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アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

焚き火、そして戦闘機

2013-11-26 22:41:46 | 随想たち
昨夜の嵐で、どっさりと濡れた落ち葉が家の敷地内を埋め尽くしていた。
陽も高くなっ10時ごろ、そろそろ落ち葉も乾いてきただろうと竹箒をもって庭掃除を始めた。
カエデ、コナラ、スギ、ヒメシャラ、ケヤキ、ヒノキ・・・様々な葉が庭のあちこちに散らばり、あるいは固まり、それらを掃き集めると私の通った後に小山が点々と築かれる。
物干しのある裏庭、アトリエのある小道、広い前庭、芝の庭、道路に繋がる坂道、それぞれのブロックごとに掃き集めたら、その場で燃やせる場合は二箇所くらいで火をおこし、できない場合は畑の脇の焚き火場へ一輪車で落ち葉を運んで火をつける。
さすがに、焚き火ができる頃はすでに夕方の気配。
落ち葉の燃える様子を見ながら、ときどき竹箒で燃え残りの葉を掃き集めたりと、けっこう手間がかかるのだ。
マッチを擦り、燃えやすい杉の葉を芯にして火をつける。
小さな火種が、ちろちろと赤い火と白い筋のような煙を出しながら、やかがてぱちぱちと音を伴って朱色の長い舌を揺らし始める。
もうもうと上がる白い煙、熱さを感じる熱の放出、ぼんやりとそれらを見ては時折空も見上げる。
ぱちぱち落ち葉の燃える音のほかにも、リリリリリリリと畑から虫の音が聞こえてきて、長閑な時間に充実感を覚え、これも幸せなのだと感慨に浸っていた。
すると、遠くから空気を切り裂く音がしたかと思うと次第に近づいて轟音に変わり、戦闘機が焚き火をする私の100メートルもないような上空を飛び大きく旋回していった。
2機ぴったりと並走する場合もあれば、縦列になって飛んでいくこともある。
戦闘機のパイロットが、地上を見る余裕を持って飛んでいるとは限らないが、もし見られるのならなんと平和な光景だろうと安堵しているのではないかと想像する。
有事のための飛行訓練だけに留まることが、パイロットのためにも、我々のためにもいいのだ。

今日、衆議院を特定秘密保護法案が通過した。
昨日は、中国が尖閣諸島を含む地域に防空識別圏を設定し、日本やアメリカなどをより威圧的に牽制しだした。
一触即発になりかねない危うい事態。
人は善意の生き物ではない。
戦争などという愚行に、蒙昧、迷走しない保証はない。

戦闘機は、それだけでかっこよく美しい。
どうか、航空ショーでその勇姿を我々に見せてくれるだけにして欲しい。

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