老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

☆選挙に行こう!投票しよう☆街頭アンケート11/30@武蔵小山商店街

2014-12-01 15:11:56 | 選挙
昨日は、「わたかつ」(私たちの街頭活動チーム)主催の「選挙に行こう!投票しよう☆街頭アンケート@武蔵小山商店街」に参加しました。

今回は商店街ということで、私とそう年代が変わらない主婦やご夫婦が多かったせいか、マスコミやネット情報では得られない生の声が色々ときけて、とても有意義でした。

印象に残った話(投票先):
・息子が福一で働いている。原発が一番気掛かりだが、選挙の争点になっていない。事故は10年、20年で収束する話ではないのに、再稼動というのは理解し難い。(自公以外)
・年金で生活しているが、保険料などのアップで生活費は月6万円程度。どう暮していけば良いのか、本当に困っている。(共産)
・前の戦争で叔父が二人戦死している。戦争は絶対にダメ。(共産)
・安倍首相が酷すぎる(これまでの問題発言・問題行動を列挙)。(民主)
・自民は増税しておきながら公務員改革を全くしていない。(維新)
・経済は野党に安心して任せられない。(自民)
・株を扱う仕事をしているので、このまま自民に経済を安定させていって欲しいが、選挙区の民主候補はきちんとした仕事をしているので応援したい。(比例:自民、選挙区:民主)

その他、自民党や公明党支持には、「知り合いがいるから」という人が複数人居ました。面白いと思ったのは、「維新」支持は、今も改革政党としての期待からだということです。それとは別に、「風にのって立候補」ではなく日頃から地道な仕事を積み重ねている人は、党派を超えて強いということも実感しました。

シール投票の結果は、多い順に、自民、共産、民主、公明・・・ですが、共産+民主は、自民+公明を上回っています。また、「未定」「自公以外」も相当数に上り、選挙本番はこの人たちの投票行動に掛かっているという気もします。

「共産党(・社民・生活・・)を支持したい(している)けれど、選挙区では勝てない。選挙区は勝てる野党に入れて、比例区は支持政党に入れる」という人も何人かいました。野党の選挙協力が上手く行って、有権者が今回の選挙を「安倍政治への審判」として投票してくれれば、結果は望みなきにしもあらず、というのが、今回の街角アンケートの感想でした。

「護憲+BBS」「イベントの紹介」より
笹井明子
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アベノミクスはドアホミクス!

2014-12-01 09:45:10 | 安倍内閣
経済学者浜矩子氏(同志社大学教授)は、当初から一貫してアベノミクスを厳しく批判してきた数少ないエコノミストの一人です。アベノミクスは【アホノミクス】というのが、彼女の安倍批判のキャッチフレーズですが、今はさらにエスカレートして【ドアホノミクス】と言っています。大阪弁で「アホ」と言えば多少愛嬌があるが、「ドアホ」と言えば、もうどうしようもないというニュアンスが込められています。浜女史は、どうやら愛嬌もくそもないどうしようもない【馬鹿】というニュアンスで「ドアホ」と言っているのでしょう。

アベノミクス支援のエコノミストたちは、彼女の言い方を「下品」だと批判していますが、よほど「アホ」と言われるのが癪に障るのでしょう。しかし、アベノミクスの失敗は、世界的にも通説になりつつあります。ロイター通信やニューズウィーク誌に『アベノミクスはネズミ講』とブラックジョークを飛ばされ、日本でも若手右派論客中島岳志に「アベノミクスはモルヒネ」と喝破される始末。アベノミクスなどと持ち上げた評論家・エコノミスト連中の方が自分の言説にどう責任を取るのか考えてからものを言った方が良いでしょう。

ともあれ、浜女史の主張を紹介してみようと思います。浜女史の講演、TVでの発言などを私流に要約したものです。
1、アベノミクスは基本的に【人間不在】の政策
2、アベノミクスは本当の意味でグローバル経済と相性が悪い

●人間不在の意味
「経済活動は人間の営み」という本質を忘れている。そもそも経済活動は他の動物は決して行わず、人間だけが行うもので、最も人間的な活動である。ところが、現在は、経済活動が前面に出過ぎ、人間が引っ込まされる。経済本位で物事を考えると、それこそ人間本位でなくなってしまう、という逆転現象が起きる。

(例)ブラック企業
非正規労働者を劣悪な雇用環境(低賃金・長時間労働など)で働かせ、人間を人間として扱わないのをブラック企業というが、本来ならブラックな企業は企業でない、と認識すべきだ。⇒経済活動が人間の営みである限り、経済活動が人権を踏みにじるという事はあり得ない、許されてはならない。本来であれば経済活動は人権の礎になるもの。現実はそれとは非常に遠い状況になってしまっている。だからといって経済活動が非人間的なパターンで動くことを「あれは経済だからしょうがないんだ」とは決して言ってはならない。

しかし、アベノミクスには人間の姿が見えない。
※成長戦略(2013・6・6)
この中に人間と言う言葉は、一回しか使われていない。それも「大阪万博の時の人間洗濯機というのが注目されましたね」という文脈で使われた。さらに、【格差】【貧困】【雇用】という言葉は、一回も出てこない。アベノミクスは【人間】に目が向いていない証拠だ。

では、どうしたら良いのか。
現在の日本の経済状況の中で最も取り組むべき課題は、【豊かさの中の貧困】問題を解決すべき。日本は世界でも有数な豊かな経済活動を誇っているにも関わらず貧困問題が大きい。これを解決すのが先決だ。
ジニ計数(相対的貧困率)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%8B%E4%BF%82%E6%95%B0
日本はジニ計数が16%。フィンランドは6%。この落差をどう考えるのかが問題。

全体の16%が貧困(年収120万以下)にあえいでいる状況下でデフレ脱却など出来るはずがない。現在の日本の問題は、経済成長の問題ではなく【富の分配】の問題。人間の営みを大切にする経済政策ならこの問題の解決を第一にするべきだ。

安倍政権のスタンスは、富国強兵。先の成長戦略スピーチで最も多く登場した言葉。【成長】=41回。「世界」=37回。
【世界】と言う言葉の登場の仕方。
○「再び日本が世界をリードする」○「再び日本が世界の中に躍り出ることができる」○「世界一企業が活動しやすい日本をめざす」○世界大競争の中に出ていく日本」○「世界で勝つ日本」○「世界を席巻する日本」
これらの言葉は戦前の「日本は世界の一等国」「八紘一宇」などという言葉を思い出させる。つまり、【富国強兵】路線の復活であり、国民は【欲しがりません 勝つまでは】の存在になれと言っている。

●グローバル経済の本質
グローバル社会と言えば、ジャングルの法則が支配している社会といわれる。すなわち【弱肉強食】とか【適者生存】とか『淘汰』の世界だというのが通説だ。しかし、本当のジャングルの法則は、それだけではない。たしかに『淘汰』の論理は働いているが、たとえ食物連鎖の頂点に立つライオンにしても、自分より弱い小動物を全部食べては、自分の生存が確保できない。だから、ライオンも生き、その下の小動物を生きて行ける『共生』の知恵が働いている。

この事はきわめて重要な事実で、わたしたちはよく考えなければならない。【淘汰】の原理は働いているが、【適者生存】の原理も働いている。この【適者】には、強いものも弱い者もいる。生態系を支える事ができる『共生力』のあるものたちが、皆で一緒にジャングルを支えている。これがジャングルの根源的力学である。強いもの、弱いもの、大きいもの、小さいもの、若い者、老いたもの、みなそれぞれが役割を持って生きている。【共生】の世界こそが、ジャングルの生態系であり、この『共生』の世界を壊したら、ジャングルはたちどころに崩壊し、砂漠と化す。これがジャングルの基本形だ。

では現代のグローバルジャングルの時代はどうか。
人と金がたやすく国境を超える時代になると、国境を越えて数多くの人々と数多くの多種多様な企業群がお互いに支え合い、お互いに長い生産体系の一貫を形成するようになり、何度も国境を越えて一つの完成品を産み出す世界になった。これを【グローバルサプライチエーン】とか「グローバルバリューチエーン」という。

今のグローバル世界では、メイドインジャパンの製品も日本国内で製造されているだけではなく、他国で生産されたものを集めて一つの製品になっている場合が多い。このような製品をわたしたちはどう考えどう扱うかという難しい問題を抱えている。全てを自国工場で生産するという自己完結型生産と言うのが不可能になっているのが、グローバルジャングルの世界だ。誰も一人では生きていけない。皆が一生懸命に生態系を支え合っているのがグローバルジャングルの現実だ。

安倍首相の唱えるアベノミクスの思想は、この『共生』の思想が欠落している。誰れもが何かを分かち合わなければ生きていけないグローバルな世界で、自分だけが独り勝ちをする発想では、きわめて生きにくいのは自明の理だ。浜女史は、このような考え方を【僕富論】=(僕だけが良ければ良い)と切り捨てている。

このような思想で突っ走ろうとすれば、かなりの無理が必要なのは、誰にも理解できる。これが「三本の矢」「異次元の金融緩和」「国家戦略特区」「アベノリンピック」と次々と経済刺激策を打ち出す理由だ。もともと経済活動の根源的理解がない経済政策では効果がないのは明らかだが、それを無視して景気刺激策を打ち出そうとすれば、当然きわめて反動が大きい刺激策を打ち出さざるを得ない。つまり、アベノミクスの経済政策は、ドーピングのようなもの。つまり、アベノミクスは、日本経済を薬物依存症に陥れる危険性が高い。その反動は、計り知れない。今や、世界では、日本発の「経済恐慌」の危険性が囁かれている。これを「アベノリスク」という。

☆ではどうすれば良いか。浜女史は以下の3つの提言をして、国民の意識変革を訴えている。
「1」 脱世界一;世界の状況が厳しい中で他を押しのけて自分たちだけが勝ち残ろうという発想では、一蓮托生のグローバル経済の中では生き残れない。また、世界一、世界一という発想は、中央集権主義強化につながり、地方軽視になる。まず、これを根本的に改める必要がある。

「2」 脱格差;日本の現状は、出来の悪いホットプレート。ホットプレートのある1点は熱くなるが、周りは温まらない。このような「富の偏在」がある限り、デフレは脱却できない。脱格差に専念しなければならない。それをアベノミクスしかない、というのでは、話にならない。

「3」 脱幼児性:大人と子供の違いは、人の痛みが分かるかどうかにある。人の痛みの分からない連中に経済をまともな方向に持っていけるわけがない。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/inoueshin/20140705-00037110/
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MWSP766JTSEH01.html
http://blogos.com/article/73760/
http://dametv.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/l-d85c-1.html
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以上、浜女史の考え方を要約しましたが、きわめて常識的な考え方ですが、きわめて示唆に富んでいます。「経済活動は人間しか行わないきわめて人間的営み」という指摘など、当然過ぎて誰もが忘れているものです。しかし、TVなどに登場する経済評論家や学者などからはとんと聞かない思想です。

今国会では廃案になりましたが、「派遣労働法改正」問題でも、彼女の考え方はきわめて異色です。彼女は、派遣労働を【ガレー船】の漕ぎ手にたとえます。彼女が想定していたのは、「ガレー船徒刑囚の回想 (岩波文庫)」に書かれている囚人を想定していると思われます。(カトリックの支配していたルイ14世治下のフランスで、17歳の時から12年間ガレー船の徒刑囚としてすごした一プロテスタントの記録(1757)。服役中に52%が亡くなるというガレー船徒刑囚の苛酷な体験を回想した唯一の記録といわれ、当時のフランスの政治状況、宗教をめぐる状態、司法制度などについての貴重な証言をも含む。本邦初訳。)

要するに派遣労働というのは、生きるためには、死ぬまで櫂をこぎ続ける以外に術がない、漕ぎ続けるのを辞めたら死が待っているというガレー船の囚人たちの苛酷な労働にたとえているのです。経済活動は、優れて人間的営みだから、人権侵害などあってはならない、という彼女の思想は、【経営効率】1点張りで人間を無視する現在の経済思想と鋭く対峙しています。

国民は、わけの分からない数値を振り回す政治家・官僚・経済学者・評論家・メディアの詭弁に振り回され続けています。彼女の視点で現在の経済状況を見れば、如何に非人間的思想で経済が運営されているかがよく理解できます。この選挙、アベノミクス以外に争点はたくさんありますが、アベノミクスの根底的批判の視点も忘れてはならないと思います。浜女史の視点は、その大きな助けになると考えます。

「護憲+BBS」「政権ウォッチング」より
流水

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