老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

職業選択の自由と可能性

2009-01-05 21:17:23 | 社会問題
フリーターや派遣社員について「自己責任」を声高に主張する人々は、本人の努力不足を指摘しますがそれは正しいでしょうか?私の身近な若者の実態をご紹介します。

1994年3月、開設したばかりの子供将棋教室に目のくりくりした愛くるしい子供がやってきました。定跡を少しかじった程度の力しかなかったけれど、K君は雨の日も風の日も休まず通いつめ、半年ほどすると大器の片鱗を表し始めました。

中学に進んでも将棋に対する情熱は少しも衰えず、高校に入ると県高等学校文化連盟主催の高校将棋大会すべてに優勝する前人未到の大記録を樹立し、全国大会でも上位の成績だったため立命館大学理工学部に推薦入学することが出来たのです。

「僕はあんまり頭よくないから卒業できるかどうか・・」と心配してはいたものの、1年留年しただけで06年3月めでたく卒業。在学中から将棋関係の職を求めて駆けずり回っていたのですが、その市場はあまりに狭く、結局はフリーターとしてweb上でプロ棋戦の紹介解説をする仕事を今やっています。

将棋にこだわらなければ安定した職を得られるかもしれない、しかし将棋にすべてを注いできた彼が、たった一度の人生をそんな選択にゆだねられるでしょうか?職業選択の自由と可能性、難問の前に老い先短い年金生活者は立ちすくんでいます。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
宮天狗
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軽薄短小な総理の年頭記者会見

2009-01-05 15:26:00 | 自民党政治
1月4日の麻生首相の年頭記者会見ほど軽薄短小な内容は、これまで聞いたことがない。仮に100点満点で評価すれば内閣支持率並の評価点でろう。歴代の総理大臣の年頭記者会見でも最低の部類ではないだろうか。特に年頭所感らしきものもなく、記者の質問に対しても全て的はずれで何一つ答えになっていない。

会見の冒頭、「安心活力」と色紙に筆で大書して、書き初めのパフォーマンスを見せてくれたが、日比谷公園の歳末風景を見るまでもなく、全国でリストラされホームレスとなった多数の非正規社員の惨めな暮らしを生みだしておいて、「安心活力」とは一体どのような感覚であろうか。地方財閥の御曹司の「安心」と庶民の「不安」の感覚の違いが際立つただけである。

また麻生首相は年末に「世界の中で、最も早くこの不況から脱するのは、日本です」と述べたと報じられているが、この表現には違和感を覚える。本来なら日本の不況は世界で一番傷が浅く、直りが早いのは当然でなければならないが、それに必要なこれまでの外需依存から円高メリットを生かした内需拡大への転換策が見えないからである。これからも外需依存に頼る限り日本の不況脱出は外国の後か同時であろう。
http://www.asahi.com/politics/update/1231/TKY200812310112.html

さらに麻生首相の云う「不況感」を国民生活と企業業績に分けて見れば、前者は非正規社員のリストラが最大の要因であり、後者は世界同時不況による急速な販売不振である。非正規社員のリストラは少なくとも労働者派遣法が製造業まで拡大されていなければ防止できたはずであり、明らかに政治不況である。

一方アメリカ発の不況の大津波による企業の販売不振は内需より米国・EU・BRICS等の外需に過度に依存してきた経営戦略にあったことは疑いない。また製造業への派遣法の拡大が低賃金の非正規社員を生み内需拡大を妨げている。過度の外需依存と派遣法の拡大は、販売不振の両輪そのものである。

麻生首相は、低迷する景気に関しては「気が暗くなっちゃうと気分的に悪循環になる。気の持ち方が大事」と強調したと報じられているが、「百年に一度の不景気」とグリーンスパン前FRB議長の言を頻繁に引用して必要以上に不景気を煽り、気分を暗くしているのは首相自身であり、それを解散引き延ばしの口実にしていると国民は見ていることを指摘しておきたい。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090102AT3S2900G02012009.html

一方5日からの通常国会に提出される麻生内閣の第2次補正予算案や09年度予算案を見る限り、非正規社員のリストラ防止の根本対策は見えず、また内需拡大策も選挙目当てのバラマキ給付金と旧来型の公共工事への予算の重点配分が主であるが、これ等は過去にも景気浮揚策には繋がらず国の借金を増やしただけの政策である。

これでは、「世界の中で、最も早くこの不況から脱するのは、日本です」との公言は信じられない。内閣支持率が低迷し政治経済が混迷している状況にあって、国民も早期解散を望んでいる、というのが世論調査の結果であり、少なくとも09年度の予算案の編成は総選挙で信任を得た内閣が行うべきである。そのためにも野党は解散に追い込む覚悟で一致結束して5日からの通常国会に臨んで欲しい。

「護憲+BBS」「行政ウォッチング」より
厚顔の美少年
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