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麗しの都、中国の麗江

2012-10-27 16:25:30 | 街たち
「にじいろジーン 地球まるごと見聞録」中国雲南省の麗江。
標高2000メートルにある、暗灰色の瓦屋根がとても美しい街。
太古より人が住み着き、首都にはならなかったが、大きな街に発展した。
ここには、ナシ族を筆頭に少数民族が暮らしている。
街には、中国語の漢字の表記のほかに、ナシ族の象形文字であるトンパ文字も併記されている。
麗江一番の市場、忠義市場には、背負いカゴを背負った人が多い。
ナシ族がよく使うもので、買い物カゴとしてはもちろんのこと、子供を背負うときにも使われる。

さて、麗江のグルメ。
雲南省の名物に、雲南ハムがある。
この雲南ハムを使った”サーコーファン(砂紅粉?)”は、角切りのジャガイモと米を炒め、雲南ハムを乗せて炊く。
ハムの塩気と香ばしい香りが米にしみ込み、深い味わいのあるもの。
”チートウリャンファン(○豆涼粉)”は、ケイトウ豆のでんぷんで作るこんにゃくのような、上野駅で売っている灰緑色になった葛餅のようなもの。
冷たくして唐辛子など調味料をまぶして食べるもよし、油で揚げて暖かいものに味付けして食べるもありだという。
”グォチャオミーシェン(過○米線)”は、鶏肉をまるごと煮込んで作った熱々のスープに、鶉の卵・米麺・野菜などを入れ、唐辛子を好みでたっぷりとふり、よく混ぜて食べるもの。
その昔、科挙という難関の官僚の試験を受けるために猛勉強に励んでいた夫に、体を温め滋養の豊かな食事を摂らせたいと心を砕いた妻の手作り弁当が由来だとか。
スープを覆う油の膜で、熱を逃がさない工夫がしてある。
その甲斐あってか、夫は見事科挙に合格したそうな。
このように、料理の出来た経緯があると、中国の文化と歴史を感じさせてくれる。
しかも、その様子などを想像しながら食べると、話は弾み、いっそう記憶に残るではないか。

中国といえば、お茶。
数々のお茶の種類がある中で、ここ雲南省にもすばらしいお茶が存在する。
プーアール茶は、茶葉を完全発酵させたもの。
カフェインが少なくまろやかで、古いものほど味があるという。
その茶葉の保存方法は、平たい丸に固めるというもの。
使うときは、必要な分だけむしりとるのだ。
雪茶は、ハーブティーの一種。
ある高山植物を使い、一年間に500キログラムしか流通しない稀少品。
ビタミン・ミネラルが豊富で、脂肪を分解する効能があるのだそうだ

標高3600メートル高地でにあるところを、シャングリラという。
深い谷に荒々しい激流が流れる虎跳峡、穏やかな高原の湖の瀘沽湖(ロココ)、険しい岩山の玉龍雪山など、魅力的な自然がある。
チベット自治区に入るシャングリラでは、チベット仏教を表すものが、街のいたるところにある。
マニ車は、回すと一回分のお経を唱えたことになり、大きなモニュメントのようなマニ車、おみやげ物屋にある小さなマニ車など。
また、タルチョは、家の間に張り巡られた色とりどりの旗のようなもの。
この旗がたなびくと、お経一回分と、変わり種のマニ車か。
シャングリラの特産物に、松茸がある。
松茸市場なるものがあり、周辺の住民がこぞって自分だけの松茸ポイントから松茸を持ち寄り、売っているのだ。
新鮮な松茸は、醤油とわさびで生で味わえる松茸のお刺身が、ここでは食べられている。
日本に多く輸出しているらしいので、シャングリラ産松茸を食べたことがある人もいるだろう。

麗江は、世界遺産に登録されている街。
同じような建物の高さ、波のように広がっている暗灰色の屋根瓦、白い壁、軒下に吊るされた赤い提灯、巡る水路、統一美がここにはある。
夜に街並みを照らし出すライトアップは、ご多分に漏れずここでも行われているが、この景観を壊さないように上手くライトの設置がしてある。
鳥の巣に見立てたカバーで、無粋なライトを隠しているのだ。
こんなに洒落た気の使いよう、なかなか出来るものではない。
街を管理する人の中に、美意識のしっかりした人がいたのだろう。
偏見かもしれないが、これにはとても驚いたのだ。
遠くなってしまった中国の麗江に行ける機会は訪れないと思うが、この街を歩いてみたいと強く思った。
風雪に、破壊と開発に耐え抜いてきた、この奇跡的な街をこの目でしっかと見てみたい。



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