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アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

地中海に浮かぶマルタ共和国、猫の島

2012-11-17 11:32:15 | 街たち
「にじいろジーン 地球まるごと見聞録」シチリア島の南にある、小さな3つの島からなる国、マルタ共和国。
ゴゾ島・コミノ島・マルタ島の総面積は、東京23区の半分以下という小国ながら、青く透き通った美しい海と、蜂蜜色の建物が立ち並ぶ、ヨーロッパ有数のリゾート地として人気が高い。
コミノ島は、地中海で一番の美しい海がある。
入り江になった穏やかな海は、ブルーラグーンといわれ、透明度がとても高い。
”マルタの青い洞窟”ともいえるところがあり、海底の白い砂に光が差し込み、神秘的な青い世界が広がる。
この青い洞窟は、泳ぐこともでき、透き通る青の世界に浸れて気持ちよさそうだ。

マルタの歴史は古く、5500年以上前に建てられたジュガンティーヤ遺跡などの巨石で造られた遺跡が、アトランティス文明の痕跡かとも言われる高度な文明の栄えたことを今に伝える。
中世に、マルタ騎士団によって治められた以降、360以上の教会を有し、国民の95パーセント以上がカトリック信者となっている。
ゴゾ大聖堂には、ドームの内側に教会内部の続きがあるようなだまし絵が描かれ、教会をより高く大きく見せる工夫が施された。
また、マルタの教会は、ほかにもある工夫が仕掛けられている。
それは、正面の左右の鐘楼に、時計が取り付けられ、左右指し示す時間が違うよう設定しているのだ。
向かって右側が正しい時刻、左側が間違った時刻を示している。
その理由として、ミサに集まる信者たちを悪魔が襲わないように、悪魔を惑わすため2つの時刻を示す時計を付けたのだとか、魔除けの意味があるという。
しかし、それで騙されるなんて、なんとうっかり屋で気のいい悪魔なのだろう。
美しいマルタでは、悪魔も陰険にはなれないらしい。

海に囲まれたマルタのグルメ。
マルタの人は、タコが大好き。
タコのマリネにタコのパスタ、タコのシチュー。
”タコのシチュー”は、玉ねぎとタコをオリーブオイルで炒め、塩とコショーで下味をつけ、ジャガイモ、トマトペースト、白ワインで煮込んだもの。
パンに乗せて食べても美味しい。
”タコのパスタ”は、チリペッパーを効かせピリッと辛く、タコの旨味でタコ好きにはたまらない一品。
「マショック・ベーカリー」の”フティーラ”は、石賀まで焼くマルタ風ピザでマルタの名物。
”アンチョビとツナのフティーラ”は、薄い生地の上に、アンチョビ、ツナ、オリーブ、ジャガイモ、トマトを乗せてこんがりと焼いたもの。
”ヤギのチーズのフティーラ”は、一番人気で予約しないと売り切れるほど。
濃厚で塩味の効いたヤギのチーズをたっぷり生地でくるんで焼き上げる。
ヤギのチーズは、癖があるけれど食べてみたい。

マルタの特産物に、蜂蜜がある。
もともとマルタは、ギリシャ語で「メリタ」の意味の蜂蜜からきている。
その蜂蜜を使った”ハニーリング”は、黒砂糖と蜂蜜を練って作ったペーストをパン生地に入れ込み焼いたもの。
蜂蜜とワインを合わせた”ハニーワイン”も飲まれている。
また、リゾート地なので、蜂蜜を使ったリラクゼーションがある。
インドのアーユルヴェーダを手本とし、蜂蜜には、肌の保湿と再生効果があるとしてハーブ、ミルク、蜂蜜で作ったトリートメントでマッサージするのだ。
脳のマッサージ、シロダーラもしている。

マルタの伝統工芸に、鮮やかで複雑な模様が特徴のゴゾガラスがある。
ゴゾガラスは、違う色のガラスを重ねて色を出し模様を作るので、一般的ガラス製品よりだいぶ厚みがあるのだ。
雰囲気、ローマングラスの流れを汲んでいるように思えるのは、その厚ぼったいフォルムのせいかもしれない。

マルタには、たくさんの猫が棲んでいる。
特に、マルタ猫というのは、長い耳が特徴。
島という特性もあってか、昔に連れてこられた猫、たぶんアビシニアンあたりのオリジナルな形質を受け継いでいるのだろうと想像する。
猫の姿からも、何千年にも渡った人類の軌跡を夢想して、時の旅人になれそう。

美味しい食べ物、美しい自然、蜂蜜色の建物、大好きな猫があるマルタ。
見ている間一時マルタの住人になれ、そして本当に住んでみたいと思った今日の番組であった。
海に浮かぶ地上の楽園マルタ、悪魔も骨抜きになるこのすばらしい場所ならば、ここに生きているだけで至福の人生を送れそうな気分だ。