rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

怒ると、心も体も調子が悪い

2011-02-16 22:43:33 | つぶやき&ぼやき
夕食後、中くらいの人たちがDVDを見始まった。
「9<ナイン>-9番目の奇妙な人形」。
複雑過ぎないストーリーと緻密なCGアニメーションで、面白そうに観ていた。
あと残すところ10分くらいのとき、毎度の入浴時間となった。
そこで、一時停止をして、交互に素早く入浴を済まし、二人そろって続きを観れば丸く収まるのが、その機転と思いやりができない。
いつものことだが、自分の主張だけを押し通し、待つことができなくて、喧嘩となる。
そこで、歩み寄らない双方をなだめ、妥協案を言って収めることをする。
今回も、そういってみたが、なんともふてくされた様子を見ているうちに、こちらの怒りがわいてきた。
今日は、思い切り爆発しようと、DVD鑑賞の打ち切りを言い渡し、説教をした。
しかし、これはとても疲れる。
説教するほうのダメージが、なんと大きいことか。
体と心に、思い切り毒素が回るようだ。
注意だけして、後は流すほうがよっぽど楽だ。
でも、それでは何も変わらない。
間違いを犯して、自分で気付き修正できることは高が知れている。
第三者の指摘を受けて、自分を見つめ直さないといけないことが多いのだ。
全くの第三者が忠告してくれることは、残念ながらそう多くない。
だから、特に子供のうちは、親として子供に公平な眼で忠告をなさなければいけない。
例え、怒ることが、心と体に不快な負担を与えるにしても。

終わらない悪夢、テリー・ギリアムの世界

2011-02-16 00:30:16 | 映画
テリー・ギリアム監督の「Dr.パルナサスの鏡」を観た。
彼の映画の特徴は、凝った映像と不条理な世界感にある。
これで、テリー・ギリアムの作品は、「12モンキーズ」「ブラザーズ・グリム」「未来世紀ブラジル」に続き4作目。
わざわざテリー・ギリアムだからと選んだわけではなく、レンタルDVDの表ケースに印刷されている絵とあらすじで判断すると、彼の作品に当たるのだ。
彼の作品は、観て楽しいとか幸せになるものでは決してない。
終わりのない悪夢、不条理に支配されている世界を凝りに凝った映像美で描いている。
そして、観たあとは、心の芯に抜けない棘が刺さった状態になり、時折ふっと棘の存在を思い出し、鈍い痛みを感じることになる。
特に、「未来世紀ブラジル」。
大いなる悪意のある意思に管理・統制された世界で、その意思の存在に気付いて抵抗もしくは脱出を試みる非力な人間の苦悩と挫折・敗北する姿を描いた作品。
観て3ヶ月くらい経つけれど、この棘の存在は薄れる気配はない。
それどころか、「未来世紀ブラジル」と眼に見えないダクトで繫がれていて、さらにダクトが太く数も増えていくような、奇妙な感覚に襲われる。
今回の「Dr.パルナサスの鏡」を観たことによって、自分と異世界と繫ぐものが、ダクトの他に鏡も加わったようだ。
それが、自分をどこへ連れて行こうとしているのか、そこは明るく希望に満ちる常世の春なのか、はたまた、高い塀に囲まれた出口のない迷宮なのか。
テリー・ギリアムを水先案内人にするならば、今眼には素晴しく美しくとも、美しさで覆われた世界の隣、行き着くところはメビウスの輪の終着点のない混乱と絶望の世界が待ち受けているのだろう。
いったい、どんな世界が望みなのか、深く考えるために、心と世界を凝視すると、はたして、その有様をしっかりと受け止められるのか、まことに心もとない限りである。