老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

「小沢外相の勧め」

2010-09-16 21:18:39 | 民主党政権
幹事長は結局岡田さんで決まりのようですね。ところで、今朝の毎日新聞「発信箱」で、論説室の倉重篤郎氏が『「小沢外相」の勧め』という一文を書いていました。一部紹介すると:

『この代表選、小沢一郎氏が「政治とカネ」のマイナスを吹き飛ばす新しい政治の方向性を示せるか、注目してきた。
結論からいえば、あるようでなかった。・・・財源見積もりが甘く・・・。(略)
ただし、なかったようで、あった。安保・外交政策だ。断片的ではあったものの「普天間問題の仕切り直し」「沖縄海兵隊配置の見直し」「対等な日米」といったいくつかの方向性が言葉の端々ににじんだ。(略)
菅直人総理からは、出てこないシナリオである。(略)
どうだろうか、小沢外相という人事は。多分、米国と外務省は嫌がるだろう。離米派と見られているからだ。だが、菅首相にはそれぐらいの度量が欲しい。小沢氏も200人の議員の支持を得たからには、お返しとしてその豪腕を政策で燃焼させる姿を見せたらどうか。』
http://mainichi.jp/select/opinion/hasshinbako/news/20100916ddm004070013000c.html

素晴らしい発想だと思いませんか?そもそも私が今回小沢さんに代表になってもらいたいと思った最大の要因は、沖縄を置き去りにして「普天間問題」解決は有り得ないと強く感じてきたことでした。小沢さんがアメリカと外務省を相手に、直接的に豪腕を発揮してくれたら、これ以上望ましいことはありません。

岡田さんが幹事長を引き受けることになって空いた外務大臣ポストは、是非とも小沢一郎さんに就いてもらいたいと思います。

・・・と現在ワクワク気分で倉重さんの卓越した提案を支持していますが、明朝までにはもっと凡庸な人事が決まって、「一夜の夢」と再びガッカリさせられるのでしょうね、、、。

「護憲+BBS」「マスコミ報道を批評する」より
笹井明子
コメント (3)
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今頃何のための世論調査だろう

2010-09-16 10:28:32 | 民主党政権
民主党代表選が終わった今頃、日経新聞が菅政権に対する世論調査を実施しているが、目的は何であろう。菅政権は未だ何も法案を成立させた実績もないのに、人気調査みたいなことなどナンセンスである。それとも党役員人事で小沢氏を重要ポストに取り込んだら、せっかく上昇した菅内閣の支持率が落ちますよとの牽制か。

http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819481E3E7E2E6E38DE3E7E2EBE0E2E3E2E2E2E2E2E2E2

一方、「首相の政策や指導力を評価する積極的な支持は少数で、世論の追い風を今後もつなぎ留められるかどうかは不透明だ」とも報じている。これはまさにその通りで、内憂外患の菅政権にとって、これからの難題は党内調和と法案成立である。これが上手く進まないようであれば現在の人気も急落する。

当面世論を気にしなければならない国政選挙の予定もない。よって菅総理は小沢氏を幹事長に抜擢して党内調整を進め、更に小沢氏の政治力を頼みネジレ国会を解決し、法案をより多く成立させ、国民に民主党政治を実行してみせることである。そしてそのような政策実行に裏打ちされた内閣の支持率が高くなることを目指すべきである。

メディアが行う、何の実績もない内閣の支持率調査など政治の世界ではナンセンスであり、このようなおだての支持率に乗せられ幹事長人事を誤るべきではない。

「護憲+BBS」「マスコミ報道を批評する」より
厚顔の美少年
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「小さいお家」(中島京子・文芸春秋)

2010-09-16 10:11:34 | 暮らし
この物語は戦前の中流階級の家で女中さんとして働いた少女タキの視点で描かれている。

白地に青い水玉模様のワンピースを着て、1歳の恭一坊ちゃまを抱いて、飛び出して来るようにタキの前に現れた時子奥様は、タキよりも8歳年上でまだお嬢様と呼んだ方が相応しいような若くて、美しい人だった。

「タキさんと時子、何か名前がよく似ているわね」という最初の言葉をかけた時子は、家事全般に精通したタキを頼り、タキも優しい時子を慕っていた。可愛い恭一坊ちゃまと働き者のご主人が建てた赤い三角屋根の家での暮らしぶりは、タキに「私このお家を一生お守りいたします」と言わせるほどキラキラ輝いたものであった。

タキの回想文を読んだ、甥の次男の健史が言っていたように、昭和5年から10年以降の日本の情勢は、タキが懐かしく回想しているような気楽で能天気なものではなかったのだろう。南京大虐殺の悪夢も起こっていたのに、東京では戦勝大セールのアドバルーンが上がり、人々はデパートのセールに押しかけ、小さなお家に住む人達の関心事は、東京オリンピックの開催に向けて東京誘致がどの位進んでいるかと言うことだった。

そんな平和な家庭が少しづつ変化し始めるのは板倉正治という、この家の主人の若い部下がこの家に出入りするようになってからだった。私がこの物語を読んで不思議に感じたのは、時子の夫、平井の旦那様が夫というより父親のような存在に感じたことだ。

恭一は一度目の結婚の時に前夫との間に出来た子どもで、平井の旦那様の子どもではない。しかし旦那様は恭一を我が子のごとく可愛がっている正治が家に出入りするようになっても取り立てて事件が起こる事もなく、戦争が進んで華美な物や催しが規制されることはあっても、タキの小さな家の生活は楽しく平穏に過ぎていった 。

この物語の最終章は、それまでの視点を変えて、甥の次男、健史の視点で描かれている。そしてこの最終章は、この物語の小さな家の人々の心の内を描いていて、それまでの物語を大きく変えてしまうものとなっている。

旦那様の心情は最後まで分からなかったが、時子をめぐるタキの思い、時子の友人睦子の「女学生のころ、とてもきれいだったのよ、時子さん、〈中略〉みんな好きになっちゃうのよ〈中略〉罪ねえ、きれいな女って」という言葉に垣間見られる睦子の思い。実はこのちいさなお家で、時子の小さな息子恭一の心情も含めて、時子をめぐる人々の様々な思いが交差していたのが分かる。

そして息子恭一が、既に齢80を過ぎて、タキの甥の息子健史と出会い、あの時代は誰もが何かしら不本意な選択を強いられた-という言葉。「強いられてする人もいれば、自ら望んだ人もいて、それが不本意だったことすら、長い時間を経なければわからない。そういうことがあるものです。〈後略〉」と語るように、日本という国を動かしていた人々、いや世界の国々を動かしていた人々により知らぬ間に人生を翻弄された人達。

しかし彼女達は、大きく不穏な空気が近づいてくることを少しだけ不安に感じながら、日々の暮らしをこの小さな家で営み楽しんでいたのだろう。その視線の先にあるものは何だったのだろう。そんな小さな疑問を感じながら私は本を閉じた。

「護憲+BBS」「明日へのビタミン!ちょっといい映画・本・音楽」より
パンドラ
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