rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

究極の拠り所である母子像 ラファエロの聖母子

2017-05-06 18:06:07 | アート

大公の聖母

ラファエロの描き出す聖母子像は、生物が根源的に希求するものの擬人化と言って差し支えないのではないだろうか。
個として在りながらも、無意識の部分では未分化な原初的なレベルでの一体感が、この絵には表れている。
おそらく、ラファエロは本能的にそれを描き出したのだ。

こと人にとって、その一体感からくる保証された安心感が、個人を形成するうえで必要不可欠だ。
なぜならば、自己を意識し己の存在意義を問うことをしようとするその能力ゆえに、確固たる土台を作るための安心感がいる。
ラファエロは、それを効果的に表現するため画面の中央に、母子がすっぽりと入るほどの楕円を置いた。
それによって、すべてはここで完結し、安定化させている。
母と子の不可分な濃密な世界から、細胞レベルまでの同一感が、ここに存在する。

彼の絵の本当の甘美さとは、その見た目の美しさだけではなく、つまりここに在るのではないかと思われる作品なのである。


聖母子



青紅葉の香取神宮

2017-05-03 23:26:35 | 旅先から

青紅葉

連休だからというのではないけれど、3年ぶりに香取神宮へ参った。
でも、連休なので参拝者がわさわさと多く、とても賑わっている。
もう新緑とは言い難くなった木々の緑も眩しいくらいに鮮やかで、しっとりと潤いのある苔生す参道脇と青紅葉が、神聖な地を覆っている。
以前訪れたときには気がつかなかったことに、植栽が豊富で折々の季節が美しく演出されるということだ。
そう遠くも無いところ、また違う季節の香取神宮を見てみたい。














大正時代からの茶屋