茹だるような夏日

昨日は、世界がサウナと化したような猛烈に茹だるような暑い日だった。
実家のある小さな街の祇園祭の日なのに、小雨がぱらついてどうにも不安定な空模様。
夕方５時過ぎ、東側に建つアパートの壁が暗い青の空を背景に金色に輝いた。
もしかすると虹がかかるかもしれない。
時折窓の外を注意していると、小さい人が外で叫んだ。
東北東の暗い空に、くっきりと美しい半円を描いて虹がかかっている。
よく見れば、その外側にうっすらともう一つのアーチがあって、久々の二重の虹だ。
このまま雨雲が去ってくれたならとの願いも届かず、小雨は祭りに参加した。
それでも祭りは人で賑わっている。
今年の柄の浴衣を着た娘たち、浮かれて友達とカキ氷片手に練り歩く中学生男子、小さな子供たちも頭や手に光るペンライトのような物をつけてちょこまかと歩き、ハレの日を楽しむ。
祭りには、茹だる暑さも吹き飛ばす力があるのだろうか。
いや、暑さで酩酊状態になっているからこそ、いっそう祭りの効果がたち現れるのかもしれない。
昨日の虹は、現実と非現実、人界と神の世界にある結界を開放した。
カメラを持っていたけれど、写真を撮らなかったのは、そんな気配を感じたからと言っておこうか。

マグリットは生真面目

ピレネーの城



せいかつが変わってからというもの、アートとは疎遠になってしまった。
だから、マグリットでまじめにポップなアートを楽しむ。
まじめすぎる画面を救っているのは、その意外で奇妙な取り合わせ。
ドライで意味のなさげな雰囲気が、かえって心を軽くしてくれる気がする。
選んだ絵はどれも青が基調。
むしむしと蒸し暑い今日に足りないもの。
さあ、今夜はぐっすりと青い夢の世界へダイブしようか。

ローストビーフ、そんなに好きなの

ローストビーフは、我が家の食卓に緊張を及ぼす。
特に小さい人と中くらいの人。
大きい人はさすがに大人の分をわきまえて、その場から一歩引いている。
「おい、何枚食べた？」
「まだ２枚。」
「アタシはまだ１枚。」
など、お互いに牽制しあう二人。
残り４枚になったとき、誰がどの肉片を食べるか熾烈な争いが繰り広げられた。
「どっちの肉がいい？｝
「大きくても薄いほうと、厚みがあるけれど見た目小さいのと。」
これって貧乏だからふんだんに食べられるだけの肉がないからというのもあるけれど、少ない物を分け合う、お互いに主張しながらも折り合いをつける、人と渡り合いながら自分にも折り合いをつけられる素晴らしい実践だと思う。
その、根源的な欲望”食”を巡っての日常的な戦いが、彼らをしなやかな心の持ち主にするはずだと、大いに期待している。
だから、またよさそうな肉の塊に出会えたら、ローストビーフを作ろう。
またもや繰り広げられる鍔迫り合いを想像しながら。

ちょっとだけ頑張りました、今夜の食事

「すみません」とのっけから、美味しそうな画像はありません。
今夜は、手作りミートソース・スパゲッティーと生ハムサラダでした。
もちろん、ミートソースのベースは、ミニトマトで作ったトマトソースです。
あまりの美味しさに、９００グラム茹でたパスタは１００グラムほど残し４人で昇天させました。
家族曰く、「お店ではとても食べた気がしないね！二人前以上が一皿ならべつだけど。」とのことです。
生ハムは、セロリを巻いて食べると絶品だと意見が一致して、さらに粗挽き黒コショウを一振りすれば完璧とのことです。

明日からまた手抜き料理になるせめてもの償い・・・と、灼熱の台所で汗を滴らせながら料理しました。
家族の食べっぷりで、その甲斐もあったというものです。
そして明日のお弁当のおかずにと、きんぴらゴボウも作りました。
これでちょっとは心の栄養も摂れたかと思っています。

ヘタレのつぶやき・・・

いきなりの暑さにくたばってます。
世間並みの生活に入って10日過ぎました。
暑さがそれにかぶせて、私を苦しめます。
それでも、一週間ぶりの家事に追われて、週２日ある休みの一日が終わろうとしています。
隠遁生活をしていながらも、すでに予想済みのことではありましたが、ホントしんどいと思います。
結婚して子供のいる女性がフルタイムで働くのは、労働から解放されるときがありません。
勢い、料理に手間と時間をかけられずに惣菜やレトルトそして冷凍食品に手が伸びるのも仕方がないようです。
ましてや住まいの手入れなど、とても手が回らないでしょう。
掃除洗濯は多少いい加減でも、やはり食が適当になってしまうことに、ものすごい抵抗感があることは否めません。
生きていくうえで、食べることは重要な位置を占めています。
健やかな体を作る基本であることはもちろん、楽しみながら食べることで、情緒面や文化を豊かにできるでしょう。
なんとなく最後の砦感がある食べることなので、つい熱くなってしまいますが、だからこそ老体に鞭打って今夜はせっせと夕食の支度をしたのでした。
さてと、明日の食事は何にしようかしら・・・