老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

感情動員と感情労働の国 ;近代国家失格の日本(NO2)

2019-01-13 16:59:27 | 社会問題
(4)感情の動員と大政翼賛会並みのファッショ体制構築

(3)で触れた安倍政権の言葉の軽さ、扇動的言葉の羅列、政策の総括の無さ、政策の継続性の希薄さ、これはファッショ政権の特色である。これだけを見ると、安倍政権の連中は馬鹿ばかりに見える。言葉は支離滅裂。差別意識は丸出し。誰も自らの言葉に責任をとらない。本当に、こんな連中に(3)で羅列した政策を創出する事が可能なのか。

実は、こういう政策や言葉を紡ぎだしている連中がいる。一つは官僚。一つは竹中平蔵に代表されるグローバル企業の代弁者とジャパンハンドラーと呼ばれる軍産複合体の代弁者。その他は経済界と日本会議など安倍支持団体の右派のイデオローグ。

彼らは、冷静で緻密できわめて怜悧な論理的構成力を持った政策立案者である。同時にきわめて冷酷な連中。彼らの政策で泣きを見る国民の悲しみなど歯牙にもかけない。

麻生太郎財務大臣がナチス・ドイツのやり口を学べと言ったことがあるが、同時に、彼らは、大政翼賛会をつくり、太平洋戦争へ突っ走った時代の日本のやり方をきちんと学んでいる可能性がある。

現在の安倍政権の言葉の軽さ、責任感の無さ、支離滅裂さの全てを【想定内】のありようとして計算し尽くしている可能性が高い。あまりの酷さに国民があきれ果て、怒る気力を失うのを待っている可能性が高い。「人の噂も七十五日」がこの政権のレーゾンデートルだと考えられる。

そしてその政策に盲目的に賛同し、反対者に対して隠微で執拗な攻撃を仕掛けるのがTVの御用評論家やお笑い芸人のにわか評論家、右派評論家やネトウヨと呼ばれる連中。彼らの役目は、反対者の言論を封じ込め、【物言えば唇寒し】の雰囲気を醸成する事にある。

理非の問題ではなく、これがファッショ体制確立のために反対勢力を叩き潰す方法であり、そのこと自体が目的と考えなければならない。だから、そのやり口はエスカレートする一方。彼らの旗色が悪くなればなるほど、その手口は凶暴化するだろう。

言論統制というのは、当局だけが行うものではない。人々が口を開かなくなるのは、一般社会のバッシングが何より怖いからである。自分自身は自らの思想に殉じる事ができても、家族へのバッシングには耐えられない。

ここで行われるのが、【感情の動員】と言う手法。世の中の空気の【醸成】こそがファシズム国家への最大の武器になる。

●大政翼賛会とは何か

よく誤解されるが、大政翼賛会は政党ではない。公事結社と呼ばれるもの。

※公事結社⇒旧治安警察法の用語で、慈善事業など政治に関係のない公共の利益を目的とする結社。

大政翼賛会は、1940(昭15年)10月12日~1945(昭20年)6月13日にわたって活動した。

実は、大政翼賛会を結成する構想は、近衛文麿を中心として、国家体制の刷新を求めるいわゆる【革新派】と呼ばれる連中を集めて、新党結成をしようという動きが端緒になっている。

1938年に出された国家総動員法の国会承認が、政友会、民政党の反対で否決されかかる。その時、近衛文麿を担いで新党結成の動きが顕在化。国家総動員法というのは、革新派の連中や革新派と呼ばれた若手官僚たちによって出されたもの。近衛文麿は彼らが担ぐ希望の星だった。 
※この革新官僚の一人が岸信介だった。

この場合の革新とは、超国家主義体制の形成を意味する。つまり、ファッショ体制の確立を意味した。安倍首相が口を開けば、イノベーションとか改革を言うのと同じ。戦前も現在も改革をいう奴は、右派思想の持ち主だと考えたほうが良い。

その時、当時の二大政党制が崩壊するのを恐れた政友会、民政党は、国家総動員法の賛成に回り、新党構想はなくなった。

1939年、第一次近衛内閣退陣。同年、ドイツ、ポーランド侵攻。欧州で第二次世界大戦勃発。⇒日本でも強力な国家体制確立を目指す運動=「新体制運動」が始まる。⇒その盟主として名門出身の近衛文麿に対する期待が高まる。

当時の既成政党である政友会も民政党も時代の流れの抗しきれず、両党とも解党。右翼政党「東方会」も解党。大政翼賛会に合流。
構想の結果として大政翼賛会が結成される。⇒国民総動員体制の中核になる。

  総裁⇒内閣総理大臣  中央本部事務局   本部⇒東京会館
                     ↓
              道府県支部    大都市支部  
                 ↓       ↓
                  市区町村支部  
                    ↓
                  町内会 部落会

1940年 保守政党から革新政党まで全ての政党が解党。「大政翼賛会」に合流。
(例外) 勤労国民党、立憲養生会(この二つは結社禁止) 日本共産党(非合法)

1940年 第三次近衛内閣解散  東条英機内閣はじまる。

大政翼賛会自体は政党ではないので、政治活動は行わず、関連団体 「翼賛議員同盟」を通じて政治活動を行う。 

※ 日本会議自体は政治活動は行わないが、日本会議に属する議員が政治活動を行う。(安倍政権の閣僚の大半は日本会議に属している)⇒ほとんど大政翼賛会の手法と同じ。

●大政翼賛会が行ったメディアミックス(言論統制)⇒国民精神総動員という【感情動員】の集大成。

大政翼賛会に集まった指導者連中は、論理的で精緻で合理的な理論に基づき、効果的な宣伝戦略を考えている。

大政翼賛会の大目的⇒国家と国民の協力体制の構築=【協同】による戦時総力戦体制の構築=新体制運動・・・・・・・・・本質は、軍事、産業だけでなく、あらゆるもの、生活に至るまでの科学化、合理化。(戦時下の国民生活統制は、全てを戦争遂行のための資源として活用。この思想の下で、「欲しがりません勝つまでは」などの標語が作られる。)

要するに【感情の同一化】を狙う手法である。今風に言うならば、【同調圧力】である。これを、わざとらしくなく、如何に巧妙に刷り込むか、が大政翼賛会の役割だった。

太宰治だったか【暗い時代は希望がある。明るい時代は怖しい】と書いていた。多くの歴史書にしろ、戦前の回顧録にせよ、この時代は【暗かった】とうのが定番。しかし、太宰の感性では逆になる。これは何か。

体制翼賛会などの指導で行われた新体制運動では、徹底した生活の科学化、合理化が行われ、その統制(取り締まり)を通じて国民の言論統制をおこなった。これを【暗かった】という印象で回顧できる人は、自我が確立していて、自らの頭で考えられる人。自立した人であろう。

しかし、率先して国家との【協働】に参画した人は、それなりに生き甲斐があったように思われる。通常ならそんな命令口調でいうのもはばかられるご近所さんに対して、「お国のため」の一言で命令できる。この満足感は、人が想像する以上に嬉しい。いわば、「人を支配する隠微な喜び」に浸れる。
こういう人にとっては、戦争時代は決して暗くはない。否、むしろ明るい時代だった。

一般の国民も意外と楽だったかも知れない。まず、「貧しさ」は、多くの人に共通したありようだから、劣等感にあまりさらされない。やる事が決まっている(善悪とか効率など考えなくてよい。お上の言うとおりにすれば、間違いない。馬鹿になってやり過ごす。)もし、それが間違っていたとしても、責任はお上にある。俺ではない。これは意外と【楽】だった。おそらく表情もそれほど暗くはなかった。

戦時中を知らないわたしにも覚えがある。それは、【管理教育】と呼ばれた1970年代後半から80年代の教育下の子供たち。知性があり、理性的な子供にとって、怖しく馬鹿馬鹿しくつまらない学校生活だったろうが、普通の子供にとって決められた事をしておけばよいというありようは、意外と楽だったかもしれない。ただし、自分自身の頭で考える子供はあまり育たなかった。

だから、太宰は「明るい時代は信用できない。暗い時代は希望がある」と書いたのだろう。こういう時代を作り上げるために、取られた手法が【メディアミックス】である。

●メディアミックスとは

現代風メディアミックスとは、広告業界の用語。商品広告をする際、異種のメディアを組み合わせる事により各メディアを補い合う手法が原義。

・・1973年に小松左京の小説『日本沈没』が光文社より刊行直後から間髪を入れずに映画、ラジオドラマ、テレビドラマ等様々な形態で相次いで制作され、それらが相乗効果を生んでベストセラーとなったケースが大規模メディアミックスの嚆矢といえるが、代表的な成功例として挙げられるのは、その後角川書店が1970年代後半に自社発行書籍(小説作品)の映画化を行い、その原作作品を映画イメージと連動させた新装カバーを付けて売り込み業績を伸ばしたことで「メディアミックス」という言葉と共に注目された広告手法である。・・・ウィキペディア

実は「大政翼賛会」の「戦争への空気の醸成」も同様な手法で行われている。軍歌、童謡、教育、映画、ラジオ、演劇、絵画、文学などありとあらゆるものを使って、国民の【感情動員】を行ってきた。

わたしの田舎の家の蔵には、当時の絵本や文庫などがたくさん残っていた。小学校時代、それらの本を引っ張りだして読んだ記憶があるが、どれもこれも勇壮な物語で埋め尽くされていた。何度も書いて恐縮だが、見事なプロパガンダ戦略である。現在のメディアミックスを完全に先取りしている。

(5)大政翼賛会戦略と安倍政権戦略の共通性

大政翼賛会の方法論をよく見てくると、現在の安倍政権の方法論ときわめて類似している。おそらく、安倍政権中枢に(おそらく官僚)大政翼賛会やナチスドイツの手法に詳しい人物がおり、その手法をなぞって安倍政権の政権運営が行われていると想像できる。

(A)メディアへの恫喝と懐柔⇒程度の差こそあれ、これはどの政権も行っている。ただ、安倍政権のやり口は、陰湿で執拗。情報化時代にふさわしく、政権に批判的な評論家などに対するバッシングを組織的に行っていると想像できる。ネトウヨと呼ばれる連中の数はそう多くはないが、ある程度の報酬が払われていると考えられる、⇒これで空気の醸成ができる

(B)メディア各社のトップの懐柔⇒NHKは人事と予算を通じて完全に懐柔している。今や、NHKのニュースなど安倍政権の広報係と化している。
民間メディアには、社長連中や幹部連中との会食や官房機密費を有効に使う手法で懐柔に成功している。(首相動静欄などで推測できる。)

特に、新聞は読売新聞を通じて完全に官邸の手のひらの上で踊らされている。読売の特ダネの多さがその親密さを物語っている。朝日新聞と毎日新聞、東京新聞などが辛うじて批判的報道を続けているが、なかなか難しい情勢。特に、朝日新聞は、ネトウヨの攻撃対象になりきわめて大変な状況に陥っている。さらに新聞各社は、経営的にきわめて厳しく、消費増税適用をまぬかれるために、官邸の意向を忖度せざるを得ない状況にある。

官邸から見ると、大手メディアを抑える事が何より重要。ネット上の様々な議論も、一次資料としての大手メディアの報道がないと成立しない。その意味で、上記のような安倍政権のメディア戦略は的を得ている。

(C)首相官邸の情報収集能力強化と諜報的手法による反対勢力の排除⇒首相官邸には内閣情報局や警察官僚(特に公安関係)などが集められ、その能力が強化されている。自民党や周辺の安倍支持者の危険な情報をいち早く握りつぶしたり、抑え込んでいる。(山口某のセクハラ疑惑、甘利大臣の斡旋収賄疑惑、財務省の森友疑惑など枚挙に暇がない。)

同時に、安倍政権の敵対者には、様々な謀略を用いて失脚を狙っている。文部科学省の前次官前川喜平氏に対する攻撃が象徴している。羽鳥のモーニングショウで司会の羽鳥が、コメンテーターの玉川に「ハニートラップに気をつけろ」と本気で忠告していた。それだけ、様々な圧力がかかっているのだと言う事がうかがわれる話である。

(D)日本会議系のイデオローグを通じた扇動やインターネットやSNSなどで繰り返されるネトウヨ連中の炎上と称されるバッシング。普通の人はこれだけで嫌気がさす。精神的に耐えられない人が続出する。これが【物言えば唇寒し】の空気を醸成する。ネトウヨと呼ばれる人の多くは、40代から50代の自営業者が多いと報道されていたが、これも大政翼賛会の宣伝に応じ、国民精神動員の実務を担った中心的人間たちの年齢層に呼応している。

(3)で指摘した安倍政権のメディアミックスを目的とする耳の心地はよいが、全く中身のない言葉や表現された言葉と中身が正反対のような様々な新語・造語が生み出されている。

「アベノミクス」が象徴的な例だが、国民の大半はその内容も実態もほとんど分かっていない。居酒屋の話題には上っただろうが、その実態はほとんど知らない。「女性活躍社会」もそう。国民は知らず知らずのうちに、このようにメディアミックスの罠にはまり、【感情動員】されている。

冷静に分析し、その実態を暴くような評論家や学者は官邸のチェックにひっかかり、メディアから追われる。タレントなどが反対意見を述べようものなら、よってたかってバッシング。仕事すら奪われる。

※ウーマン村本、ローラ…権力批判芸能人を排除する醜悪メディア リテラ
https://lite-ra.com/2019/01/post-4479.html

もっとも楽に生き残れる方法は、この種の新語・造語などを面白おかしく話題にし、毒にも薬にもならないような話でお茶を濁す。これが最も楽な処世術。安倍政権のもくろむ【感情動員】の罠にはまる典型的例である。戦前の大政翼賛会下の国民も気が付いたら、太平洋戦争の悲惨な運命に巻き込まれていたというわけである。

「衆寡敵せず!」と言う言葉がある。安倍政権はこれを狙っている。昨年の国会を見れば、一目瞭然。エンジン全開でファッショ体制確立へ疾走している。これを止めるには、少数意見でも粘り強く語り続ける以外、方法はない。

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2 コメント

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米国のポチを自認する日本 (Unknown)
2019-01-14 09:33:25
日本が米国のポチであることを海外に認めた。
!米への支持要請「理解できない」 河井氏発言でロシア情報局長 !
http://www.msn.com/ja-jp/news/world/%e7%b1%b3%e3%81%b8%e3%81%ae%e6%94%af%e6%8c%81%e8%a6%81%e8%ab%8b%e3%80%8c%e7%90%86%e8%a7%a3%e3%81%a7%e3%81%8d%e3%81%aa%e3%81%84%e3%80%8d-%e6%b2%b3%e4%ba%95%e6%b0%8f%e7%99%ba%e8%a8%80%e3%81%a7%e3%83%ad%e3%82%b7%e3%82%a2%e6%83%85%e5%a0%b1%e5%b1%80%e9%95%b7/ar-BBScxkM?ocid=DELLDHP17#page=2
Unknown (Unknown)
2019-01-14 13:34:39
アメリカ経済は責務の海
http://www.msn.com/ja-jp/news/world/%e3%82%ac%e3%83%b3%e3%83%89%e3%83%a9%e3%83%83%e3%82%af%e6%b0%8f%e3%81%8c%e5%86%8d%e3%81%b3%e8%ad%a6%e9%90%98%e7%b1%b3%e7%b5%8c%e6%b8%88%e3%81%af%e3%80%8c%e5%82%b5%e5%8b%99%e3%81%ae%e6%b5%b7%e3%80%8d%e3%81%ab%e6%b5%ae%e3%81%8b%e3%82%93%e3%81%a7%e3%81%84%e3%82%8b/ar-BBSd1sC?ocid=DELLDHP17#page=2

心配はアメリカ企業の倒産で日本の銀行が倒産することです。
いまだにアメリカは景気がいいと言う人もいます。責務の海で景気がいいと言っていることに注意すべきだね。

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