ワクチン殺人事件 SF傷だらけの天使 105
「兄貴、麻田さんのおばさん、ワクチンで死んじゃったんだってよ」
「ほんとか？」「ほんとだよ」
「麻田さんに聞いたのか？」
「さっきスマホ見てたら、彼女のツイッターに書いてあった」
「ワクチンで死んだ？」「そう書いてあった」
「おばさんって、麻田さんの母親の？」「そう」
ショーケンは麻田洋子に電話した。会話は、すぐに終わった。
「何て？」「ほんとだ！」
「医療事故？誰の責任？」
「そりゃあ、医者と厚労省の責任だろう」
「医者？」「そうだよ、打てるかどうか診るのは医者だからな」
「そういうことになるね」
「橋本の小池病院って言ってたなあ・・」
「橋本の小池病院・・」
「危険なワクチンだなあ～～」「そうだね～～」
「厚労省の責任だな」「そうだね！」
「賠償金とかは出ないのかな？」「４千４百２十万円でるらしいよ」
「なんか安いなあ～～」「でも、無理みたいだよ」
「なんでだよ？」「因果関係が認められないそうだよ」
「なんだそれは？」「死んだんだから、それが因果関係だろう」
「それが、２８日を過ぎたら駄目なんだって」
「なんだそれは？」
「そういう決まりらしいよ」
「じゃあ、２９日だったら駄目なのかよ？」
「そういうことだね」
「ワクチン後遺症って、後から出るんだろう？すぐ出る副反応よりも、そっちのほうが怖いんだろう？」
「そうらしいね」
「だったら、それおかしいよ。厚労省って、いい加減だなあ。子宮頸がんワクチンのときもそうだったなあ」「そうだよねえ」
「誰が決めているんだ？大臣か？」
「さあ～～～～～？」
「だったら、ワクチンを打った病院に賠償させろ。殺人の共犯者だから」「そうだねえ～～」
「じゃあ、今からそこに行こう！」
「今から、仕事は？」「今日は休みだ」
「行ってどうするの？」
「共犯者だから、半分賠償させるんだよ」
「半分？」
「そう、２千２百十万円」
「そんなの無理だよ」
「なんとかなるかも知れないよ」
「無理、無理！」
「やってみなきゃあ分かんねえだろう」
「きっと、警察沙汰になるよ」
「大丈夫だよ、警察は金銭のトラブルには介入しない」
「そうなんだ」
「でも、すぐに追い返されるよ」
「何度も何度も行って、大声で叫ぶんだよ」
「大声で叫ぶ？」
「ああ、この病院でワクチンで殺されました！ってな」
「わざと、まわりの人に聞こえるように？」
「そういうことだ」
「う～～～ん、それいいかもね」
「お前も叫べ」「ああいいよ、俺、声でかいから」
「大騒ぎになると、新聞社やテレビ局がやって来る」
「そうだね～～」
「そしたら、しぶしぶ支払うよ」
「恐喝罪にはならないんだ？」
「恐喝罪？・・ならないよ、こっちには死人という証拠があるんだから」
カラスが「そうだそうだ」と言って鳴いていた。
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