運命のif

昨日、漸く待ちに待った初給料が出ました。で、早速それを使いに今日はあちこち外出して来ました。その帰り道、父から頼まれた指定口座への入金の用事を足しに言った時の事でした。

そこは市役所のキャッシュコーナー、当然ながら土曜日でも利用できます。しかしそこはついこの間まで村と呼ばれていた様な場所だったので、駐車場の敷地内すぐそばに民家があったりするんです。車を駐車する寸前、その民家の屋根から転がり落ちてくるものが私の視界に入りました。その瞬間、私にはそれが何かはっきり理解出来ました。しかし、それが転がり落ちてくる事そのものは理解出来ず、車から降りて駆け寄ってみると、やはりその正体は私の思っていた通りの物体でした。

それは鳥の雛でした。おそらく屋根の上に巣があり、そこから転げ落ちたのでしょう。よく見ると、雛は死んでおらずまだ息が有ります。転落死は免れた様ですが、このまま放っておくほど私は神経太くありません。“雛が転がり落ちた”という事実から考えても、その上に巣があり近くに親鳥がいるのは間違いありません。しかし、落ちた地点から上を眺めても巣がどこにあるか、さっぱりわかりません。しかも夕方でしたからすぐ暗くなるし、さらにアカの他人の家ですからハシゴ掛けてまで巣を探すなど出来ない相談です。

取りあえず自宅に連れて帰り、近くの獣医に相談しました。取りあえず何の種類なのか、どう対処すれば良いのか…と。その結果、正体不明だそーです・゜・(つД｀)・゜・雛の状態では、例外なく分かりにくいものなんだそうですよ…だって性別すら判明しませんでしたから。でも対処法は教わったので、面倒を見るための餌を購入しそのまま帰宅しました。給料が入った後で助かった…。

しかし、鳥など飼った事が無いので不安になり、困った時のネット頼み。そこで色々調べたら、とあるサイトで“野鳥の雛は保護しちゃイカン”と書かれていました。何故かと言うと、落っこちていても親鳥が飛ぶ訓練をしているからだとか、そういう事情もあるからだそうです。しかしこの場合、まだ羽毛すら生えていない状態ですから、飛ぶ訓練って事は無いでしょう。そして場合によっては親鳥が雛を巣に自力で戻すから放っとけとも掛かれていました…がこの雛は体長10cm以上は有ります。しかも、屋根から地面までざっと10ｍ前後はありそうです…これだけの大きさの雛を親鳥が持ち上げられるとも思えません。だから、保護した私の判断は正しいはずですよ？ええ。


で、その雛鳥ってーのがコレ。まだ黄色い産毛まで生えてるじゃないですか…とても親離れ出来る年頃とは思えません。だから、あのまま放っておいたら確実に他の動物の餌食となっていた筈です。尚、下は大きさ比較です。


エル：でかッ!?ホントに子供なのアンタ!?

もう、マジでちょっとしたハムスター並みの大きさです。

　
ご尊顔拝見…誰だグロいとか言ってる奴ァ！雛なんだから、マトモな羽毛が無くて当たり前ッ！
しかしこいつの正体は一体なんなんでしょう？雀や燕にしては大きさが合わないし、嘴の形も変わってる
し…最初は鴨とかかと思ったんですが、水鳥が民家の屋根に巣を作る訳無いし。やっぱり羽毛が無くて
寒いのか、文字通りトリハダ。でも今んトコ弱ってはいないみたいで、糞もすれば撫でてやるとピーピー
鳴いたりもします。


で、取りあえず買ってきた餌を与えてみました。
やっぱりこれまで生餌のみの食生活だったせいか、始めて見る
鳥の餌は中々食べてくれません。もう少し時間が経ったら、新しく
作り直して与えてみましょう。

その後、ネットで調べた超獣…もとい鳥獣保護センターに連絡し保護してもらう事になりました。良かった、鳥なんてどうすればいいかさっぱり分からないモンで。どの道、野鳥は勝手に飼っちゃいけないと法律で禁止されてるんですよね。保護は明日の事なんですが、それまでは一緒にいる訳です。しかしこいつの正体が未だに謎のまま、だからそれまでの間だけとは言え名前無いと不便です。今夜限りですが、何か適当な名前を付けないと。えーっと…リトラ、ペギラ、ラルゲユウス、テロチルス、ブラックピジョン、バードン、ムルロア、エレジア、サタンモア…ちくしょうロクな名前が出てこねぇ_|￣|Ｏ|||まぁ、この中では一番マトモなのはバードン（BIRDのもじりだし）なので、取りあえずはそう呼ぶかな。今夜限りだけど、小さな命を守るため愛と勇気の炎を燃やしてみようか。でも、本音を言うと親鳥の元に返してやりたいので、明日連れて行く前に巣を探してみるか。

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