路地猫~rojineko~

路地で出会った猫と人。気付かなければ出会う事のない風景がある。カメラで紡いだ、小さな小さな物語。

自販機裏で会いましょう

2009-03-18 | ★ほんの日常

買い物の帰り道、何故か猫の鳴き声がするので

足を止めて回りを見渡すが、猫の姿は何処にもない。

(気のせいか…)と思い、再び歩き出した時

又、猫の大きな声がする。





声の所在を確かめようと

買い物袋を置いてウロウロしてみた。

明らかに私の動きに反応して鳴いている。

大きな自販機が目に止まった。





(もしやこの裏に…)

ビンゴだった。

声の主とは思えぬ程の4ヶ月位の子猫が

自販機の裏から私に向かって

かなり必死で鳴いている。

青い目をした白い子猫だった。




その子猫が何を訴えているのか解からなかったので

とり合えず食べる物をと、さっき買い物した中から

そっと地面にチーズを置いて離れてみる。

オドオドしながら一口、口にしたと思うと

ろくに食べもしないで

今度は私に向かってダッシュで甘えて来た。

かなり必死に。

顔を近付けて来た口からは

さっき迄ミルクを飲んでいた様な匂いがする。

(親猫に追い出された猫じゃなく、人に捨てられた猫の様だ)

その場を去ろうとすると、子猫は何処までも付いて来る。

一度貰った「優しさ」を信じて。




今度は、私の後ろから来た人を追い掛け始めた。

どうするんだろう…と見ていると

工事現場のおじさんが器具をホースで水洗いしている所に出くわした。

子猫はおじさんに向かって甘える様に鳴いてみた。

「うるさい!あっちへ行け!」

怒鳴られた猫はビックリして元来た道を戻って行った。





一度家に戻った私は

やっぱりあの子猫が気になって

自販機裏を覗きに行ったが、

もぬけの殻だった。

可愛い子猫だったし、

気まぐれに拾った人がいたのかも知れない。




でも私は、一度子猫を捨てた人が

再び拾いに戻ったんじゃないかと思っている。















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コメント (6)
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