老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

「笑いと涙が人々を救う~イラク復興テレビの力」(NHK・BS)

2007-10-25 11:04:57 | マスコミ報道
NHK・BSで「世界のドキュメンタリ:笑いと涙が人々を救う~イラク復興テレビの力」という番組を見た。
http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/070105.html

この番組は2006年に放送されたものの再放送らしいが、「イラク」という国の今を知るにはとても興味深かった。

イラクのテレビ界はフセイン政権の頃と違って、10以上もの放送局が出来ている。人々は先を争って、衛視放送のアンテナを買い求め、何倍もの値段でも買ってゆく。テレビには娯楽番組があふれ、それだけ見ていると西欧の国々と変わらずバクダットも自由で活気に満ちている。

しかし内情は、監督がテレビ局まで行くのにも幾つもの検問で足止めをくらい、爆撃戦の恐怖に怯え、命がけだと語る。さらに、あるテレビドラマに出演する筈だった男性が自爆テロの現場に居合わせたというだけで逮捕され、ドラマ制作にも支障をきたし、ついに俳優を取り替えることを余儀なくされる。

監督は「なぜあいつが逮捕されたのか、何時釈放されるのか、私には何も分からない。だが、あいつがテロ組織の仲間だったなんて、私には今でも信じられない」と語る。結局真相は藪の中。逮捕された男性は、「自分はテロ組織の一員だった」とテレビで顔を晒して告白するが、その後、「こういった囚人達は行方が分からなくなる為、各方面から抗議の声が寄せられている」というナレーションが入った。

番組紹介サイトにもある、空爆で破壊され尽くした家をリフォームしょうとする番組、権力に逆らい政治風刺劇を演じる芸人。女性キャスターが語る「テレビ人は死と隣り合わせでも働かなくてはならない」という言葉は重い。

命をかけて人に伝えるべきものを持っている。イラクの今は決して治安も回復していないし、アメリカの空爆で家を失っても誰も責任を取らず、うち捨てられていく人々がいる。

アメリカ軍に油を供給しながら誤魔化して、安穏とした痴呆番組ばかり放送している、その国の私は住民なのだと痛いほど感じた番組だった。

「護憲+BBS」「明日へのビタミン!ちょっといい映画・本・音楽」より
パンドラ

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