島にたどりつく。しかし大量の人員を伴う上陸作戦になれば、下関港に強襲揚陸艦や艦船が集結し、岩国から人や軍事物資を積み込んで出撃すると想定してもおかしくない。米軍は重要港湾の役割として、水・食料や燃料といった物資補給の拠点としても重視し、23港から6港へ絞り込む過程で選定ポイントにあげている。2003年から米軍艦船が頻繁に寄港してきたのは港の使い勝手を調査したり、実績作りの意味があったとされている。
 ▼こうしたなかで、下関を軍港にする政治がずいぶん以前から貫かれてきたこと、、黙って進めてきた街づくりについても、表面の装いをとり払ってみると、まぎれもなく軍港・軍事都市を意識していることが浮き彫りになっている。
 ▼750億円を注ぎ込んでいる垢田沖の沖合人工島も、「利用目的がないのに巨費を投じているバカげた事業」ではなくて、上層部には別目的に利用する意図がはじめからあって進めている。利用目的のないものに国が予算をつけるわけがなく、市港湾局長や都市計画部長に国交省キャリアを配置するなど、力の入れようが通常とは異なっている。そして今になって「朝鮮半島有事の重要港湾」といい、後出しジャンケンのようなだましをやっている。
 ▼同時進行で岩国には厚木基地の米空母艦載機59機と米軍関係者4000人の移駐に加えて、普天間基地の米海兵隊1500人(関係者含め約4000人)の移駐の意図が明らかになった。「夢の土地造成事業」といってきた愛宕山開発ははじめから米軍住宅のためだったことが明らかになっている。同じように下関で「夢の島」(下関港湾局)といってきた人工島も民間港としては利用価値が乏しく、軍港への道をまっしぐらに進んでいる。

「次々と巨大な連結道路」寂れる街は放置し

 ▼誰も利用しない人工島に次々と連結道路が現れ、「すべての道は人工島へ」といわんばかりの都市改造が進められることに、市民の誰もが不気味さを感じてきた。派手なPRが繰り広げられてきた下関北バイパス(総工費約720億円、計画延長6.8km)が上下二車線なのに対して、前宣伝は乏しかった人工島から鉄道輸送の幡生ヤードに一直線でつながる武久新垢田西線(総工費32億円)は四車線で、六車線にも拡張することが可能な巨大なつくりになっている。そこから幡生駅をまたぐ高架橋・武久椋野線(総工費163億円)は県が担当して建設し、下関インターチェンジや関門トンネルへと直結する。岬之町のコンテナ機能が移転する程度なら明らかに過剰であるが、軍事物資や大量の人員が移動することを想定していたのなら合点がいくつくりになっている。
 ▼さらに新幹線が停まる新下関駅からはイズミのゆめシティ前を通る四車線道路が旧川中中学校を通過して人工島方面へ接続。頑丈な高架橋が姿をあらわしはじめた。一直線で人工島と新幹線駅をつなぐ道路となる。そこからさらに長府方面に向かって四車線道路が計画されており、長府・小月方面では小月航空自衛隊の前を走る小月バイパスの四車線化も進行している。
 ▼人工島の商業利用が増大する見込みは乏しいのに、都市改造計画だけが勢いよく進められる。重量物資の輸送を想定した頑丈な四車線道路。大量のコンテナ輸送が可能な鉄道、高速道路とつながって、人間の緊急な集合・移動を可能にする新幹線につながる想定は軍港しかない。
 ▼人工島の建設計画を見てみると総面積は147ヘクタールで、現在ケーソンで枠取りして進めているのは第一期工事の62ヘクタール部分に過ぎない。さらに本土側に近づく形で埋め立てて、現在の約3倍になる計画だ。第二期、第三期工事の事業認可が下りて、さらに外島まで建設するとなると、費用が莫大になるだけでなく、しまいには滑走路までつくりだしかねない巨大な島となる。
 ▼北朝鮮ミサイル騒動のさい、安倍元首相のお膝元である下関は内閣府が臨検港(他国の船を臨検するために引っ張ってくる港で、軍事衝突を誘発する)に指定した。同じく地元選出で総理大臣を目指して売り込み中の林芳正元防衛大臣は、身内のサンデンバスが岩国基地内のバス運搬業務をしっかりつかんで、軍事利権にも手を染め始めた。最近では小月航空自衛隊周辺の関係者が岩国基地に視察に行って交流を深める動きも見せている。そこに江島元下関市長があらわれ、米軍基地を見てはしゃいでいた様子も話題になっている。
 ▼全国でも例がない「朝鮮が攻めてくる!」想定の実動訓練をやったり、全国最先端の軍事都市づくりが下関で着々と進められている。市民にものいわせぬ異常な政治構造を突き破ること、岩国はじめ全県、全国の平和と独立を求める力と連帯して、下から世論と運動を強めることが求められている。(了)


山口県知事二井知事と岩国・下関歴代市長及び山口県選出国会議員のすべてが結託して防衛省が違法な裁量で他省予算からウラで示し合わせて捻出してくる違法な防衛予算とそれが生む新たな不法利権に一斉に群がっていることがよく示されている。
防衛省よ、2月初め大分日出生台で武装米軍軍事車両が演習地外の一般県道を走行した時「日米地位協定に照らして合法」と言ったが、米軍だから合法なのであって同じ事を自衛隊がやれば憲法違反のクーデターとなる。防衛省解体自衛隊解体になるぞ。

岩国で守屋防衛庁事務次官が防衛施設建設談合汚職事件を起こし逮捕されたのも、本来違憲裁量汚職であるから国家反逆罪である。二井知事と岩国の基地利権業者と市長市議会議員関連企業が全く無関与であるならば、守屋は談合する相手がなく裁量汚職という国家反逆罪を犯せなかったであろう。今防衛局が岩国と下関で行なっている国土改変事業は議会でどのような予算策定が行われて防衛省に下りた予算であるか。これを国民の眼前に一円残らず明らかにすべし。できなければ即汚職談合であり、官僚が議会の認可も受けず予算を独断の裁量で付け替えすることは憲法違反であり、国の統治主体に対する反乱・クーデターである。
米軍がみずから日本国から基地建設予算を堂々とぶん盗ってみずから工事をおこなっても地位協定治外法権があるかぎりやりたい放題である。しかしいかに米軍の後ろ盾や命令指示があろうとも、日本人である防衛省官僚や政治家や業者には治外法権はかけらもなくただ日本国憲法とその下の国内法にすべての行為が縛られているから、軽々に米軍の真似をして同じ行為におよべば全員憲法違反のスパイ罪反逆者として断罪処罰されるであろう。

防衛省行政はすでに全国すべての地で日本国憲法に反する不法裁量行政執行している。地位協定を破棄するまでもない、日本国憲法違反のスパイ行為国家反逆罪で霞が関防衛省及び地方防衛局官僚全員逮捕せよ。
返信 (厚願の美少年)
2012-02-26 17:43:06
次回国民審査 (じゅんこ)さん、コメント有り難うございます。次回衆議院選での国民審査では原発推進容認派の白木勇裁判官をマークしておきます。情報有り難うございました。


推敲しました。 (通りがけ)さん、コメント有り難うございます。

「罪なき赤児の生命を大人の暴力から守れ」については、全く同感です、おそらく反対する人は居ないでしょう。

ただ「暴力から守る」方策の考え方は各人各様でしょう。今回の場合、先ず殺人罪の少年も幼少の頃から大人(親)の暴力と情操を育む家庭環境に守られて居なかったようです。子は親と家庭環境を選べません。そのような家庭環境で性格形成も歪められ、このことが罪なき赤子の生命を奪うという暴力の連鎖を生む原因と見ます。よって少年の凶悪犯罪防止策には死刑より、子にとって良き家庭環境をどのように維持するか、大きな社会問題だと思われます。先ず目先的には夫婦の離婚率を下げる施策を政党には掲げて欲しいものです。

ところで今回の裁判結果を受けて被害者の遺族(本村氏)は記者会見で、「今回の判決で勝利者は居ない。このような犯罪が発生したことが社会の負けです。」と述べていましたが、上記の記者会見の言葉は、報復感情は納められても、再発防止は死刑では解決しないということと同義語ではなかたったでしょうか。彼も犯罪発生当時の報復の感情を克服しつうあるように感じた次第です。

幾ら怨念を持ちつづけても殺害された愛妻と愛娘は帰って来ないわけであり、このような犯罪被害者には精神的な支をしてくれる人(例えば僧侶や牧師)を政府が付けてくれる制度あれば立ち直りも早くなるのではないかと思います。

再々推敲しました (通りがけ)
2012-02-27 03:43:06

厚顔の美少年さま、ご返答ありがとうございます。

>今回の場合、先ず殺人罪の少年も幼少の頃から大人(親)の暴力と情操を育む家庭環境に守られて居なかったようです。子は親と家庭環境を選べません。そのような家庭環境で性格形成も歪められ、このことが罪なき赤子の生命を奪うという暴力の連鎖を生む原因と見ます。

このご観察に同意いたします。これは米国社会で顕著に観察され指摘されるようになった犯罪心理学・境界型や犯罪型人格障害の知見と考えます。かつて凶悪犯罪が多発していたニューヨークで割れ窓理論を対症療法として導入したところ凶悪犯罪の数が統計上激減した。このことを日本の刑事司法が換骨奪胎して我が国に導入し、刑事司法行政の権力乱用が顕在化して厳罰化が起こったと考えています。

ただ、この事件に関しては「少年の犯罪に対する厳罰化」を犯罪被害者遺族本村氏が求めたものではないと最初から考えておりまして、私が最も本村氏に共感しましたのは被告人に本村氏が語った「君は嘘をついている」という言葉です。

被告人の生い立ちには同情すべき点が多々あります。彼が親から虐待を受けていたのは真実でありましょう。しかし親から虐待を受けながらも彼は周囲の他人である学友や教師にささえられて高校を卒業し就職することができた。社会が彼を納税者社会人になるまで育て上げたといえるでしょう。この事実がある以上被告人はこの社会に対して恩義があると私は考えます。親からは虐待を受けながらも高校を卒業して社会人となり就職できたのは社会の見守りがあったればこそでしょう。友人や先生や雇用してくれた社長が人としての被告人を育ててくれた社会そのものです。
彼は就職して社会人となった時点で虐待を加えた親を恨む以上に親の虐待から彼の命を守リ続けてくれた社会の恩義に報いるために、親に虐待されなかった他の社会人以上に人一倍強くこの社会を守る責任を自覚しなければならない立場であったと私は考えます。

もし被告人が十分に内省すればこのことに気づいたはずです。気づけば、社会に守られて成人したもとは無力な赤ん坊の自分が、次代の社会を担う若い本村家の宝であり国の宝である無力な赤ん坊の命を大切に守らずに、自分の犯行(犯罪であること十分に自覚していました)を人に気づかれず完遂するためだけの理由で泣き声を鎮めるためにあやしもせず直ちに首を絞めたことが、いかに恩知らずの人の心のかけらもない鬼畜以下の所業であるか、被害者遺族(おかしな言葉です)本村洋氏にむかってではなく、自分の手にかけた無力な赤ん坊と命懸けで赤ん坊を守ろうとした母親本村弥生氏に向かって全ての心身をなげうって謝罪するはずです。

その言葉はなかった。ゆえに夫婦で大切な子宝の命を守り育ててきた赤ん坊の父親本村洋氏は、年齢の近い被告人少年に向かって同じ社会人男性として「君は嘘をついている」と語ったのです。

刑法は社会を犯罪の被害から守るために定められたものです。そして社会の根源である家庭を破壊する性衝動犯罪を完遂するために赤子を殺すというさらに最悪の鬼畜にも劣る犯行に手を染めたことに内省で気づかず真の反省が見られない(更生可能性が非常に乏しい)社会人犯罪者に対して、法は情状酌量できず死刑を言い渡すでしょう。

これが本村洋氏の「法が裁かないのなら(同じ社会人男性として)私が裁く」という言葉になったのだと考えて、共感した次第です。すなわち本村氏は怨念を晴らすためではなく社会を守る正しい司法が行われることを求めただけである、と考えています。

よって、先のコメントで
「少年法20歳未満の規定にもとづく減刑の可能性があるとすれば、被告人の親や被告人を雇った会社の雇用責任ある雇用主が嘆願書を出して無期懲役仮釈放後の厳正な後見監察責任を果たす旨誓約するか否か、それを裁判所が適と認めるか否かにかかってくるでしょう。」
と推敲して述べた次第です。

長文失礼いたしました。
「日本奇形司法の首魁最高裁を弾劾解体すべし」(再推敲しました。最終稿とさせてください) (通りがけ)
2012-02-27 11:13:00
>今回の裁判結果を受けて被害者の遺族(本村氏)は記者会見で、「今回の判決で勝利者は居ない。このような犯罪が発生したことが社会の負けです。」と述べていました(厚顔の美少年さま)

私はこの言葉を、三審制司法の頂点最高裁が法に基づいてみずから裁こうとせず徒に高裁へ差し戻して刑事裁判の至上命題である迅速性を損ない、その間記者クラブマスゴミに世論を煽る偏向報道をさせて差し戻し審に死刑判決を心証誘導し、長期間にわたって関係当事者の精神的苦痛をいっそう倍加させた。
また裁判所自体が少年法に振り回されて各裁判で充分な審理を尽くさない判決をくだし、被告人少年の自分が犯した罪に対する内省の機会を結果として奪い、その被告人に法が適正に執行されないため真摯な反省や改悛の情が生まれた様子が見られぬことが、赤子の父親遺族本村洋氏と弥生さんの遺族ご両親をさらに長期にわたって精神的に苦しめる事態を惹き起こした。

このように犯罪そのものから受ける精神的苦痛被害よりも、犯罪を正しく裁けない司法制度の無能、奇形司法に長期間苦しめられる被害を被った当事者のひとりでありまっとうな社会人である本村氏が、本当は「社会の負け」ではなく法を正しく司る能力に欠けた無能なる最高裁が18歳いち社会人の刑事凶悪犯罪に負けた「奇形司法の負け」を、遠まわしに婉曲に表明した言葉なのではないかと考えます。

私は本村氏と同じいち社会人としてつねづね最高裁は解体されるべきであり、現職過去職ともに最高裁裁判官は全員弾劾懲戒罷免に処断すべきと考えています。(終わり)

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