rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

薄暮の月とリンゴ&柚子のジャム

2012-11-27 23:32:53 | 空・雲・星・太陽たち

薄暮の月 27/11/2012

夕方4時半、ふと東の窓から外を眺めると、白い月がまだ暮れやらぬ明るさを残した空に、ぽっかりと浮かんでいた。
今、リンゴ狩りでおまけについてきたキズがあって商品にならないリンゴを使って、庭に生っている柚子とジャムを煮詰めている途中だ。
まだ焦げ付くまでに至っていないから、外へ出て、桃色と青紫の空に浮かぶ月と桐の木を写真に撮ってこよう。
P50のコンデジをもって、そそくさと外に走り出る。
そうしている間にも、空から光は失われていく。
薄暮の、この微かな光が満たす時間が、とても好きだ。
そして白い月は、空の明るさを吸い取って輝きを増す。
悠長に見とれていると、ジャムが焦げるから、名残りを惜しみつつ家へと戻る。
台所では、ジャムがいい具合に煮詰まっていた。
ビンに詰めてもいい頃だ。
普通なら見向きもされないキズのあるリンゴが、こうして食べられるようになった。
もう、東の窓からは月は見えない。
空からは光が消えうせ、かわりに星が瞬きだす。
冬の夕方は、急ぎ足だ。
夜は暖かな部屋でくつろごう。
薄暮の月と、リンゴと柚子のジャムが、このように長い夜を共にしてくれるのだ。


リンゴ&柚子のジャム 27/11/2012