CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

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“金なんてたいしたことねぇよ~”と言えるかな?、DIRE STRAITS

2015年06月20日 | BRITISH ROCK
一度は言ってみたい言葉の一つに、“金なんてたいしたことねぇよ~”がある 。

この場合のシチュエーションとしては、大まかに2通りある。

一つは金の有り余っている人が、“人生金だけじゃないよ。”と余裕を持って諭す場合と、もう一つは金を持っていない人が、“金がどうした!”と若干負け惜しみ口調で言う場合である。

別に金色の風呂桶や便器などを持ちたいとは思わないが、金はないよりはあったほうが良いし、それも多ければ多いほうが良いので、どうしても前者のシチュエーションで宣ってみたい。しかしながら、現実としては、私を含めたほとんどの方々は後者に属するのでは。

日本の場合は、資産上位10%の人たちが、全体の富の約50%程度の日本全体の資産を持っていると言われている。これは、世界の他の国々と比べればそんなにも悪くはなく、比較的富の分散がなされているほうであろう。アジア圏では、資産上位10%の人たちが、全体の約90%程度を保持しているという富の集中度が非常に高い国々も見受けられる。

日本の場合は、累進課税方式で所得税が算出されるので、年収が数千万円を越えると税金でごっそりと持っていかれるからである。例えば年収が1800万円を超えると、租税控除額を差し引いた後に、所得税が40%プラス地方税10%がかかる。

サラリーマンの場合、会社の経理が税率を計算するのであまり実感というものが湧かないのであるが、もし個人事業者の方であれば確定申告する際、なんでこんなに払わねばならないの?と思うに違いない。

給料制でないプロ・スポーツ選手や芸人などがある年にしこたま稼せいだ場合、もし調子に乗ってお金をあるだけ使ってしまったら、翌年の確定申告時にお金が足りず、借金して税金を払うという笑い話みたいなことになるのである。

現在、日本では大体年収1000万円以上の世帯とそれ以下と2分され、以下の世帯が80%以上になることから、中流という概念の世帯はなく、特別なケースを除き一般家庭は後者のグループに大体集約されると思います。昔は、一億総中流なんていった人がいるけど、所得税、市町村税、消費税、健康保険料やその他もろもろ差っ引かれると、たいしてお金が残らない。そのため、現実的に中流を称される人が “人生金だけじゃないよ。”としたり顔で諭す事例は日本ではあまり見受けられないと思うのである。

しかし海外では、そのセリフを声を大にして歌にした人がいる。ダイヤー・ストレイツのマーク・ノップラーである。

MTVに出ている連中は、口パク・エヤー・ギターで演じて、俺たちから見れば“そいつは仕事じゃねよ。”と思うのだが、彼らはそれでいとも簡単に金を稼いじまう。
そして“金なんてたいしたことねぇよ~”と宣い、タダで若い娘をものにする。

今の俺たちは電子レンジ取り付けたり台所用品やカラーテレビ運んだりする仕事をしているんだけど。ああ~、こんなことなら、ギターやドラム習っときゃよかった。

なんて歌ってます。

1978年にセルフ・タイトルのアルバムでデビューしたダイヤー・ストレイツは、アルバムが全米2位、シングルSULTANS OF SWING も4位と大ヒットさせ一躍有名となりました。

その後1979年から1982年までに3枚のスタジオ・アルバムを出すも、楽曲自体がもともと低年齢層に受けるポップ・ソングではなかったので、シングル・ヒットがあった1枚目と比べると売り上げは落ちましたが、ロック界におけるそこそこの地位は築いたと思います。

80年代初め頃のMTVに出ていたミュージシャンたちを揶揄していますが、たぶん口パク・エヤーギターのメガスターを対象にしたものだと思われます。またギターやドラム習っときゃよかったとも歌っていますが、それはカッコだけで売るもんじゃなく、ロックは実際の演奏で勝負と、それまでのグループ活動の実績に裏付けられたことからくる自信を、裏返して言った皮肉でしょう。

全米1位となったシングルMONEY FOR NOTHINGが入った1985年の彼らの5枚目のスタジオ・アルバム BROTHER IN ARMは同じく全米1位となり、なんと売り上げが世界で累計3000万枚を超えるメガ・ヒットと成りました。MTVを皮肉った歌が、反対にMTVのビデオ・クリップで人気が急上昇となりアルバムの売り上げに貢献したというおかしな事態となりました。

マーク・ノップラーは、当然彼も自信の作品が売れれば売れたほうが良いとは思っていたでしょう。しかし、決してMTV流のポップ・ソングの売り方に迎合したわけではなく、それは彼がグループを解散してから出し続けている、以前紹介しました最新アルバムTRACKERを含む一連のソロ・プロジェクトを聴けば解ると思います。

ところで、BROTHER IN ARMというアルバムどういうわけか買いそびれていました。最近、ネットにこのアルバムのレコードが半額以下のバーゲン価格で販売されていたので、早速購入してみました。(通常価格では絶対買わない。)

BACK TO BLACK から出ていた、なんと180グラムの重量盤で、しかもレコード2枚に分けて収録していますので、余裕のカッティングで円周が短いレーベルに近い付近でよく発生する音の歪みの心配なく、低音も良く出た自然な マスタリングで“やっぱりレコードはいいな”と思った矢先、ブチッと大きな雑音が。

信頼の重量盤2枚組と思いきや?

MP3のダウン・ロード・カードも付いてきた。

拡大鏡で見るとレコードの溝に、一見ではわからない小さなミス・プレスと思われる箇所を発見。ミスプレスの箇所に埃が詰まっているのか? ベルベットのレコードクリーナーじゃそれは取れない。一度丸洗いでもしてみよう。

やはり海外から直接買うとこのようなリスクがいつもある。

こんな場合、余裕で“金なんてたいしたことねぇよ~”なんてとても言えない。

やっぱり庶民は出来ることなら“金返せー”である。

このアルバム、出足から、SO FAR AWAY、MONEY FOR NOTHINGとWALK OF LIFEのシングルヒット3連発。特に、MONEY FOR NOTHINGのギターのイントロはかっこいいの一言!

それでは、MTVでオンエヤーされたMONEY FOR NOTHINGです。

Dire Straits - Money For Nothing


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