川沿いで『小鉄』を膝に乗せていると、携帯電話が鳴った。
電話の音が嫌いな『小鉄』は迷惑そうな顔をして膝から降り、川へと水を飲みに行った。
電話の相手は某出版社の方だった。
街に出た時偶然立ち寄った出版社で、その時は写真だけを見せたのだが、
エッセイを書いてみては?と言われ、早速5~6話を書いて送ってみた所、
担当の者が変わったという連絡の電話だった。
その時は知らなかったのだが、悪質な詐欺とネットで噂になっている出版社だった。
騙されたと言う人も、本(商品)は出来ているのだから詐欺ではない。商法なのだ。
私の出版費用は百万円と言われた。
見積書を見ても、何に幾ら使われるという詳細は無い。
百万円は高過ぎると言うと、幾らなら出せるのかと言う。
半分迄なら…と言うと、再び半分の金額の詳細の無い見積と、誤字の多い手紙を送って来た。
正直、笑ってしまった。
勿論、本にする気など猫の写真を携帯カメラで撮っている時点で既に無かった。
誰か他人の意見が聞きたかったのだ。
そもそも、私が行く所を間違えていたのか…いや、間違えてはいない。
例え、営業的意見でも「書いてみては?」と言ってくれた出版社の方にも感謝だ。
私は写真家じゃないし、物書きでもない。ネットも敬遠していた。
何か(猫)に導かれる様に書き始めたのは、昨年の夏からだった。
で、昨秋自宅PCで印刷・製本、本(ほんの数冊ではあるが…)が出来た。
年末には繋いでいないPCを繋ぎ、ブログを始めた。
猫の力は本当に、凄い。
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