老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

勇気ある「不都合な真実」の発表

2007-12-05 21:05:48 | アメリカ
12月4日のasahi,comによれば、12月3日に米中央情報局(CIA)など米政府の情報機関は「イランは03年秋から核兵器計画を停止しているとみられる」との機密報告書の結論部分を公表した、とのことである。
http://www.asahi.com/international/update/1204/TKY200712040042.html

CIAはこの「03年秋から核兵器計画の停止」の事実を何時頃から把握していたのか、また隠蔽期間はなかったのかは大問題である。何故ならブッシュ大統領は03年秋以降つい最近まで、イランの核開発の脅威に結びつけイラン攻撃も辞さないことを演説の度に取り上げていたからである。

ホワイトハウスを含めた米政府の「真の情報管理」はどうなっているのか、疑わざるを得ない。CIAは真の情報を隠蔽してホワイトハウスに伝えていなかったのか、あるいは、CIA、ホワイトハウスぐるみで真の情報の隠蔽がなされていなかったのか。もしや「イランの核開発の脅威は米国政府の偽装」ではなかったのか。ブッシュ大統領の最近までのイラン攻撃発言はどの情報に基づいてなされていたのか、事実との整合性が求められて当然である。

思い出すのは米国のイラク攻撃である。その大義名分は「大量破壊兵器の保有」の断定であった。米政府内でのこの情報源は確かCIAであったはずである。しかしイラク侵攻後今日まで大量破壊兵器は発見できず、後日国務長官、CIA長官もその情報は誤りであったと認め、結局二人とも長官職を辞任している。このように、誤った情報により戦争が開始された事実がある以上、イランでも同じ過ちか、故意による情報操作で、戦争が開始される危険性があることは否定できない。

しかし今回の米政府情報機関の「真の情報」発表は、米政府にとっては「不都合な真実」を認めざるを得なかったとしても、勇気ある発表であり歓迎である。今後のブッシュ政権のイランへの強硬戦略の変更を示唆するシグナルでもあり、そうなれば米国にとっては日本の給油新法の必要性も遠のくのではないかと期待したい。

「護憲+BBS」「アメリカの動きに注目する」より
厚顔の美少年
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

二人の憲法改正論者の挫折

2007-12-05 20:37:07 | 憲法
二人とは、ベネズエラのチャベス大統領と日本の安倍前首相のことである。二人とも何とかして現行憲法を改正したいとの強い野望を持っていたが、片や国民投票で憲法改正を反対され、一方は参議院選挙で野党に逆転され辞任に追いやられた。

この二人の政治家の信条と政治スタンスが正反対なだけに、二人とも何故「憲法改正」が国民の支持を得られなかったのか、その詳細な検証は後日政治学者がしてくれるであろうが、素人にもおもしろいテーマである。

二人の相違点と言えば、チャベス氏は社会主義体制を目指し、反米主義、イラク戦争反対、とりわけブッシュ大統領嫌いらしく昨年の国連総会演説でブッシュ大統領を「悪魔」呼ばわりしていたテレビニュースは記憶に新しい。恐らく憲法改正内容も社会主義政策の実現を狙った内容であったと想像される。

それに対して安倍前首相は、自由主義経済の価値観外交を掲げ、反社会主義であり、対米追随で米国の対テロ軍事戦略にも賛成し、憲法改正の主な内容は9条を改正して軍隊を持ち、海外派兵と集団的自衛権の行使を可能とするものであった。

以上のように政治信条・スタンスは正反対ながら二人とも憲法改正の野望を国民に砕かれてしまった。一体何故だろうかとの疑問が湧く。しかし意外にも政治手法には共通点があり、それが災いして国民の支持を得られなかったのではないだろうか。

1つは憲法改正への異常な迄の思い入れと、独断と偏見による独走である。2つ目は報道機関への言論統制の強化である。チャベス氏も憲法改正を前にして反チャベスのマスメディアに対して何らかの言論統制を加えていたと伝えられている。一方安倍前首相もNHKの番組編成に関与した疑惑がもたれ、首相になってからはNHKの海外放送への命令権を総務省に持たせたり、またNHKの経営委員長人事にも権力を振い言論への圧力を加えようとしていたことは記憶に新しい。言論の自由が押さえられては国民主権と民主政治は終わりである。

二人ともこの辺りが国民に警戒されたのではないだろうか。その意味では国民の選択は何れも正しいのではないかと思う。チャベス大統領には言論・報道の自由を保障して社会主義政策を進めて欲しいものである。

「護憲+BBS」「行政ウォッチング」より
厚顔の美少年
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする