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ザンビア共和国、リビングストン

2013-06-15 14:58:03 | 街たち
「にじいろジーン 地球まるごと見聞録」アフリカ南部の内陸に広がるザンビア共和国の、観光拠点となる街リビングストン。
世界第一次大戦と第二次大戦の間、イギリスによって北ローデシアとして直轄植民地となっていたザンビアは、40年の統治後独立し、特産の銅などの鉱物資源が引力となり中国の援助を受けて開発していた。
しかし、どこの例をとってもご多分に漏れず国際間の思惑は人民の利益とは異なるため、軋轢をもたらし、必ずしも良好な関係とはいえないようだ。

リビングストンは、世界自然遺産に登録され世界三大瀑布のヴィクトリアの滝、また近辺に自然国立公園が19箇所もあるため、観光する拠点となり栄えている。
アフリカで4番目に長い川ザンベジ川が生み出す、落差108メートル、幅1.8キロメートル、5億リットル・/分の水量を誇るこの滝は、大地の裂け目にできた勇壮な滝だ。
乾期には、滝の縁にできる天然のプール”デビルズフォール”で水浴びを楽しむことができるらしい。
マイクロライトという軽飛行機とハンググライダーを合わせたような乗り物でする空中散歩は、高所恐怖症の人でも体験したくなるくらい、すばらしい景観を見ることができる。
ほかには、”ゾウ・サファリ”といって背の高いアフリカゾウに乗りゆったりとサバンナを巡るツアー、”ウォーキング・サファリ”はプロのカメラマン「チャンダム・チクムビ」さんに同行して徒歩で回るものがある。
安全のために銃を装備したレンジャーが前後につく。
間近でヌーの群れ、インパラ、キリン、シマウマ、アフリカハゲコウ、絶滅危惧種のシロサイに出会えるかもしれない。
シロサイは、ザンビアに10頭くらいしかいなく、体長4メートル、体重4トンを超える巨体は、圧巻だろう。
車の中から見る自然とは別次元のものが、きっと体験できるはずだ。

ザンビアの食べ物。
白くてぼってりとした見た目で、マッシュポテトか餅のような感じの”シマ”という主食がある。
白とうもろこしの粉を水で練り煮ていくと、もちもちとした食感のシマができる。
これとおかずを一緒にあわせて食べるのが、ザンビア流。
”カペンタ”というちょっと佃煮を思わせる川の小魚を煮た物などが、おかずになる。
素朴ながらもバランスが取れた食事だ。
「アルマジロ・オリエンタル・レストラン」で、これらを食べることができる。
ザンビアの郷土料理ではないようだが、「ロイヤル・リビングストン・エクスプレス」は蒸気機関車を走らせる観光列車で、広大なサバンナに沈む夕日を眺めながらのディナーは、格別のようだ。
自分も一回だけスペインで夕日を眺めながらのディナーを経験したが、実に贅沢ですばらしく感動した覚えがある。

アフリカの大地は、赤い地面に真っ青な空と白い雲、照り付ける強い陽射し、原色が際立つ世界だ。
その風土の影響を受けて、人が好む色も鮮烈なものが多い。
”チテンゲ”とは、この大地が生んだ色柄豊富な布のこと。
女性たちは、服はもちろんのこと、子供をおんぶするときに使ったり、物を包んで運ぶときにもこのチテンゲを愛用する。
フランスにいた頃、このチテンゲとそっくりな布地で作ったドレスや被り物を身につけた女性たちが多くいたことを思い出した。
「エマズ・ウェア&クラフトショップ」では、チテンゲを使ってオーダーメイドのドレスを2日で作るサービスをしている。

ザンビアの妊婦は、つわりを和らげる効果があるとしてカフウエで採れるミネラルやカルシウムの豊富に含んだ岩を食べる習慣がある。
民間療法らしいのだが、古来よりの知恵なのだろうと思う。

アフリカは、資源豊かな国が多いこともあって、外国の干渉や民族間の争いが絶えなく、平穏とはいえない。
これからも、経済発展を目指す国々がそれぞれの思惑でアフリカに接触するだろう。
まだまだ安定した平和は、遠い地域のように思える。
かけがえのない自然と、生まれくる子供たちの未来が、それらによって乱されないことを願うのだ。